ずん
「『2位じゃダメなんですよ』って、どっかで聞いたことあるフレーズを真逆の意味で使ってるのだ!これ完全に蓮舫さんへの当てつけなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは違うでやんす。橋本会長は中国市場の55%を諦めて、残り45%で圧倒的1位を目指すという、まさに『選択と集中』の極地でやんすね。」
やきう
「ちょい待ち。世界の半分以上占める市場から逃げて1位名乗るとか、甲子園出場諦めて地方大会で優勝自慢するようなもんやろ。」
かっぱ
「いや違うで。中国市場は『技術パクられ放題&儲からへん』ってことやろ?賢い撤退や。」
ずん
「でもさ、技術流出が怖いって言いながら、アメリカ企業買収するのは矛盾してないのだ?トランプさんが全力で妨害してきたじゃないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんすね。でも中国とアメリカでは根本的に違うでやんす。中国は合弁企業作らせて技術を強制的に開示させるでやんすが、アメリカは買収後も技術の管理権を日本側が持てるでやんす。」
やきう
「なるほどな。つまり中国は『技術寄こせ、でも儲けさせへんで』で、アメリカは『金出せば買わせたる』ってことか。どっちも傲慢やけど、まだアメリカの方がマシってわけやな。」
かっぱ
「ほんで橋本会長は『USスチールで終わりじゃない』言うとるやん。次はどこ買うつもりなんやろな。」
ずん
「インドとタイにも投資してるって書いてあるのだ。でもインドって、カレー屋さんが鉄作ってるイメージしかないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「...ずんのインド理解が致命的に間違ってるでやんす。インドは今、人口ボーナス期で製造業が爆発的に成長してるでやんす。しかも民主主義国家だから、中国みたいに突然ルール変更されるリスクが低いでやんす。」
やきう
「要は『中国リスク回避しながら、成長市場取る』ってことやろ。でもワイ気になるんやけど、日本製鉄って国内の製鉄所どんどん閉鎖してるやん。日本捨てて海外行くんか?」
かっぱ
「そら国内市場は縮小しとるからしゃーないやろ。人口減るし、車も電気自動車でどんどん軽量化されとるし。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。日本の粗鋼需要は1973年のピーク時から半減してるでやんす。国内だけでやってたら、まるで沈没船に残る船長のように運命を共にするしかないでやんす。」
ずん
「じゃあ日本製鉄って名前も変えた方がいいんじゃないのだ?『地球製鉄』とか『銀河製鉄』とかにするのだ!」
やきう
「銀河鉄道かよ。お前の発想、いつも斜め上すぎやろ。」
かっぱ
「でもまあ、ずんの言うことも一理あるで。もう『日本』って冠する意味薄れてきとるかもしれんな。」
でぇじょうぶ博士
「企業のグローバル化と国家アイデンティティの関係は複雑でやんすね。ただ、日本の技術力があってこその買収成功でやんすから、完全に『日本』を捨てるわけにはいかないでやんす。」
ずん
「つまり『日本ブランド』は使うけど、日本には投資しないってことなのだ?なんかズルいのだ!」
やきう
「それが資本主義やろ。企業は株主のもんであって、国民のもんちゃうからな。綺麗事抜きで言えば、そういうことや。」
かっぱ
「まあ海外で稼いだ金が日本に還流するんやったら、それはそれでええんちゃうか。税金も配当も日本に入るわけやし。」
でぇじょうぶ博士
「問題は雇用でやんすね。海外で工場作れば、日本の雇用は減るでやんす。これは避けられないトレードオフでやんす。」
ずん
「じゃあボクたち日本の労働者はどうすればいいのだ!?鉄鋼マンになる夢が潰えたのだ!」
やきう
「お前そもそも働いてへんやろ。夢見る前に現実見ろや。」
かっぱ
「それにしても、この買収劇でトランプ政権とバイデン政権が全力で妨害してきたんやろ?結局どうなったんや?」
でぇじょうぶ博士
「バイデン政権は安全保障上の懸念を理由に反対したでやんすが、結局は政治的な思惑でやんすね。ペンシルベニア州の票が欲しかっただけでやんす。」
ずん
「政治って結局そういうことなのだ。でもさ、日本製鉄がアメリカで1位になったら、アメリカ人は複雑な気持ちになるんじゃないのだ?」
やきう
「1980年代の日本車バッシング思い出すわ。今度は鉄鋼バッシング来るんちゃうか?ハンマーでUSスチール製品叩き壊すパフォーマンスとか。」
かっぱ
「時代は繰り返すんやなぁ。でも今回は中国という共通の敵がおるから、まだマシかもしれんで。」
でぇじょうぶ博士
「地政学的には、日米同盟の文脈で日本企業の買収は受け入れられやすいはずでやんすが、現実は感情論が優先されるでやんすからね。理屈じゃないんでやんす。」
ずん
「じゃあ結局、この買収って成功するのだ?失敗するのだ?ボク全然わかんないのだ!」
やきう
「お前、今まで何聞いとったんや。まあでもワイも正直、成功するかは微妙やと思うで。政治リスクが高すぎるわ。」
かっぱ
「けど橋本会長は『これで終わりじゃない』言うとるんやろ?次々買収する気満々やん。相当な自信やで。」
でぇじょうぶ博士
「自信というより、もう後戻りできない背水の陣でやんすね。中国から撤退した以上、他の市場で勝つしかないでやんす。まるで崖っぷちでジャンプするしかない状況でやんす。」
ずん
「背水の陣...かっこいいのだ!でもさ、もしこれ全部失敗したらどうなるのだ?日本製鉄って潰れちゃうのだ?」
やきう
「潰れはせんやろうけど、株主総会は地獄やろなぁ。『なんで中国捨てたんや!』って袋叩きや。」
かっぱ
「いや、今撤退したのは英断やと思うけどな。あと5年遅かったら、もっと損失膨らんでたやろ。」
でぇじょうぶ博士
「タイミングは重要でやんすね。中国の不動産バブル崩壊と過剰生産能力を考えれば、今が撤退の好機でやんす。遅すぎることはあっても、早すぎることはないでやんす。」
ずん
「なるほどなのだ...。じゃあボクも今のうちに日本製鉄の株買っておくのだ!きっと大儲けできるのだ!」
やきう
「お前、さっきまで『鉄鋼マンになる夢が潰えた』言うてたやん。一貫性なさすぎやろ。」
でぇじょうぶ博士
「ただし投資は自己責任でやんすよ。おいらは一切責任を負わないでやんす。というか、ずんに投資の才能があるとは到底思えないでやんす。」
ずん
「ひどいのだ!でもまあ、とりあえず日本製鉄の戦略はわかったのだ。『中国は諦めて、それ以外で1位を目指す』ってことなのだ。シンプルで分かりやすいのだ!」
やきう
「シンプルすぎて逆に怖いけどな。『それ以外』がどんだけ広いと思っとるんや。」
かっぱ
「けど方向性が明確なんはええことやで。曖昧な戦略よりよっぽどマシや。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。不確実性の高い時代には、明確なビジョンと思い切った決断が必要でやんす。橋本会長はそれを実行してるでやんす。結果がどうなるかは、まだわからないでやんすけどね。」
ずん
「じゃあ10年後、日本製鉄は世界一になってるのだ?それとも中国企業に負けて消えてるのだ?」
やきう
「10年後かぁ...。ワイの予想では、どっちにも転ぶ可能性あるで。ギャンブルみたいなもんや。」
かっぱ
「人生もギャンブルやからな。誰にもわからんで。」
ずん
「よし!じゃあボクは日本製鉄を応援するのだ!頑張れニッポン製鉄!世界一になるのだー!...って、もしかしてボク、今すごくいいこと言ったんじゃないのだ?応援するだけならタダなのだ!これ完璧な戦略なのだ!」