ずん
「これヤバくないっすか?娘殺されて、犯人候補まで殺されるとか、もう推理小説の世界なのだ!」
やきう
「推理小説?アホか。これはインドやぞ。警察が現場荒らしまくっとるやんけ。証拠なんて最初から存在せえへんわ。」
かっぱ
「しかも親族15人が集まって、メディアまで来とるんやろ?もう犯罪現場ちゃうやん、井戸端会議の会場やん。」
ずん
「でも博士、これって本当に両親が犯人なのだ?なんか腑に落ちないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「ふむふむ。この事件は初動捜査の失敗が全てでやんす。現場保存という犯罪捜査の基本中の基本が守られていないでやんす。まるで料理の途中で包丁を洗わずに次の食材を切るようなものでやんす。交差汚染が起きて、何が何だかわからなくなるでやんすよ。」
やきう
「せやな。でもワイが気になるんは、使用人のヘムラッジや。こいつ、娘が殺された当日に電話切って、翌日には死体で見つかるとか怪しすぎやろ。」
かっぱ
「ほんまやな。でも犯人やったら、なんでわざわざ同じ建物内で殺されなアカンねん。逃げたらええやんけ。」
ずん
「つまり、ヘムラッジも被害者だったということなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それが謎でやんすね。ただ、インドの司法制度は日本とは大きく異なるでやんす。カースト制度の影響も無視できないでやんす。使用人という立場の者が、裕福な歯科医一家に対してどれほどの発言権を持てるか。まるで江戸時代の身分制度のような格差があるでやんすよ。」
やきう
「要するに、金持ちが勝つってことやな。ワイも金持ちやったら、こんなニート生活せんでも良かったのに...」
かっぱ
「お前、ニートやったんかい。今まで黙っとったけど、なんでそんな偉そうなん?」
ずん
「でも博士、両親が犯人だとしたら動機は何なのだ?13歳の一人娘を殺す理由なんてあるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それが最大の謎でやんす。報道では名誉殺人の可能性も示唆されているでやんす。娘が誰かと不適切な関係にあったとか、家の名誉を汚したとか。インドではそういった理由で家族が殺されるケースが実際にあるでやんす。」
かっぱ
「名誉殺人って...令和の時代にそんなん聞くとは思わんかったわ。でも13歳やで?どんな関係があるっちゅうねん。」
やきう
「せやな。しかも歯科医夫婦やろ?教育もあって、社会的地位もあるのに、そんなことするか?」
でぇじょうぶ博士
「むむむ、そこが難しいところでやんす。教育と理性は必ずしも比例しないでやんす。むしろ、社会的地位が高い人ほど、体面を気にして過激な行動に出ることもあるでやんす。まるでプライドの高い人が些細なミスで激昂するようなものでやんすね。」
ずん
「じゃあ、第三者が犯人の可能性は?例えば、強盗とか?」
かっぱ
「それやったら、なんでヘムラッジまで殺されなアカンねん。しかも翌日に。計画的やん。」
やきう
「待てや。もしかして、ヘムラッジが娘を殺して、それを知った誰かがヘムラッジを殺したとか?」
でぇじょうぶ博士
「それも一つの仮説でやんすが、証拠が何もないでやんす。初動捜査の失敗で、指紋も足跡も、凶器の特定も曖昧でやんす。まるで目隠しをして迷路を歩くようなものでやんす。」
ずん
「うーん、難しすぎるのだ。でも、メディアが大量に押し寄せたってことは、インドでも大注目の事件だったのだ?」
やきう
「当たり前やろ。裕福な歯科医一家の娘が殺されて、使用人まで死ぬとか、ドラマより面白いやんけ。視聴率稼げるわ。」
かっぱ
「お前、不謹慎やぞ。でも、メディアが早々に現場に来れたっちゅうことは、誰かがリークしたんかもしれへんな。」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす、かっぱ君。インドのメディアは非常に aggressive でやんす。警察の無線を傍受したり、賄賂を使って情報を得たりすることも珍しくないでやんす。そして一度現場に入ると、証拠を踏み荒らし、写真を撮りまくる。まるでパパラッチの群れでやんす。」
ずん
「じゃあ、もう真相は永遠にわからないってことなのだ?」
やきう
「せやろな。証拠もない、証言もバラバラ、現場は荒らされまくり。こんなん解決する方が奇跡やわ。」
かっぱ
「でも、両親は逮捕されたんやろ?何か決定的な証拠があったんちゃうん?」
でぇじょうぶ博士
「それが問題でやんす。インドの司法制度では、状況証拠だけで起訴できるでやんす。決定的な物的証拠がなくても、疑わしければ逮捕されるでやんす。まるで疑わしきは罰するという中世の魔女裁判のようなものでやんす。」
ずん
「えぇ...それって冤罪の可能性もあるってことなのだ?」
やきう
「当たり前やろ。こんなずさんな捜査で有罪判決出されたら、たまったもんやないわ。ワイでも無罪主張するで。」
かっぱ
「お前、さっきから自分のこと棚に上げすぎやろ。」
でぇじょうぶ博士
「まあまあ、落ち着くでやんす。この事件の教訓は、初動捜査の重要性でやんす。最初の24時間で証拠を適切に保全できなければ、その後どれだけ頑張っても真相には辿り着けないでやんす。まるで最初のボタンを掛け違えたシャツのようなものでやんす。」
ずん
「でも、この事件、後編があるってことは、まだ続きがあるのだ?」
やきう
「せやな。どうせ裁判がめちゃくちゃになって、上訴して、また逆転して...ってなるんやろ。インドの司法は遅いからな。」
かっぱ
「でも、真相が知りたいな。娘もヘムラッジも、ちゃんと犯人を見つけてほしいわ。」
でぇじょうぶ博士
「その気持ちはわかるでやんす。しかし、現実は厳しいでやんす。未解決事件というのは、正義が敗北した証でやんす。そして、その敗北は往々にして人為的ミスから生まれるでやんす。」
ずん
「うーん、なんか後味悪いのだ。でも、こういう事件があるからこそ、ボクたちは捜査の大切さを学ぶべきなのだ...って、ボク捜査しないけどなのだ!」