ずん
「中山美穂が『Love Letter』の試写で泣き崩れたって、なんか意外なのだ。あんなに完璧に見えた人が...」
かっぱ
「ほんまやな。でもな、完璧に見えるからこそ、中身は相当無理しとったんちゃうか?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。記事によれば、彼女は『私は商品』『演じることなんて大きらい』と苦悩を抱えていたようでやんすね。トップアイドルという檻の中で、常に完璧を求められ続けた結果でやんす」
やきう
「は?そんなん、金もらって仕事してるんやから当たり前やろ。甘えんなや」
ずん
「でもさ、シングルマザー役とか天涯孤独の女性役とか、結構重い役ばっかりやってるのだ。これって本人の心境と関係あるのだ?」
かっぱ
「おお、ずんにしては鋭いやんけ。実人生と重なる部分が大きいって書いてあるやろ。幼少期に苦労したんやて」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。彼女は『哀しみを隠し、明るく健気に生きる女性』という役柄を得意としていたでやんす。まるで自分自身を演じ続けているようなものでやんすね」
やきう
「つまり、素の自分と役の境界線が分からんくなってもうたってことか?それ、ただの職業病やん」
ずん
「でもボク、気になるのだ。なんで『Love Letter』の試写で泣き崩れたのだ?その前のドラマでは平気だったのに」
でぇじょうぶ博士
「それは恐らく、初めて本当の意味で『自分』を解放できた作品だったからでやんす。岩井俊二監督は彼女に『演じるな』と言ったという話もあるでやんすからね」
かっぱ
「ああ、なるほどな。ずっと仮面被って生きてきた人間が、初めて素顔を見せられた瞬間の解放感と恐怖が同時に来たんやな」
やきう
「でもな、結局その後も仕事続けとるやん。泣くだけ泣いて、また金稼いどるんやろ?ただのパフォーマンスちゃうんか」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、やきう君の指摘も一理あるでやんす。彼女は結婚で芸能活動を休止するまで走り続けたでやんすからね。でも、それが彼女の選択だったのか、それとも『商品』として生き続けることを強いられたのか...」
かっぱ
「まあ、どっちにしろ、ワイらみたいな凡人には想像もつかん世界やな。毎日3食キュウリ食えるだけで幸せやもん」
ずん
「でもさ、中山美穂の演じた役って、シングルマザーとか派遣社員とか、当時としては結構攻めた設定なのだ。これって誰かのメッセージだったのかなぁ」
でぇじょうぶ博士
「鋭いでやんすね、ずん。1995年当時、シングルマザーや派遣社員の苦境を描くことは社会派的な試みだったでやんす。彼女は『商品』でありながら、同時に時代の声なき声を代弁していたのかもしれないでやんすね」
やきう
「ほーん。でもな、結局トップアイドルが綺麗事言うとるだけやん。本当に苦しんどる人間は、ドラマなんか見る余裕もないで」
かっぱ
「おい、やきう。お前、今日めっちゃひねくれとるやんけ。なんかあったんか?」
ずん
「まあまあ。でもボク思ったのだ。中山美穂が泣き崩れたのって、もしかして『自分はずっと嘘をついてきた』って気づいちゃったからなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「...深い洞察でやんすね。彼女は『演じることなんて大きらい』と言っていたでやんす。でも、演じ続けなければ生きていけなかった。その矛盾が、『Love Letter』という作品で初めて露呈したのかもしれないでやんす」
かっぱ
「なんや、急にシリアスになってもうたやんけ。ワイ、こういう空気苦手やねん」
やきう
「せやな。結局、人間なんて誰でも嘘ついて生きとるんや。中山美穂だけが特別やないで」
ずん
「中山美穂は確かに『商品』だったかもしれないけど、ボクは今日から『不良在庫』として生きていくのだ!」