ずん
「学校の給食でウズラの卵を喉に詰まらせて亡くなった子のお父さんが、市を訴えたらしいのだ。6000万円の損害賠償請求なのだ!」
やきう
「はぁ?何言うとんねん。ワイが小学生の頃なんて、誰も注意せんでもみんなちゃんと噛んで食べとったわ。」
でぇじょうぶ博士
「ふむふむ。確かに統計的に見れば、日本全国で毎日数百万人の小学生が給食を食べてるでやんすが、ウズラの卵による窒息死は極めて稀でやんす。」
ずん
「でも亡くなったのは事実なのだ。誰かが悪いはずなのだ!」
かっぱ
「ちゃうちゃう。悲しいのはわかるけど、噛んで食べるんは家で教えることやろ。先生は保育士ちゃうで。」
やきう
「そもそも給食のメニューって事前に配られとるやんけ。心配やったら親が『今日ウズラ出るから気ぃつけや』言うたらええだけの話や。」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。教員は背中を叩くなど適切な対応をしてたと報道されてるでやんす。法的責任を問うのは酷でやんすよ。」
ずん
「じゃあこのお父さんは誰を責めればいいのだ?悲しすぎるのだ...」
かっぱ
「誰も責めんでええねん。事故は事故や。むしろ市は再発防止策とっとるんやろ?それで十分やないか。」
やきう
「これ認めたら全国の給食からウズラ消えるで。次はミニトマト、その次はブドウ、最終的に栄養ペーストしか出せへんようになるわ。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんすね。リスクゼロを求めると、給食制度そのものが崩壊するでやんす。統計的に許容可能なリスクというものがあるでやんす。」
ずん
「むむむ...難しい問題なのだ。でもやっぱり親の気持ちもわかる気がするのだ。」
かっぱ
「わかるで。せやけど責任転嫁したって子どもは帰ってこんのや。むしろ教員を追い詰めて、誰が教育現場に残るんや?」
やきう
「ほんまそれ。ワイ絶対教師にならんわ。何かあったら即訴訟やもん。リスクしかないやんけ。」
でぇじょうぶ博士
「実際、教員志望者は年々減少してるでやんす。過度な責任追及は教育崩壊を招くでやんすよ。」
ずん
「つまり...この訴訟は社会全体にとってマイナスってことなのだ?」
かっぱ
「マイナスっちゅうか、お門違いやな。悲しみはわかるけど、矛先が完全に間違っとる。」
やきう
「『ひと言注意してくれていたら』って言うとるけど、じゃあ全ての食材に対して毎回注意せなアカンのか?現実的に無理やろ。」
でぇじょうぶ博士
「そもそも小学1年生なら、よく噛んで食べることは家庭で身につけておくべき基本的生活習慣でやんす。学校で一から教えることではないでやんすよ。」
ずん
「でも先生が『ゆっくり噛んでね』って言ってくれたら...」
かっぱ
「言うてるわ!給食指導なんて毎日やっとるやろ。それでも事故は起きるんや。100%防げるもんちゃうで。」
やきう
「これが認められたら、教員は給食時間中、全員の口の中を監視せなアカンくなるで。んなアホな話あるか。」
でぇじょうぶ博士
「6000万円という金額も注目でやんすね。これは教員個人の生涯年収に匹敵する額でやんす。事実上、教員人生の破壊を意味するでやんす。」
ずん
「そんなに高いのか...でも命の値段と考えたら...」
かっぱ
「命に値段はつけられへんのはわかるけど、法的責任と道義的責任は別や。感情で裁判したらアカン。」
やきう
「結局、怒りの矛先を誰かに向けたいだけやろ。わからんでもないけど、それで無関係な人間を巻き込むんはクズのすることやで。」
でぇじょうぶ博士
「心理学的には『喪失の受容過程』の中の『怒りの段階』でやんすね。誰かを責めることで悲しみから目を逸らそうとしてるでやんす。」
ずん
「じゃあこのお父さんは、時間が経てば考えが変わるかもしれないのだ?」
かっぱ
「変わるかもしれへんけど、訴訟起こしてもた以上、引くに引けへんやろな。周りが焚きつけとる可能性もあるし。」
やきう
「弁護士も商売やからな。『勝てますよ』言うて依頼受けるんやろ。実際勝てるかは別として。」
でぇじょうぶ博士
「判例的には、学校側の過失を認めるのは困難でやんす。給食は集団活動の一環であって、個別の食事指導をする場ではないでやんすから。」
ずん
「でも判決次第では、本当に給食が変わっちゃうのだ?」
かっぱ
「変わるで。自治体はリスク回避するために、固形物を極力減らすやろな。栄養バランスとか二の次や。」
やきう
「そんで『給食がまずくなった』『子どもが喜ばない』ってまた文句言うんやろ。保護者様は最強やな。」
でぇじょうぶ博士
「皮肉でやんすが、過保護な社会が子どもの成長機会を奪ってるでやんす。適度なリスクは学習に必要でやんすよ。」
ずん
「むむむ...ボク、なんだか切なくなってきたのだ。誰も悪くないのに、みんな不幸になってる気がするのだ...」
かっぱ
「そういうこっちゃ。事故は悲しい。でも誰かを責めても解決せえへん。それが現実や。」
やきう
「まあワイに言わせれば、こういう親がおるから少子化が進むんやけどな。子育てリスク高すぎやろ。」
でぇじょうぶ博士
「統計的には、子育て中の訴訟リスクは実際に増加傾向でやんす。保育園、学校、習い事...どこでも訴えられる時代でやんすね。」
ずん
「じゃあボクは一生独身でいいかもなのだ。子ども作ったら訴えられるリスクがあるのだ!」
かっぱ
「お前が子ども作れる確率よりも、隕石に当たる確率の方が高いわ。心配すな。」
ずん
「...ボク、今日はウズラの卵食べるの怖くなったのだ。家でもよく噛んで食べるよう、自分に言い聞かせるのだ!」