# 退職代行ビジネスの闇
「モームリ」家宅捜索の裏側
ずん
「最近、退職代行サービスってめっちゃ流行ってるけど、『モームリ』が家宅捜索されたのだ!これはヤバいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「やんすねぇ。退職代行サービスというのは、言ってみれば現代版の『逃亡幇助』でやんす。ただし、それを商売にするにはルールがあるでやんす。」
やきう
「ルールって何や?ワイが会社辞める時は、上司の机にクソでも置いて辞めたらええんちゃうん?」
でぇじょうぶ博士
「それは器物損壊でやんす...。退職代行は大きく分けて3つのタイプがあるでやんす。民間業者、労働組合、そして弁護士でやんす。民間業者は退職の意思を伝えるだけで、交渉はできないでやんす。」
ずん
「じゃあ、弁護士に頼めば最強ってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。弁護士だけが法的な交渉ができるでやんす。だからこそ、今回の『モームリ』の件は問題なんでやんす。弁護士法第72条で、弁護士でない者が報酬を得て法律事務を行うことは禁止されてるでやんす。」
やきう
「要するに、モームリは弁護士に客を回して、マージン取ってたってことか?まるでキャバクラのボーイやんけ。」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。弁護士に仕事をあっせんして紹介料を取るのは、弁護士法違反の『非弁提携』という立派な犯罪でやんす。」
ずん
「でも、困ってる人を助けてるんだからいいじゃないのだ。ボクも上司に直接言えないから、こういうサービス欲しいのだ。」
やきう
「お前、まだ学生やろ。辞める会社すらないやんけ。」
でぇじょうぶ博士
「やんすねぇ...。確かに、ブラック企業が蔓延する日本では、退職代行サービスの需要は高いでやんす。でも、法律を守らずに商売するのは、消火器を売りながら放火してるようなもんでやんす。」
でぇじょうぶ博士
「まず、退職代行を使う前に、そのサービスが誰によって運営されてるか確認するでやんす。弁護士事務所なのか、労働組合なのか、それとも単なる民間業者なのか。料金が異様に安い所は危険でやんす。」
やきう
「ワイの友達、3万円で退職代行使ったって言うてたで。それって安いんか?」
でぇじょうぶ博士
「相場は2万〜5万円でやんす。ただし、弁護士に頼むと5万〜10万円くらいになるでやんす。安さだけで選ぶと、今回のモームリみたいな違法業者に引っかかる可能性があるでやんす。」
ずん
「でもさ、そもそも会社を辞めるのに他人を頼らなきゃいけないって、日本の労働環境がおかしいのだ!」
やきう
「それな。欧米なら『I quit!』の一言で終わりやで。日本は『円満退社』とか『引き継ぎ』とか、めんどくさすぎるわ。」
でぇじょうぶ博士
「確かに、日本の労働文化には問題があるでやんす。でも、だからといって違法な手段を使っていいわけではないでやんす。退職代行業界全体が規制されれば、本当に困ってる人が助からなくなるでやんす。」
でぇじょうぶ博士
「まず、退職の意思は労働者の権利でやんす。民法627条によれば、2週間前に申し出れば退職できるでやんす。会社が引き止めても、法的には退職を拒否できないでやんす。」
やきう
「でも、上司が怖くて言えへんから代行使うんやろ?」
でぇじょうぶ博士
「そういう時は、まず労働基準監督署に相談するでやんす。無料でやんすからね。それでもダメなら、ちゃんとした弁護士か労働組合に頼むでやんす。」
ずん
「労働組合って、あの昭和の匂いがするやつなのだ?」
やきう
「お前、偏見持ちすぎやろ。最近は『ユニオン』とかいうオシャレな名前のやつもあるで。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。個人でも加入できる労働組合が増えてるでやんす。彼らは団体交渉権を持ってるから、会社と対等に話ができるでやんす。料金も弁護士より安いでやんす。」
ずん
「でもさ、今回のモームリみたいな業者が摘発されたら、利用者はどうなるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは深刻な問題でやんす。すでに支払った料金が返ってこない可能性もあるでやんす。しかも、退職手続きが中途半端になって、会社とトラブルになるケースもあるでやんす。」
やきう
「つまり、安物買いの銭失いってやつか。ワイの爺ちゃんがよう言うてたわ。」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。退職代行は、人生の重要な転機に関わるサービスでやんす。信頼できる業者を選ぶことが何より大事でやんす。」
ずん
「じゃあ、信頼できる業者ってどう見分けるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まず、運営元が明確かどうかチェックするでやんす。弁護士事務所なら弁護士会に登録されてるか、労働組合なら組合の実態があるか確認するでやんす。口コミも重要でやんすが、ステマもあるので注意でやんす。」
やきう
「でも正直、そこまで調べるの面倒くさいやん。」
ずん
「そうなのだ!ボクみたいな優秀なエリートは忙しいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「...ずんは暇人でやんす。ともかく、面倒でも調べないと、今回のモームリみたいに警察沙汰になった業者に引っかかるでやんす。最悪、自分も巻き込まれる可能性があるでやんす。」
でぇじょうぶ博士
「基本的には利用者は罪に問われないでやんす。でも、退職が無効になったり、損害賠償を請求される可能性はあるでやんす。まるで、偽の医者に手術されて失敗したようなもんでやんす。」
ずん
「怖すぎるのだ...でも、そもそも会社を辞めるのにこんな苦労するのがおかしいのだ!」
やきう
「それな。アメリカなんて、朝出社したら自分の机がなくなってるとか普通やで。」
でぇじょうぶ博士
「確かに、日本の雇用慣行には問題があるでやんす。でも、それを悪用して金儲けする輩がいるのも事実でやんす。今回の摘発は、業界の浄化につながるかもしれないでやんす。」
ずん
「じゃあ、結局ボクたちはどうすればいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「一番いいのは、自分で退職を伝える勇気を持つことでやんす。それが難しければ、信頼できる第三者に相談するでやんす。安易に怪しい業者に頼るのは危険でやんす。」
やきう
「でもな、ブラック企業で心身ボロボロになってる人間に『勇気を持て』とか言うのは酷やで。」
でぇじょうぶ博士
「それはその通りでやんす。だからこそ、労働基準監督署や弁護士会の無料相談を活用するべきでやんす。行政も、もっと労働者保護に力を入れるべきでやんす。」
ずん
「でも、警視庁が動いたってことは、よっぽど悪質だったんだよね?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。おそらく、被害者からの相談が相次いだか、あるいは紹介料の額が莫大だったか、でやんす。警察が動くには、それなりの理由があるでやんす。」
やきう
「ワイ、気になるんやけど、弁護士側も悪いんちゃうん?紹介料もらってたんやろ?」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす。弁護士も非弁提携に加担していたら、懲戒処分の対象になるでやんす。弁護士会も調査するはずでやんす。まるで、麻薬の売人と買人、両方が捕まるようなもんでやんす。」
ずん
「なんだか、退職代行業界って闇が深いのだ...」
でぇじょうぶ博士
「需要があるところには、必ず悪徳業者が寄ってくるでやんす。それは人類の歴史が証明してるでやんす。大事なのは、消費者が賢くなることでやんす。」
やきう
「でもな、会社辞めるだけで数万円も払うって、冷静に考えたらアホらしいで。」
ずん
「そうなのだ!ボクなら、その金で美味しいもの食べて、会社なんて忘れるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「...それができる人は、最初から退職代行なんて使わないでやんす。追い詰められてる人にとっては、その数万円が人生を変える投資になるでやんす。」
やきう
「まあ、そう考えると、需要はなくならへんな。だからこそ、ちゃんとした業者が必要なんやな。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。今回の摘発をきっかけに、業界全体が健全化されることを願うでやんす。そうすれば、本当に困ってる人が安心してサービスを利用できるでやんす。」
ずん
「でもさ、こういう業者って他にもいっぱいあるんじゃないのだ?モームリだけじゃないよね?」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす。おそらく、同様の手口を使ってる業者は複数あると思われるでやんす。今回の摘発は氷山の一角かもしれないでやんす。」
やきう
「ほな、次々と摘発されるんちゃうか?退職代行業界、大パニックやな。」
でぇじょうぶ博士
「可能性はあるでやんす。警察が本気で取り締まれば、業界の構造が大きく変わるかもしれないでやんす。そうなれば、まともな業者だけが生き残るでやんす。」
ずん
「じゃあ、ボクが将来会社を辞める時には、もっと安全になってるってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「...それはさておき、労働者の権利意識が高まれば、退職代行なんてサービス自体が不要になる社会が理想でやんす。でも、それには時間がかかるでやんす。」
ずん
「むむむ...難しいのだ。結局、今困ってる人はどうすればいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「繰り返しになるでやんすが、まず公的機関に相談するでやんす。それでもダメなら、弁護士会や労働組合に連絡するでやんす。民間の退職代行を使う場合は、必ず運営元を確認するでやんす。」
やきう
「要するに、安物買いの銭失いにならんように気をつけろってことやな。」
ずん
「わかったのだ!でも、ボクは絶対に退職代行なんて使わないのだ!だって、ボクは優秀だから、どこの会社でも引く手あまたなのだ!」
ずん
「ボクは将来、退職代行業者を立ち上げて一攫千金を狙うのだ!これで大富豪になれるのだ!」