ずん
「天気予報会社が海難事故から生まれたって、マジなのだ?なんかドラマみたいな話っすよ」
でぇじょうぶ博士
「やんす。50年以上前、いわき市沖で台風による海難事故が起きて、多くの船員が命を落としたでやんす。それを見た石橋博良氏が『もっと精密な気象情報があれば』と設立したのがウェザーニューズでやんすね」
やきう
「ほーん。でも今の天気予報って外れまくりやん。雨マーク信じて傘持ってったのに晴れとか、日常茶飯事やで」
でぇじょうぶ博士
「確かに完璧ではないでやんすが、昔に比べたら格段に精度は上がってるでやんすよ。特に海上の気象情報は船舶の安全に直結するから、命綱みたいなもんでやんす」
ずん
「でも今って、みんなスマホでピコピコ天気見てるだけじゃん。船乗りのための会社が、なんで一般向けアプリやってんのだ?」
やきう
「それな。結局カネになる方に舵切っただけやろ。創業の理念とか言うても、所詮は営利企業やで」
でぇじょうぶ博士
「むぅ、それは少し違うでやんす。一般向けサービスで得た収益を、より高度な気象観測システムに投資してるでやんす。観測衛星を打ち上げたり、世界中に観測機器を配置したり...まるでRPGのレベル上げみたいなもんでやんす」
ずん
「へー。でもさ、天気予報なんて気象庁がタダで出してるじゃん。わざわざ民間の有料サービス使う意味あんのかな?」
でぇじょうぶ博士
「気象庁の予報は大局的でやんすが、ウェザーニューズは1km四方とか、超ピンポイントの予報を出せるでやんす。あと、ユーザーからのリアルタイム報告を集約する『ウェザーリポート』というシステムがあって、これがバカにできないでやんす」
やきう
「つまり素人の報告頼りってことやろ?クソみたいな情報も混ざってそうやな」
でぇじょうぶ博士
「AIで精査してるから大丈夫でやんす。むしろ、全国津々浦々の生の声が集まるのは、気象庁にもできない強みでやんすよ」
ずん
「なるほどなのだ。でもさ、50年前の事故がきっかけって...今の若いスタッフは、そんな昔の話知ってんのかな?」
でぇじょうぶ博士
「実はウェザーニューズの社内では、その創業の精神が今でも語り継がれてるでやんす。新入社員研修で必ずいわき市の慰霊碑を訪れるそうでやんす」
やきう
「へー、意外とガチやん。ワイ、ただの金儲け企業やと思っとったわ」
ずん
「でもさ、天気予報で命を守るって言っても、今どき遭難する人なんてそんないないっしょ?時代遅れなんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それが違うでやんす。最近は気候変動で異常気象が増えてて、ゲリラ豪雨とか線状降水帯とか、予測困難な現象が多発してるでやんす。むしろ今こそ、精密な気象情報の重要性が増してるでやんすよ」
やきう
「まあ確かに、最近の天気ヤバいもんな。今年の夏とか、毎日が地獄やったわ」
ずん
「じゃあさ、これからもっとすごい技術が出てくるのかな?AIとかで完璧な予報とか」
でぇじょうぶ博士
「技術は進化してるでやんすが、天気を100%当てるのは理論的に不可能でやんす。カオス理論というやつで、初期条件のわずかな違いが結果を大きく変えてしまうでやんす。いわゆるバタフライ効果でやんすね」
やきう
「つまり永遠に外れる可能性があるってことやん。なんやねんそれ」
でぇじょうぶ博士
「でも精度を上げ続けることはできるでやんす。99%の精度が99.9%になるだけでも、救える命は増えるでやんすよ」
ずん
「深いのだ...。でもボク、明日の天気より来週の株価の方が知りたいっすよ」
でぇじょうぶ博士
「...それは気象会社じゃなくて証券会社に聞くでやんす」
やきう
「株価予想の方が天気予報より当たらんやろな。ワイの人生設計よりは当たるかもしれんけど」
ずん
「じゃあ博士、ウェザーニューズで働けば天気の神様になれるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「おいらに言わせれば、気象予報士は神様というより...まるで未来を覗き見しようとする覗き魔みたいなもんでやんす」
ずん
「結局、天気予報って当たらなくても許されるから楽な商売なんじゃないのだ?外れても『自然相手だから仕方ない』で済むっしょ」
でぇじょうぶ博士
「それは違うでやんす!海運業界では天気予報の精度が直接コストに関わるでやんす。予報が外れれば船のスケジュールが狂って、莫大な損失が出るでやんす。信頼を失えば契約を切られるでやんすよ」
やきう
「なるほどな。一般向けは外れても『あ、そう』で済むけど、法人向けは金がかかっとるわけか」
ずん
「じゃあボクも法人契約して、精度高い予報もらおうかな!...いくらかかるのだ?」