ずん
「生物って完璧にできてるって聞いてたのに、実は手抜き工事だったらしいのだ!これは生物界の姉歯事件なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「おや、ずん君にしては鋭い指摘でやんすね。市橋先生の研究は、まさに生物の『設計図』に税務調査ならぬ『生物監査』を入れたようなもんでやんす。」
かっぱ
「ほんまに?神様がデザインしたんちゃうんか?」
でぇじょうぶ博士
「それが違うでやんす。転移RNAっていう部品、本来20種類で足りるのに大腸菌は48種類も使ってるでやんす。まるで5人で済む会議に50人呼ぶような無駄でやんすよ。」
かっぱ
「しかも作り方が複雑すぎるんやろ?どないなっとるんや。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす!4種類の切断酵素を順番に使うとか、まるで回転寿司を一皿ずつ注文するような手間でやんす。研究チームは1種類の酵素だけで全部作れることを証明したでやんすよ。」
やきう
「ファッ!? じゃあワイらの体、欠陥住宅ってことか?」
でぇじょうぶ博士
「まあ、そう悲観することもないでやんす。進化ってのは『最高』じゃなくて『まあまあ動く』を目指すでやんすからね。」
かっぱ
「つまり神様も『とりあえず動けばええやろ精神』やったんか。」
やきう
「神様もワイと同じ引きこもりニート思考やったんやな。親近感わくわ。」
ずん
「でも博士、冗長性とか品質管理のためかもしれないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「可能性はあるでやんすが、市橋先生は『局所最適値に落ち込んだだけ』と見てるでやんす。つまり、途中で『まあこれでいっか』って妥協したってことでやんす。」
かっぱ
「人間がデザインし直したらもっとマシなもん作れるんか?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす!合成生物学なら、現存生物より優れたタンパク質合成システムが作れる可能性があるでやんす。神様より人間の方が上手いかもしれないでやんすよ。」
やきう
「ちょ、待てや。それって人間が神超えるってことやんけ。イキりすぎちゃうか?」
ずん
「でもさ、生物が手抜きなら、ボクが会社で手抜きしても許されるのだ!だって37億年の伝統芸なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「ずん君、それは違うでやんす。生物は手抜きでも『とりあえず動いてる』でやんす。でもずん君は手抜きした上に『動いてない』でやんすからね。」
ずん
「むぅ...じゃあボクも最低限動くように改良が必要なのだ...」
やきう
「ずん改、爆誕やん。でもバグだらけで結局使えなさそう。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、この研究の本当にすごいところは、『当たり前』を疑う姿勢でやんす。みんなが『完璧』だと思ってたものに、『いや、これおかしくね?』って言えることでやんすよ。」
ずん
「なるほど...じゃあボクも上司に『いや、この会議おかしくね?』って言っていいのだ!」
やきう
「でも正直、48種類を21種類に減らせるって、リストラの極みやな。生物界の構造改革や。」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。無駄な部署を削減して効率化するようなもんでやんすね。ただし生物の場合、何億年もかけて『仕方ないからこれで...』ってなってるでやんす。」
ずん
「じゃあ未来の人類は、今の人間見て『なんでこんな非効率な体してたんだ?』って笑うのだ?」
やきう
「ワイも非効率の権化やから、生物の気持ちわかるわ。『とりあえず動けばええやん』精神、大事にしたい。」
でぇじょうぶ博士
「やきう君、それは開き直りでやんす...。まあ、この研究が示唆するのは、人間の理性的設計が進化の試行錯誤を超える可能性があるってことでやんすね。」
ずん
「つまり神様より頭がいいってことなのだ!これはすごい時代になったのだ!人類、調子乗っちゃうのだ!」