ずん
「ちょっと待つのだ!AIで作った偽物の画像で捕まるって、もはやSFの世界なのだ!」
やきう
「何言うとんねん。お前の顔面こそ神様が作った最悪のディープフェイクやろが。」
でぇじょうぶ博士
「やれやれ...では説明するでやんす。今回の事件は、生成AIで作られた児童ポルノ画像の所持が全国初で立件された画期的な事例でやんす。」
ずん
「でも博士、AIが作った画像でしょ?実在しないなら問題ないんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それが甘いでやんす。最高裁は実在する子どもの姿態をCGで再現したものも児童ポルノと認定したでやんす。つまり、実在する子どもをモデルにしたディープフェイクは完全にアウトでやんす。」
やきう
「ほーん。じゃあ大人のディープフェイクならセーフってことか?」
でぇじょうぶ博士
「そこが日本の法規制の大きな穴でやんす。18歳以上の人物をモデルにした性的ディープフェイクは、性器が隠されていれば処罰が著しく困難でやんす。現行法では対処しきれないでやんすね。」
ずん
「えー、それって変なのだ。被害者がいるのに罪に問えないなんておかしいのだ!」
やきう
「お前が言うな。お前こそ毎日会社の経費で変なもん買うとる犯罪者予備軍やろ。」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。韓国や欧米では、ディープフェイクポルノの製造・頒布を処罰する法律が続々と成立しているでやんす。アメリカでは『テイク・イット・ダウン法』が成立し、プラットフォーム事業者に48時間以内の削除義務を課しているでやんす。」
ずん
「じゃあ日本も早く法律作ればいいじゃないのだ!何やってんのだ政府は!」
やきう
「無理無理。日本の政治家なんて、LINEの既読スルーより遅いからな。法律作る頃には技術が10年先行っとるわ。」
でぇじょうぶ博士
「残念ながら、それに近い状況でやんすね。現状では警察や検察が著作権法やわいせつ物頒布等罪など、既存の法律を無理やり適用して対応しているでやんす。まるでスマホの充電器でテレビを動かそうとするようなものでやんす。」
ずん
「うーん、でも実際に被害に遭った人はどうすればいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それが一番の問題でやんす。海外では被害者保護の仕組みが整備されているでやんすが、日本では削除要請すらまともに機能していないでやんす。被害者は泣き寝入りするか、弁護士を雇って民事訴訟するしかないでやんすね。」
やきう
「つまり金持ちは守られて、貧乏人は泣き寝入りってことやな。いつもの日本や。」
ずん
「そんなの不公平なのだ!ボクが総理大臣になったら、すぐに法律作るのだ!」
やきう
「お前が総理になる確率より、ワイが明日モテる確率の方が高いわ。つまりゼロや。」
でぇじょうぶ博士
「現実的には、包括的な性的ディープフェイク規制法の制定が急務でやんす。児童ポルノだけでなく、成人をモデルにしたディープフェイクも処罰対象にし、プラットフォーム事業者に削除義務を課す必要があるでやんす。」
ずん
「でも博士、そんな法律作ったら、表現の自由が〜とか言い出す人が出てくるんじゃないのだ?」
やきう
「出てくるに決まっとるやろ。『エロ本が買えなくなる!』って国会前でデモするオッサンの群れが見えるわ。」
でぇじょうぶ博士
「確かに表現の自由との兼ね合いは難しい問題でやんす。しかし、他人の肖像権や名誉、プライバシーを侵害する性的ディープフェイクは、表現の自由の範囲を明らかに逸脱しているでやんす。」
ずん
「じゃあ、AIの技術が進化したら、もっとヤバいことになるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。今後、AIの精度が上がれば、本物と見分けがつかないレベルのディープフェイクが誰でも簡単に作れるようになるでやんす。まるでコピー機で偽札を刷るように、偽の性的画像が量産される時代が来るでやんす。」
やきう
「ほんま恐ろしい時代やな。ワイの顔も誰かにディープフェイクされて、変なAVに出演させられるかもしれへんやん。」
ずん
「やきうの顔なんて誰も使わないと思うのだ...」
やきう
「お前に言われたくないわ!お前の顔こそ、AIが学習拒否するレベルやろ!」
でぇじょうぶ博士
「まあまあ、落ち着くでやんす。重要なのは、技術の進化に法規制が追いつくことでやんす。現状では、立件されるのは氷山の一角に過ぎないでやんす。」
でぇじょうぶ博士
「まずは、この問題を社会全体で認識することでやんす。そして、被害者を孤立させないこと。さらに、政治家に法整備を求める声を上げることでやんす。」
やきう
「政治家に期待するとか、砂漠で水を探すようなもんやけどな。」
ずん
「でも、何もしないよりはマシなのだ!...ところで博士、ボクがディープフェイクされたらどうしたらいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「ずん君の場合、ディープフェイクより本物の方がヤバいでやんすから、心配無用でやんす。」
やきう
「それな。お前の存在自体が既にフェイクみたいなもんやし。」
ずん
「ひどいのだ!でもまあ、ボクは美少年だから狙われる可能性もあるのだ。今日から外出時はサングラスとマスク着用なのだ!...あれ、それって逆に怪しい人なのだ?」