ずん
「58歳で現役続行とか、ボクの会社の部長より年上なのだ!もはや伝説を超えて妖怪の域なのだ!」
やきう
「せやな。ワイのパッパなんて58で腰痛めて引退しとったわ。仕事からな。」
でぇじょうぶ博士
「おいらの計算によると…じゃなかった、カズ選手は来年2月で59歳、プロ41年目でやんす。もはや人間の寿命を超越した存在でやんすね。」
ずん
「でも地域リーグに降格しちゃったのだ。JFLから地域リーグって、めちゃくちゃ落ちぶれてない?」
でぇじょうぶ博士
「落ちぶれるという表現は適切じゃないでやんす。むしろカズ選手は重力に逆らって飛び続けようとしてるんでやんす。ただ、地球が引っ張る力が強すぎただけでやんすよ。」
やきう
「地域リーグでプレーするって、草野球レベルやんけ。ワイの地元の酔っ払いオヤジ連中と変わらんで。」
かっぱ
「ちゃうわ!地域リーグ舐めんな!お前の地元の酔っ払いとは格が違うんや!」
ずん
「でもさ、58歳で延長後半6分から出場って、ほとんどベンチウォーマーなのだ。それって意味あるの?」
でぇじょうぶ博士
「意味の有無を論じるのはナンセンスでやんす。カズ選手の存在自体が、もはや哲学的命題なんでやんすよ。『我、プレーする。故に我あり』でやんす。」
やきう
「哲学とか知らんけど、59歳でサッカーやるとか、膝が壊れるわ。ワイなんて階段登るだけで息切れするのに。」
かっぱ
「お前と一緒にすな!カズはお前みたいなヒキニートと違って鍛えとるんや!」
ずん
「『諦めず、はい上がる』って言ってるけど、もう十分這い上がったと思うのだ。むしろ這い上がりすぎて天井突き抜けてるのだ。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。カズ選手はもはや『這い上がる』という行為そのものが目的化してるんでやんす。ゴールは存在しないでやんす。永遠に坂を登り続けるシーシュポスの神話でやんすね。」
やきう
「神話とか難しいこと言うなや。要するに引退のタイミング逃しただけやろ。」
かっぱ
「そういう見方しかできんのか、お前は!夢を追い続けることの素晴らしさがわからんのか!」
ずん
「でもさ、地域リーグでプレーするって、収入的にどうなのだ?もしかしてバイト代レベルなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「金銭的な話をするなら、カズ選手のブランド価値は計り知れないでやんす。彼がいるだけでチケットは売れるし、スポンサーも集まるでやんす。もはや歩く広告塔でやんすよ。」
やきう
「歩く広告塔って、お前それ『歩く』って部分が嘘やん。延長後半6分しか出てへんねんから。」
ずん
「じゃあ『座ってる広告塔』なのだ!ベンチでニコニコしてるだけで価値があるのだ!」
かっぱ
「お前な、それカズに失礼やろ。ちゃんと出場してるやんけ。」
でぇじょうぶ博士
「しかし考えてみれば、58歳でプロスポーツ選手として契約できること自体が奇跡でやんす。おいらなんて28歳で既に体力の限界を感じてるでやんすよ。」
やきう
「お前は運動不足なだけや。カズと比較すんな。」
ずん
「でも正直、いつまで続けるつもりなのだ?60歳?65歳?70歳で車椅子サッカーに転向するのだ?」
でぇじょうぶ博士
「その発想は面白いでやんすが、カズ選手に引退という概念は存在しないでやんす。死ぬまでボールを蹴り続ける覚悟でやんすよ。まるでゾンビのように不死身でやんす。」
かっぱ
「ゾンビて!お前な、もうちょっと言い方考えろや!」
やきう
「でもまあ、ゾンビ言われても仕方ないわな。普通の人間ならとっくに引退しとる年齢やし。」
ずん
「ボク思ったのだ。もしかしてカズって、サッカー以外にやることがないから続けてるんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは核心を突いてるでやんす。多くのアスリートは引退後の人生に悩むでやんすからね。カズ選手は『引退後』という概念を拒否することで、その悩みから逃れてるのかもしれないでやんす。」
やきう
「逃げとるんかい!結局、現実逃避やんけ。ワイと一緒やな。」
かっぱ
「お前と一緒にすなって何回言わせんねん!カズは逃げてへん、戦い続けとるんや!」
ずん
「でもさ、地域リーグに降格して『諦めず、はい上がる』って、もうそれ下から這い上がるしかないのだ。底辺スタートなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。しかしカズ選手にとって『底』という概念は存在しないでやんす。どこにいても常に上を目指し続ける、それが彼の生き方でやんす。まるで永久機関のように動き続けるでやんす。」
やきう
「永久機関て物理法則的に不可能やろ。エネルギー保存の法則知らんのか。」
ずん
「じゃあカズは物理法則を超越した存在ってことなのだ!もう人間じゃないのだ!」
かっぱ
「お前ら、もうちょっとリスペクトせえや。58歳でプロとして戦い続けることがどれだけすごいか。」
でぇじょうぶ博士
「確かにリスペクトすべきでやんす。ただ、おいらが気になるのは身体的なリスクでやんす。この年齢でプレーを続けることで、将来的な健康被害はないのか心配でやんす。」
やきう
「せやな。膝とか腰とか、絶対ボロボロやろ。引退した後、まともに歩けるんか?」
ずん
「もしかして引退したら即入院コースなのだ?病院のベッドで『あの時引退しておけば…』って後悔するのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは誰にもわからないでやんす。ただ、カズ選手は後悔しない人生を選んでるでやんす。たとえ身体が壊れても、それが彼の選んだ道でやんすよ。」
かっぱ
「そうや。他人がとやかく言うことやない。本人が決めたことや。」
やきう
「まあ、ワイには理解できん世界やけどな。58歳で地域リーグて、普通に考えたら引退やろ。」
ずん
「でもボク、ちょっと感動したのだ。58歳でも諦めない姿勢って、すごいと思うのだ。ボクも見習うべきなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「おや、ずんが感動するとは珍しいでやんすね。どうしたでやんすか?」
やきう
「どうせすぐ忘れるやろ。明日になったら『やっぱ無理』とか言い出すんやろ。」
ずん
「う…図星なのだ。でもカズみたいに59歳まで働きたくないのだ!ボク、30歳で引退したいのだ!人生から!」