ずん
「重油まみれのペンギン保護したら懐かれたとか、完全に異世界転生なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まあ、確かにペンギンに懐かれるというのは珍しい事象でやんすね。通常、野生動物は人間を警戒するものでやんす。」
やきう
「ワイもペット飼おうとしたことあるけど、コンビニのレジ横の募金箱しか懐いてくれへんかったで。」
ずん
「それペットちゃうのだ。というか、なんで軍事政権下でペンギン飼ってんのだ?状況おかしくない?」
でぇじょうぶ博士
「そこが面白いポイントでやんす。1976年のアルゼンチンは軍事クーデター真っ只中。人間が互いに疑心暗鬼になってる時に、ペンギンだけが無垢な存在として機能するでやんす。」
やきう
「つまり、人間より動物の方が信頼できるってことやな。これは現代社会にも通じる真理やで。」
ずん
「でも飛べないペンギンって、なんか不憫なのだ。ボクも空飛びたいのだ。」
でぇじょうぶ博士
「飛べないからこそ意味があるでやんす。軍事政権下で自由を奪われた人々の比喩でやんすよ。それでも懸命に生きる姿が、人々に勇気を与えたでやんす。」
やきう
「深いな。でもワイは飛べへんくても別に気にせえへんけどな。階段すら上りたくないし。」
ずん
「やきうは飛ぶ以前の問題なのだ...。でも、このトム先生、最初は不機嫌で温かみゼロって酷評されてるのだ。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。でもそれがいいでやんす。最初からいい人だったら、成長の余地がないでやんすからね。ペンギンとの出会いで人生が変わるというのは、まさに化学反応でやんす。」
やきう
「スティーヴ・クーガンのデッドパン演技がええらしいやん。あの無表情芸は一級品やからな。」
ずん
「デッドパンって何なのだ?死んだフライパン?」
でぇじょうぶ博士
「違うでやんす!無表情で淡々と演技する技法でやんす。ずんの知能レベルこそデッドでやんすけどね。」
やきう
「草。でもこの映画、批評家の採点バラバラやな。★5つから★3つまであるやんけ。」
ずん
「それって結局どっちなのだ?観るべき?観ないべき?」
でぇじょうぶ博士
「批評が割れるのは、作品が多層的だからでやんす。お涙頂戴と社会派の狭間で揺れているでやんすね。でも、号泣した批評家もいるということは、感情を動かす力はあるでやんす。」
やきう
「命の尊厳がどうとか言うとるけど、結局ペンギン可愛いから許すってだけやろ。これがゴキブリやったら誰も観んわ。」
ずん
「確かに『重油まみれのゴキブリ』とか絶対無理なのだ!ペンギンは見た目で得してるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まあ、それも一理あるでやんすが、本質はそこじゃないでやんす。重要なのは、他者との交流や反骨精神といったテーマでやんす。政治状況が悪化する中で、命の尊厳をどう守るかという普遍的な問いかけでやんすよ。」
やきう
「せやけど、わざわざ映画館行ってまで観るかって言われたらな...。配信待ちでええやん。」
ずん
「配信で観る派なのだ?でも映画館の大画面でペンギンのヨチヨチ歩き観たら、それはそれで癒されそうなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「ワイド画面の隅に短脚のペンギンが立つと引き立つって批評もあったでやんすからね。視覚的な演出も計算されてるでやんす。」
やきう
「まあ、現実逃避したい時にはええかもな。今の世界情勢もキナ臭いし、ペンギン観て癒されるのも悪くないで。」
ずん
「結局みんなペンギンに悩み相談しちゃうって、完全にメンタルクリニックじゃん!ペンギンセラピーこれ流行るのだ!」
ずん
「よし決めたのだ!ボクも重油まみれになって海岸で寝てみるのだ。誰か助けてくれるかもしれないし、ついでに仕事サボれるのだ!一石二鳥なのだ!」