ずん
「ねえねえ、26年前の事件が放送前日に解決って、これドラマより面白いんじゃないのだ?」
やきう
「ワイ、これNHKが犯人炙り出したんちゃうかって思っとるで。番組作ってたら焦って出頭したんやろ。」
でぇじょうぶ博士
「むむむ、実に興味深い偶然でやんすね。ただし、偶然というのは統計学的には存在しないものでやんす。」
ずん
「え?じゃあこれ仕組まれてたってことなのだ?」
かっぱ
「そういう陰謀論みたいな話やめとき。たまたまタイミングが合っただけやろ。」
やきう
「でもなぁ、26年間も血痕残した部屋借り続けとった夫も大概やで。普通引っ越すやろ。」
でぇじょうぶ博士
「それがトラウマの力でやんす。心理学的には、事件現場に留まることで無意識に真相を待ち続けていたとも解釈できるでやんすよ。」
ずん
「でも犯人が高校の同級生って...夫は気づかなかったのかのだ?」
かっぱ
「26年も経ったら誰が犯人かわからんくなるやろ。人間の記憶なんてそんなもんや。」
やきう
「つーか、69歳で逮捕とか。もう人生終わっとるやんけ。今更牢屋入れても意味ないやろ。」
でぇじょうぶ博士
「それは違うでやんす。司法というのは年齢に関係なく機能すべきでやんす。でないと高齢者は何してもOKという恐ろしい社会になるでやんすよ。」
ずん
「NHKの番組スタッフは今頃どんな顔してるのだろうなのだ。」
かっぱ
「そら、「未解決」じゃなくなったから番組内容全部変えなあかんやろな。大変やで。」
やきう
「むしろ、『解決しました特番』に変更して視聴率稼げばええやん。ワイならそうするで。」
でぇじょうぶ博士
「やきう君の発想は相変わらず俗物的でやんすね。でも確かに、この逮捕劇自体がドキュメンタリーの新たな素材になるでやんす。」
ずん
「じゃあ犯人は何で今頃出頭したのだ?罪の意識に耐えられなくなったとか?」
かっぱ
「いや、たぶん番組で取り上げられるって知って、どうせバレるなら自分から出た方がマシやと思ったんちゃうか。」
やきう
「ワイの予想やと、DNA鑑定の技術が進化して、もう逃げられへんって悟ったんやろ。科学の進歩は犯罪者の敵やで。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。26年前と今では捜査技術が雲泥の差でやんすからね。当時は見つからなかった証拠も、今なら一発で特定できるでやんす。」
ずん
「でもさ、被害者の夫が『意外すぎて実感がわかない』って言ってるけど、26年も待ったのに実感わかないって、人間の感情って複雑なのだ。」
かっぱ
「そら、26年間ずっと犯人捜しとったのに、まさかの同級生やったらビックリするやろ。隣の人が実は宇宙人でしたレベルの衝撃やで。」
やきう
「でも結局、この事件って何が動機やったんや?金か?恨みか?それとも三角関係か?」
でぇじょうぶ博士
「それはまだ明らかになっていないでやんす。ただ、統計的には身近な人間による犯行の場合、動機は極めて個人的なものが多いでやんすよ。」
ずん
「ボク思うんだけど、26年前の事件なんて証拠も風化してるし、本当に有罪にできるのかのだ?」
かっぱ
「それは検察の腕の見せ所やな。物証が弱くても、自白があれば立件できるかもしれへん。」
やきう
「自白したって記事に書いとるけど、69歳のババアが今更何を語るんやろな。もう記憶も曖昧やろ。」
でぇじょうぶ博士
「やきう君、その言い方は不適切でやんす。しかし、確かに長期間経過した事件の供述の信憑性は裁判で争点になる可能性が高いでやんすね。」
ずん
「それにしても、NHKのタイミングの良さは神がかってるのだ。まるでシナリオがあったみたいなのだ。」
かっぱ
「まあ、テレビ局が事件を追ってたから、犯人も気が気じゃなかったんやろな。番組の取材が引き金になったんかもしれへん。」
やきう
「つまり、メディアの力で事件解決したってことやん。これからは未解決事件全部番組化すればええんちゃうか。」
でぇじょうぶ博士
「それは一理あるでやんす。メディアのプレッシャーが犯人を追い詰めるという現象は、実は犯罪心理学でも研究されているでやんすよ。」
ずん
「じゃあボクも番組作って、未解決事件バンバン解決するのだ!これで有名人になれるのだ!」
やきう
「お前が作る番組なんて誰も見いへんわ。視聴率0.1%で打ち切りやで。」
ずん
「むぅ...じゃあボクは未解決事件の犯人として26年後に出頭する側になるのだ!これなら確実に番組に出られるのだ!」