ずん
「無期懲役求刑ってことは、死刑じゃないってことなのだ?これってヤバくないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんすね。元首相を殺害して無期懲役というのは、法律的には異例でやんす。通常、計画的な要人殺害は死刑が相当とされることが多いでやんすからね」
やきう
「ワイ、この判断は甘すぎると思うで。元首相撃ち殺して無期とか、法治国家としてどないやねん」
でぇじょうぶ博士
「しかし検察の判断には理由があるでやんす。被告の母親が旧統一教会に1億円も献金して自己破産、被告は大学進学も断念して人生が狂ったでやんすからね」
ずん
「えっ、1億円も献金したのだ!?ボクのお小遣い何万年分なのだ...」
やきう
「そんなん知らんがな。宗教にハマる奴が悪いんやろ。子供に責任転嫁すんなや」
でぇじょうぶ博士
「ところがそう単純でもないでやんす。『宗教2世』問題は、本人の意思と無関係に人生を破壊されるという特殊性があるでやんすからね。専門家も『相当悲惨な状況』と分析しているでやんす」
ずん
「でもさぁ、つらい思いをしたからって人を殺していいわけじゃないのだ。ボクだって毎日上司にイヤミ言われてるけど殺してないのだ」
やきう
「お前の日常と元首相殺害を同列に語るなや。レベルが違いすぎるわ」
でぇじょうぶ博士
「まさにそこが争点でやんす。被告は『教団への報復』を目的としていたのに、なぜ安倍元首相を狙ったのか。これは『安倍氏を狙えば教団批判が高まる』という計算でやんす」
ずん
「つまり...教団幹部じゃなくて、教団と関係ある有名人を狙ったってことなのだ?それって完全にテロリストの思考なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。しかも被告は『安倍氏が殺害されなければならないというのは間違いだった』と供述しているでやんす。つまり、後悔しているということでやんすね」
やきう
「後悔してるから罪が軽くなるとか、そんなんアホらしいわ。やった後に反省したら許されるんか?」
でぇじょうぶ博士
「法律的には、犯行後の反省は情状酌量の一要素になるでやんす。ただし、『戦後史において前例を見ない極めて重大な結果』という検察の指摘も重いでやんす」
ずん
「じゃあ結局、死刑になる可能性もあるってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは裁判所の判断次第でやんす。検察は無期懲役を求刑しましたが、裁判所がそれより重い刑を言い渡すことも理論上は可能でやんす」
やきう
「でもそれやったら検察の面目丸潰れやん。検察が『無期でええわ』言うてんのに、裁判所が『いや死刑や』とか言えるんか?」
でぇじょうぶ博士
「実務上は極めて稀でやんすが、不可能ではないでやんす。ただ、今回のケースでは検察の判断を尊重する可能性が高いと思われるでやんすね」
ずん
「なんかモヤモヤするのだ...元首相を殺して無期懲役って、釣り合ってないような気がするのだ」
やきう
「そらそうやろ。でもな、死刑にしたら『宗教2世』問題が闇に葬られるんちゃうか?この事件きっかけで教団への批判高まったんやし」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす。実際、この事件後に旧統一教会の被害者救済法が成立したでやんす。被告の『教団批判を高める』という目的は、皮肉にも達成されたわけでやんすね」
ずん
「え...じゃあ被告の思惑通りってこと...?それってテロを認めることになるのだ!」
やきう
「ワイもそう思うで。でもな、現実として法律が変わったんや。これどう評価したらええんや」
でぇじょうぶ博士
「まさにそのジレンマが、この裁判の本質でやんす。『目的は正しかったが手段が間違っていた』のか、『手段も目的も全て間違っていた』のか。哲学的な問いでもあるでやんす」
ずん
「でも博士...ボクが会社で上司を撃ち殺したら『ブラック企業問題への問題提起』って認められるのだ?」
やきう
「アホか。お前の上司誰も知らんわ。元首相級の影響力あってから言えや」
でぇじょうぶ博士
「そこも重要なポイントでやんす。被告は『影響力のある人物を狙えば社会が変わる』と計算したわけでやんすが、それが認められれば、今後も同様の事件が起こりかねないでやんす」
ずん
「むぅ...じゃあやっぱり死刑にすべきなのだ?」
やきう
「そう単純やないんやろ。宗教2世問題を考えたら、被告も被害者やって側面あるしな」
でぇじょうぶ博士
「被告の母親は『私が加害者』、妹は『私たちは被害者』と証言しているでやんす。家族の中でも評価が分かれているのが現実でやんすね」
ずん
「...結局、誰が一番悪いのだ?被告?母親?それとも教団なのだ?」
やきう
「そんなん教団に決まっとるやろ。1億円も巻き上げて家庭崩壊させたんやからな」
でぇじょうぶ博士
「しかし法律的には、教団の行為と被告の犯行に直接の因果関係を認めるのは難しいでやんす。被告は成人しており、自己の意思で犯行に及んだとされるでやんすからね」
ずん
「それっておかしくないのだ?教団がなければこの事件は起きなかったのだ!」
やきう
「お前、それ言い出したら『ゲームがなければゲーム依存症は起きない』とか『酒がなければ飲酒運転は起きない』とか、なんでもありになるで」
でぇじょうぶ博士
「やきうの言う通りでやんす。法律は個人の責任を基本とするでやんす。環境要因は情状酌量の材料にはなっても、責任を免除するものではないでやんすね」
ずん
「じゃあ被告は、環境のせいにできないってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「完全にできないわけではないでやんすが、『生い立ちは刑罰を大きく軽くするものではない』というのが検察の主張でやんす。つまり、多少の減軽はあっても、無罪や執行猶予レベルにはならないということでやんす」
やきう
「当たり前やろ。元首相殺して執行猶予とか、日本終わっとるわ」
ずん
「でもさぁ...判決が2026年1月21日って、まだ先なのだ。なんでそんなに時間かかるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「裁判所も判断に時間が必要なんでやんす。この事件は戦後史に残る重大事件でやんすからね。判例としても重要な意味を持つでやんす」
やきう
「つまり、この判決が今後の同種事件の基準になるってことか。そら慎重になるわな」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。もし軽すぎる判決が出れば『要人を殺しても無期懲役で済む』という前例になりかねないでやんす。逆に死刑にすれば『宗教被害者の声を無視した』と批判されかねないでやんす」
ずん
「なんか...どっちに転んでも批判されそうなのだ。裁判官も大変なのだ」
やきう
「お前、急に人の心配しだしてどないしたんや。自分の心配でもしとけや」
ずん
「...ボクはとりあえず、宗教の勧誘には絶対引っかからないようにするのだ!そして要人も狙わないのだ!」