**ずん
** 「ねえねえ、父親亡くして悲しんでる姫を生き埋めにするって、マジで意味わかんないのだ!どういう思考回路なのだ!?」
**やきう
** 「ワイもそう思うで。せめて尼寺に入れるとか、他の選択肢あったやろ。いきなり埋めるとか、飛躍しすぎやん。」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあまあ、落ち着くでやんす。これは当時の社会システムの欠陥を示す興味深い事例でやんすよ。」
**ずん
** 「欠陥って...人を埋めちゃうのが欠陥レベルで済む話なのだ?」
**やきう
** 「確かに。欠陥ってレベルちゃうやろ。完全に壊れとるやん。」
**でぇじょうぶ博士
** 「当時は父親が後ろ盾を失った姫君は、まるで保証書の切れた家電製品のように、誰も引き取りたがらなかったでやんす。」
**ずん
** 「家電製品って...人間をモノ扱いしすぎなのだ!」
**やきう
** 「でも実際、当時の女性の扱いなんてそんなもんやったんやろな。ワイの推測やと、『嘆き悲しむ』ってのは、実は暴れまわって手がつけられへん状態やったんちゃうか?」
**でぇじょうぶ博士
** 「鋭い指摘でやんす。当時は悲しみすぎると鬼女になると信じられていたでやんすからね。安達ケ原の鬼婆伝説なんかがいい例でやんす。」
**ずん
** 「鬼女化を防ぐために埋めたってこと?それ、予防接種みたいなノリで人埋めてるのだ...」
**やきう
** 「予防接種は草。でも怨霊になる前に手を打つって発想は、ある意味合理的やな。合理的すぎて怖いけど。」
**でぇじょうぶ博士
** 「しかも当時は名付け仮親や裳着親といった養育システムがあったでやんすが、それが機能しなかったということは、姫君には本当に誰も味方がいなかったってことでやんす。」
**ずん
** 「じゃあ、みんなで『面倒見きれないし、放置したら悲惨だし、いっそ...』って感じで埋めちゃったのだ?」
**やきう
** 「せめてひと想いに、ってか?ワイ、そういう『優しさ』いらんわ。」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあ、直江兼続も遺族に閻魔大王への手紙持たせて打ち首にしたって逸話があるでやんすし、当時の権力者の判断基準は現代とは大きく違ったでやんすよ。」
**ずん
** 「その例え、全然フォローになってないのだ!むしろもっと怖くなったのだ!」
**やきう
** 「しかも切り倒そうとしたら亡霊が現れて哀願したって...結局成仏できてへんやん。生き埋めの意味なかったんちゃうか。」
**でぇじょうぶ博士
** 「それを言ったら元も子もないでやんす。ただ、銀杏の木として生まれ変わったという点では、ある種の救済があったのかもしれないでやんすね。」
**ずん
** 「救済...?木になるのが救済なのだ?ボク、人間のままがいいのだ!」
**やきう
** 「お前が木になっても、誰も困らんけどな。むしろ光合成できる分、今より役に立つやろ。」
**ずん
** 「ひどいのだ!でも確かに、当時の『父無し姫君』って、シンデレラどころの騒ぎじゃなかったってことなのだ...」
**でぇじょうぶ博士
** 「そうでやんす。母方の有力親族がいれば話は別でやんすが、完全に孤立した姫君は、当時の社会では生きていくこと自体が困難だったでやんす。」
**やきう
** 「結局、社会のセーフティネットがなかったってことやな。今の時代に生まれてよかったわ。」
**ずん
** 「でも今だって、セーフティネットから落ちたら悲惨なのは同じなのだ。昔は生き埋め、今は孤独死...どっちがマシなのだ?」
**やきう
** 「お前、最後にめっちゃ重いこと言うやん...」
**ずん
** 「つまり...ボクたちも誰かの後ろ盾がなくなったら、銀杏の木になるしかないってことなのだ...?あ、でも銀杏って臭いから、ボクはもっといい匂いの木がいいのだ!」