ずん
「ガンダムが鈍器で戦うとか、もはやヤンキーの喧嘩なのだ!これは革命なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす!監督からのオーダーは『釘バットを持って引きずる不良』。ガンダムの歴史に泥臭さを持ち込んだ革命児でやんすよ。」
やきう
「ビーム兵器じゃなくてメイスって...ワイの爺ちゃんかよ。」
かっぱ
「いや、でもな、そのデザイナーも最初は半信半疑やったらしいで。『ガンダムの主人公機がメイスで?』って。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。鷲尾さんも第1話を見るまで確信が持てなかったとか。でも実際に動いてるシーンを見て『これや!』ってなったらしいでやんす。」
やきう
「お前の頭がダサいわ。格好いい鈍器をデザインするために、ダメージを一点に集中させる尖った部分とか工夫してるんやで。」
かっぱ
「しかも内部構造のガンダム・フレームが見えるデザインやろ?メカとしてのリアリズムがエグいわ。」
でぇじょうぶ博士
「まさに!篠原保さんのフレームデザインに、鷲尾さんが外装を付けて完成したでやんす。肩が下がってて、足軽っぽいイメージなんでやんすよ。」
やきう
「違うわボケ。引きずる不良のイメージやから、他のガンダムより肩が下がってるんや。むしろそこがカッコええねん。」
かっぱ
「それにな、装甲換装で第1~6形態、さらにルプス、ルプスレクスって改修されてくんや。主人公の成長に合わせてどんどん獣のようになっていくんやで。」
でぇじょうぶ博士
「三日月が右半身の感覚を失っても、ガンダムに乗るとどんどん強くなる。その変化がデザインにも表れてるでやんす。鷲尾さん自身はルプスが一番まとまってて好きらしいでやんすよ。」
やきう
「お前の人生の方が痛々しいわ。しかも鷲尾さん曰く『壊れた時の格好良さ』もあるらしいで。」
かっぱ
「そこがええんやろな。アニメで格好良さを引き出してもらってるって本人も言うてるし。」
でぇじょうぶ博士
「それにでやんすね、ツノとトリコロールカラー、人間っぽいバランスでガンダムらしさを保ちつつ、革新的なデザインを実現したでやんす。記号を減らしすぎるとガンダムに見えなくなるでやんすからね。」
ずん
「じゃあボクもツノ付けたらガンダムになれるのだ?」
かっぱ
「ちなみに鷲尾さん、『ガンダム00』でスローネやアルケーもデザインしてんねんで。自分がガンダムをデザインするとは思ってなかったらしいわ。」
でぇじょうぶ博士
「メカデザインで大切にしてるのは、いろんな意見を取り入れて、作品の世界観やキャラクター性を考えることでやんす。手癖で格好よく描くだけじゃダメなんでやんすよ。」
ずん
「つまり...適当にデザインしちゃダメってことなのだ?」
やきう
「当たり前やろ。どんな世界で、どんな人物が、どう使うかを考えんとアカンねん。」
かっぱ
「実用性考えすぎると地味になるから、キャラクター性を出すのが大事らしいで。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。バルバトスは『鉄血のオルフェンズ』の世界でのリアリティーを感じるデザインだからこそ、10年経った今でも愛されてるでやんす。」
かっぱ
「ちなみにスピンオフのガンダム・端白星もデザインしてて、こっちは作画のことを考えてフレームが見えないようにしたらしいで。」
でぇじょうぶ博士
「先にデザインしたマルコシアスは自由にやりすぎて、立体化が大変だったみたいでやんすね。学習したでやんす。」
ずん
「じゃあ結局、バルバトスの一番の魅力ってなんなのだ?」
やきう
「鈍器で殴るガンダムっていう革新性と、泥臭い戦闘スタイルやろな。ビーム兵器全盛の時代に逆行した勇気や。」
かっぱ
「壊れた時の格好良さとか、獣のように過剰に変化していく様も魅力やな。」
でぇじょうぶ博士
「そして何より、作品の世界観やキャラクター性を深く考慮した結果生まれたデザインだからこそ、長く愛される機体になったでやんす。」
ずん
「なるほどなのだ...でもボクはやっぱりビームで戦う方が楽だと思うのだ!メイス重そうなのだ!」