ずん
「道頓堀川が魚で埋め尽くされてるのだ!これ、大阪が海になる前触れなんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「落ち着くでやんす、ずん君。これはボラという魚の群れでやんす。潮に乗ってエサを探しに来ただけでやんすよ。まあ、道頓堀川の水質が改善されて魚が戻ってきたとも言えるでやんすが。」
やきう
「ほーん、で?ワイらの税金使って川キレイにして、魚が来て喜んどるんか?アホちゃう?」
でぇじょうぶ博士
「むむむ、確かに道頓堀川の浄化には莫大な予算が投じられたでやんす。1990年代から始まった水質改善プロジェクトで、下水道整備や護岸工事に数百億円規模でやんすからね。」
ずん
「数百億円!?その金でボク何年遊んで暮らせるのだ!」
やきう
「お前みたいなニートが一生遊んで暮らしても余裕やろな。せやけど、魚が来たぐらいで成功とか言われてもな。」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、生態系の回復は重要な指標でやんす。ボラは比較的汚れに強い魚でやんすが、それでも一定の水質基準が必要でやんす。昔の道頓堀川なんて、落ちたら即死レベルの汚染度だったでやんすからね。」
ずん
「え、即死なのだ?じゃあ昔、阪神が優勝した時に飛び込んだ人たちは...」
でぇじょうぶ博士
「あれは2003年でやんすが、当時でも相当なリスクがあったでやんす。実際、感染症や皮膚炎を起こした人も多数いたでやんすよ。まるで毒沼にダイブするようなもんでやんした。」
やきう
「そんなとこに飛び込むとか、大阪人はホンマにアホやな。ワイには理解できんわ。」
ずん
「でも今なら泳げるってことなのだ?ボクも飛び込んでみたいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「バカモノでやんす!水質は改善されても、まだ遊泳可能なレベルではないでやんす。大腸菌数も基準値を超えてることが多いでやんすし、船の往来もあって危険でやんす。」
やきう
「つーか、なんでボラがこんなに集まってんねん。エサがあるんか?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。ボラは雑食性で、川底の有機物やプランクトンを食べるでやんす。道頓堀川周辺の飲食店から流れ出る栄養分が、意外と魚たちのエサ場になってるでやんすよ。」
ずん
「つまり、たこ焼きとお好み焼きの残りカスを食べに来てるってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まあ、極端に言えばそうでやんすね。ただし、ボラは海と川を行き来する回遊魚でやんすから、産卵のために集まってる可能性もあるでやんす。12月は産卵シーズンの一つでやんすからね。」
やきう
「へー、じゃあこいつら食えるんか?ボラの卵ってカラスミになるんやろ?」
でぇじょうぶ博士
「理論上は食べられるでやんすが、道頓堀川のボラを食用にするのは推奨できないでやんす。まだまだ重金属や化学物質が蓄積されてる可能性があるでやんすからね。食べたら腹壊すどころか、おいらみたいにモテなくなるでやんすよ。」
でぇじょうぶ博士
「...それは余計な一言でやんす。」
やきう
「で、結局この魚の大群はどうなるんや?ずっとおるんか?」
でぇじょうぶ博士
「いえ、潮の満ち引きに合わせて移動するでやんす。おそらく数日で別の場所に移動するでやんすよ。ボラは群れで行動する習性があって、エサ場を求めて常に移動してるでやんすからね。」
でぇじょうぶ博士
「可能性は高いでやんす。水質改善が進めば、もっと多様な魚種が戻ってくる可能性もあるでやんすよ。将来的には、道頓堀川で釣りができる日が来るかもしれないでやんす。」
やきう
「観光客が魚釣ってる光景か。シュールやな。」
ずん
「ボク、道頓堀で釣ったボラでカラスミ作って大儲けするのだ!」
でぇじょうぶ博士
「やめとくでやんす。食中毒で訴訟されて、おいらより早く人生終了するでやんすよ。それに、カラスミ作りには高度な技術が必要でやんす。素人が作ると、ただの腐った魚卵になるでやんす。」
ずん
「むぅ...じゃあ、観賞用として『道頓堀川ボラツアー』を企画するのだ!外国人観光客に大人気になるはずなのだ!」
やきう
「誰が魚見るためだけに金払うねん。お前、商売のセンスないわ。」
ずん
「でも、はかせが言ったみたいに、これって環境改善の証なんでしょ?それって観光資源になるんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「一理あるでやんす。実際、東京の隅田川やイギリスのテムズ川も、水質改善で魚が戻ってきたことが話題になったでやんす。環境教育の場として活用する事例も増えてるでやんすよ。」
やきう
「ふーん。まあ、税金の使い道としては悪くないんかもな。魚が戻ってくるぐらいには改善したってことやろ。」
ずん
「じゃあ、ボクの『道頓堀川ボラツアー』も実現可能なのだ!?」
でぇじょうぶ博士
「...その前に、おいらは宝くじで一等当てる方が確率高いでやんす。」
ずん
「むむむ...でもボク、諦めないのだ!いつか道頓堀川で泳げる日を夢見て、今日からボラと友達になるのだ!」