ずん
「京都が観光客から金を巻き上げようとしてるのだ!1泊10万円以上の部屋に1万円の税金って、これ完全にボッタクリバーなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「違うでやんす。これは経済学でいう『ピグー税』という優れた政策でやんす。外部性という市場の失敗を是正する、まさに教科書通りの解決策でやんすよ。」
やきう
「はぁ?教科書通り?お前、教科書読んで賢くなった気になっとるだけやろ。ワイから言わせれば、これ単なる金持ち外国人イジメやんけ。」
でぇじょうぶ博士
「イジメではないでやんす!京都の道路も電車も観光客でパンパンでやんす。インフラの負担に対する対価として、混雑を引き起こす高額宿泊者に応分の負担を求めているだけでやんす。」
ずん
「でも博士、名古屋とかは観光客欲しがってるって書いてあるのだ。じゃあ全部名古屋に行けばいいのだ!」
やきう
「名古屋?あそこ何もないやろ。味噌カツと手羽先食って終わりや。京都みたいな寺も庭園もあらへん。」
でぇじょうぶ博士
「まさにそこがポイントでやんす!観光客は京都に集中しすぎて、地方都市には回らないでやんす。だから広域で宿泊税を調整すれば、観光客を分散させられるでやんす。」
ずん
「つまり、高い税金を払いたくなければ、大阪とか名古屋に泊まれってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。大阪なら京都まで30分で通えるでやんすからね。高級ホテルに泊まる金持ちは、少し移動の手間をかけるか、それとも1万円余分に払うか選べるでやんす。」
やきう
「でもな、博士。日本人の出張者も巻き込まれるやろ。会社の経費で高級ホテル泊まっとる営業マンとか。」
でぇじょうぶ博士
「そこも記事に書いてあるでやんす。外国の銀行口座からの予約に限定すれば、日本人は除外できるでやんす。技術的には可能でやんすよ。」
ずん
「でも外国人だって、日本の銀行口座作ればいいのだ!抜け道じゃないのだ?」
やきう
「お前、日本で銀行口座開くのどんだけ面倒か知っとるか?外国人なんて住民票やら在留カードやら必要で、短期旅行者には無理やで。」
でぇじょうぶ博士
「やきうの言う通りでやんす。それに、わざわざ銀行口座を開設するコストを考えれば、素直に1万円払った方が楽でやんすからね。」
ずん
「うーん、でも結局のところ、これで観光客は減るのかなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「減らすのが目的ではないでやんす。『適正化』が目的でやんす。本当に京都に泊まりたい人は1万円くらい払うでやんすし、そこまでじゃない人は大阪に泊まるでやんす。市場原理で自然に分散するでやんすよ。」
やきう
「なんや、結局金持ちは京都に泊まれて、貧乏人は追い出されるってことやん。格差社会の象徴やないか。」
でぇじょうぶ博士
「格差ではなく効率でやんす。限られたインフラを誰が使うかを、価格メカニズムで調整しているだけでやんす。それに税収は126億円に倍増するでやんす。その金で市民サービスも改善できるでやんす。」
ずん
「126億円!すごいのだ!でもその金、ちゃんと使われるのかなのだ?」
やきう
「どうせ役人の給料とか無駄な箱物に消えるんやろ。税金なんてそんなもんや。」
でぇじょうぶ博士
「それは別の問題でやんす。税の使途と税の徴収方法は分けて考えるべきでやんす。少なくともこの政策は、観光客過剰、税収不足、地方への誘導という三つの問題を同時に解決する優れた設計でやんすよ。」
ずん
「三つも解決!すごいのだ!でも博士、一つ疑問なのだ。この税金、本当に『ピグー税』なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「いい質問でやんす。厳密に言えば、真のピグー税は外部性の社会的費用と完全に一致する必要があるでやんす。でも現実にはそれを正確に測るのは不可能でやんす。だから『ピグー税的なもの』と言うべきでやんすね。」
やきう
「ほら見ろ、結局理論通りにはいかんのやないか。」
でぇじょうぶ博士
「完璧ではなくても、何もしないよりは遥かにマシでやんす。経済学は『最適』ではなく『改善』を目指すものでやんすからね。」
ずん
「うーん、難しいのだ。でもボク、一つ気づいたのだ。この税金、結局『京都ブランド税』みたいなものなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす!京都という『ブランド』に対して、市場が適正な価格をつけているとも言えるでやんす。経済学的には非常に合理的でやんすよ。」
ずん
「じゃあボク、これから『ずんブランド税』を作るのだ!ボクと話したい人は1万円払ってほしいのだ!」
やきう
「誰が払うかボケ。お前と話すくらいなら、その金で回転寿司10皿食うわ。」