ずん
「最近のアニメってなんかペラペラなのだ。ボクの存在感より薄いのだ。」
でぇじょうぶ博士
「それは線が細すぎるせいでやんす。まるで極限まで痩せ細ったモデルが、さらにフォトショで加工されてるような状態でやんすね。」
やきう
「ワイ、昔のジョジョ見たら線太すぎて笑ったわ。あれ、マジックで描いとるんか?」
でぇじょうぶ博士
「逆でやんす!ジョジョは2B以上の鉛筆で太く描くルールがあったでやんす。それが絵に重量感を与えていたでやんすよ。」
ずん
「じゃあなんで今は細くなっちゃったのだ?細い方が楽なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「むしろ逆でやんす。仕上げ担当者は1ドットの線が途切れて修正が大変だと嘆いてるでやんす。まるで髪の毛一本で綱渡りさせられてるようなもんでやんすね。」
やきう
「つまり誰も得してへんってことやん。アホちゃう?」
でぇじょうぶ博士
「高解像度の弊害でやんすね。画質が良くなったから線も細くできる、だからやる...という発想でやんす。できるからやる、典型的な技術の暴走でやんすよ。」
ずん
「それって、ボクがハイスペックPC買ったらエロゲが重くなったのと同じなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「さらに色トレスやグラデーション、撮影処理のディフュージョンフィルターが重なって、キャラが背景に溶け込んでしまうでやんす。まるでカメレオンが保護色を極めすぎて自分を見失ったような状態でやんすね。」
ずん
「なんでそんなことするのだ?わざと見にくくしてるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「トレンドでやんすよ。一時期『線は細く一定の太さで』という謎の教義が広まったでやんす。宗教みたいなもんでやんすね。」
やきう
「宗教なら信者がおるわけやな。誰が始めたんやろな、この悪習。」
でぇじょうぶ博士
「デジタル作画の黎明期に、みんなが右に倣えで始めたでやんす。太い線は二本の細い線で挟んで塗りつぶすという、まるで拷問のような手間をかける始末でやんす。」
ずん
「それ、もはや細い線じゃないのだ!詐欺なのだ!」
やきう
「ワイ、最近のアニメ見とると目ぇ痛なるねん。明るすぎんねん、全体的に。」
でぇじょうぶ博士
「配色も鮮やか過ぎる傾向にあるでやんすね。明るい色、細い線、撮影処理...全部足すと、まるで過剰に化粧した顔のように、元の良さが消えてしまうでやんす。」
ずん
「じゃあボクが昔のアニメの方が良いって思うのは、懐古厨じゃなくて正しかったのだ?」
でぇじょうぶ博士
「半分正解でやんす。セル画時代のゼロックスでトレスされた鉛筆のタッチには、確かに生命感があったでやんす。不完全だからこそ『生きてる』感じがしたでやんすね。」
やきう
「完璧を求めすぎて魂抜けたってことか。皮肉やな。」
でぇじょうぶ博士
「現場からは『没入する擬似天国には迫力ある線は要らない』という声もあるでやんす。つまり、ぼんやりした優しい世界を求めてるという解釈でやんすね。」
ずん
「それって...現実逃避なのだ?アニメで現実逃避してるのに、さらに逃避してるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「業界的には『シルエット重視のキャラデに戻してほしい』『線量を減らしてほしい』という声も多いでやんす。でも一度定着したトレンドを覆すのは、まるでタンカーの進路変更のように時間がかかるでやんすね。」
ずん
「じゃあこのまま線は細くなり続けて、最終的に消えるのだ?」
やきう
「それ、もうアニメちゃうやん。ただの背景や。」
でぇじょうぶ博士
「実際、キャラが『塗り分けデータ』にしか見えないという意見もあるでやんす。線の存在意義を見失ってる状態でやんすね。」
ずん
「でもボク気づいたのだ。細い線って、実は制作側も視聴者側も誰も幸せにしてないのだ。なんでやめないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それが業界の慣性というやつでやんす。一度動き出したら止まらない...まるで...」
ずん
「じゃあボクが新しいトレンド作るのだ!『令和の太線革命』なのだ!線を太くして、キャラに重量感を取り戻すのだ!」