ずん
「最低賃金が上がるのは嬉しいけど、遅れるってことは...ボクの給料アップも遅れるってことなのだ?これは国家による詐欺なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「詐欺とは言い過ぎでやんすが、確かに労働者にとっては痛手でやんすね。例えば10月に上がるはずが12月になれば、2ヶ月分の差額が消えるでやんす。時給50円アップで月160時間働くとして、月8000円、2ヶ月で1万6000円の損失でやんす。」
かっぱ
「ほんで企業は浮いた金でクリスマスパーティーでもすんのか?ええ商売やな。」
ずん
「むむむ...じゃあボクたち労働者は泣き寝入りするしかないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「実はもっと深刻な問題があるでやんす。地域間競争でやんすよ。隣の県が1050円なのに、うちは1030円だと人材が流出するでやんす。まるで安売り合戦をするスーパーみたいでやんすね。」
やきう
「それ結局、田舎が都会に負けるだけやんけ。ワイの地元も若いやつみんな東京行っとるわ。最低賃金50円上げたところで、家賃の差額で消えるやろ。」
ずん
「じゃあ最低賃金を全国一律にすればいいのだ!ボクって天才なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それをやると地方の中小企業が潰れるでやんす。東京の企業は時給1500円払えても、地方の商店は無理でやんすからね。結果、失業者が増えて本末転倒でやんす。」
かっぱ
「ほんで政府は『企業に配慮』とか言うとるけど、配慮されとるのは大企業だけやろ?中小は配慮もクソもないわ。」
やきう
「せや。ワイの知り合いの居酒屋、もう人件費でヒーヒー言うとるで。最低賃金上がるたびに、メニューから唐揚げ一個減らしとるわ。そのうち皿だけ出てくるんちゃうか。」
ずん
「そんな...じゃあ最低賃金を上げるのは悪いことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「いや、上げること自体は必要でやんす。問題はそのスピードと地域差でやんす。急激に上げすぎると企業が対応できず、遅すぎると労働者が生活できないでやんす。まるで熱すぎず冷たすぎないお風呂を探すようなもんでやんすね。」
かっぱ
「ほんで今回は『遅れる』いうことは、その適温を探しとる最中っちゅうことか?ええ加減にしいや。労働者は待っとられへんねん。」
やきう
「しかも12月適用とか、クリスマス商戦終わってからやんけ。企業にとっては一番忙しい時期避けられて、ラッキーやな。労働者はサンタさんから石炭もらうようなもんや。」
ずん
「むぅ...じゃあボクたちは一体どうすればいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まず、自分の地域の最低賃金がいつ上がるか確認するでやんす。そして企業に『いつから上げてくれるんでやんすか?』と聞くでやんす。黙ってたら、企業によってはギリギリまで引き延ばすでやんすからね。」
かっぱ
「つまり労働者も声上げなアカンっちゅうことやな。黙っとったら舐められるだけや。」
やきう
「でもな、声上げて会社クビになったら元も子もないやろ。結局、弱い立場の人間が泣くんや。これが日本の美しい労働文化やで。」
ずん
「なんか絶望的なのだ...ボク、もう働きたくないのだ...」
でぇじょうぶ博士
「やれやれ...ずん君は元々働いてないでやんす。」
かっぱ
「ほんまや。お前、最低賃金以前の問題やんけ。」
やきう
「ニートが最低賃金語るとか、草生えるわ。お前には関係ない話やろ。」
ずん
「むぅ...じゃあボクが働き始めるころには、最低賃金2000円くらいになってるといいのだ!その頃には物価も2倍になってるから、結局同じなのだ!ボクって経済通なのだ!」