ずん
「声優の声がAIに盗まれる時代が来たのだ!これは文化の危機なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まあ落ち着くでやんす。今回の81プロデュースの動きは、むしろ『盗まれる前に正規ルートを作る』という先手必勝の戦略でやんすよ。」
やきう
「ほーん、で?結局声優は失業するんやろ?AIに仕事奪われてな。」
でぇじょうぶ博士
「それが違うでやんす。『ハイブリッド声優』というのは、声優本人の演技力を29カ国語に拡張するでやんす。まるで分身の術を使えるようになったようなもんでやんすね。」
ずん
「でも博士、AIが声優の仕事を奪うんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「逆でやんす。今まで日本語圏だけだった仕事が、世界中に広がるでやんす。英語圏、中国語圏、スペイン語圏...全部に同時に『出演』できるでやんすよ。」
やきう
「けどな、声だけコピーされて安く使い回されるんちゃうか?声優が損するだけやろ。」
でぇじょうぶ博士
「それを防ぐのが『VoiceCAPTCHA』と『C2PA』という技術でやんす。まるで音声に指紋認証をつけるようなもんでやんすね。偽物と本物を見分けられるでやんす。」
ずん
「じゃあ、勝手に声を使われる心配はないということなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「完全にゼロとは言えないでやんすが、少なくとも『正規ルート』ができたことで、無法地帯だった状況は改善されるでやんす。海賊版DVDに対抗してNetflixが生まれたようなもんでやんすね。」
やきう
「ワイ思うんやけど、結局これ事務所が儲かるだけちゃうんか?声優本人には金入らんやろ。」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす。そこが今後の課題でやんすね。契約内容次第では、声優が搾取される可能性もあるでやんす。まるで音楽業界のJASRAC問題の声優版でやんす。」
ずん
「むむむ...じゃあ結局、声優は損するかもしれないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「いや、梶裕貴さんのような有名声優が賛同してるのがポイントでやんす。彼らは『次世代のために』と言ってるでやんす。無秩序にAIに声を盗まれるより、ルールを作って共存する道を選んだでやんすね。」
やきう
「ほーん。でも結局AIが進化したら、最初から人間いらんくなるんちゃうか?」
でぇじょうぶ博士
「それは半分正解で半分間違いでやんす。AIは『学習元』が必要でやんす。つまり、元となる声優の演技力がなければ、AIも成り立たないでやんす。まるで影が本体なしには存在しないようなもんでやんすね。」
でぇじょうぶ博士
「『替えの効かない演技力』を磨くことでやんす。AIは声質をコピーできても、その場の空気を読んだアドリブや、細かいニュアンスまではまだ完璧にはできないでやんす。」
やきう
「けどな、そのうちそれもAIができるようになるやろ。技術の進歩は止まらんで。」
でぇじょうぶ博士
「確かにそうでやんす。でも考えてみるでやんす。写真が発明されても画家は消えなかったでやんす。映画が生まれても舞台は続いてるでやんす。結局、人間にしかできない『何か』は残るでやんすよ。」
ずん
「でも博士、それって結局『才能ある一部の人だけが生き残る』ってことじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「...痛いところを突くでやんすね、ずん。正直に言えば、その通りでやんす。AI時代は『中堅どころ』が一番厳しいでやんす。トップは需要があり、新人は安く使えるでやんすが、中堅は...」
やきう
「ワイが言った通りやんけ。結局弱者切り捨てや。きれいごと言うてもな、資本主義はそういうもんや。」
でぇじょうぶ博士
「やきうの言う通りかもしれないでやんす。でも、81プロデュースの動きは『何もしないよりマシ』でやんす。無秩序にAIに声を盗まれるよりは、ルールを作って管理する方がまだ希望があるでやんす。」
ずん
「じゃあボクたちは、この未来をどう見ればいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「冷静に見るべきでやんす。『ハイブリッド声優』は理想論でもあり、現実的な妥協案でもあるでやんす。完璧な解決策ではないでやんすが、業界が生き残るための一つの賭けでやんすね。」
やきう
「賭けか。まあ、ギャンブルやな。勝つか負けるかは数年後にわかるやろ。」
ずん
「うーん...難しい話なのだ。でもボク、一つ疑問があるのだ。」
ずん
「AIが声優の声を29カ国語にできるなら、ボクの声もAIで『まともな大人の声』にできないのだ?そしたらボク、ちゃんとした会社員に見えるのだ!」
やきう
「お前、見た目の問題やろそれ。声以前の問題や。」
ずん
「...ボク、急にこの技術に反対したくなってきたのだ。」