**ずん
** 「えっと...夫婦なのにセックス禁止って、もはや何のための夫婦なのだ?税金対策なのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあ、理屈で言えば効率的でやんすね。人工授精なら遺伝子選別もできるでやんすし、感情のもつれもないでやんす。まるで部品を組み立てるように人間を生産する世界でやんす」
**やきう
** 「ワイ、それでええと思うで。どうせモテへんし、人工授精の方が子孫残せる確率高いやろ」
**ずん
** 「やきうが珍しくまともなこと言ってるのだ...って、いや待つのだ!それって人間として何か大事なもの失ってないのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「そこでやんすよ、ずん君。この作品の主人公・雨音は、母親から『愛し合って生まれた子』と言われ続けて育ったでやんす。つまり、世間の"正常"と母の言葉の間で引き裂かれてるでやんすね」
**やきう
** 「親ガチャ失敗やん。普通に育ててくれればよかったのに、余計な情報インストールしやがって」
**ずん
** 「でも、愛し合って生まれたって言われるのは嬉しいことなんじゃないのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「それが社会では"異常"とされてる世界でやんすからね。まるでベジタリアンだらけの世界で『あなたは焼肉が美味しいって知ってるのよ』と囁かれ続けるようなもんでやんす」
**やきう
** 「むしろ焼肉食いたくなるやん。それ完全に煽りや」
**ずん
** 「じゃあ蒔田彩珠さんはどうやって演じたのだ?難しすぎるのだ」
**でぇじょうぶ博士
** 「彼女は『強く清らかに生きたい願いの奥に、人間的な優しさを宿す人物』として演じたそうでやんす。監督からは『演じるのではなく感じてほしい』と言われたそうでやんすね」
**やきう
** 「『感じてほしい』って、それもう監督の仕事放棄やろ。丸投げやん」
**ずん
** 「それって演出なのだ?それともただのサボりなのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「いやいや、これは高度な演出手法でやんす。具体的な指示を出さないことで、俳優が自分の内側から答えを見つけ出すのを待つ方法でやんすね。まるで禅問答のようなもんでやんす」
**やきう
** 「禅問答で給料もらえるとか、ええ商売やな。ワイもやりたいわ」
**ずん
** 「でもさ、この世界観って現実になる可能性あるのだ?少子化で困ってる日本こそ、人工授精推奨すべきなんじゃないのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「おっと、ずん君が珍しく社会派な発言を...って、それはまずいでやんす!人間の尊厳と効率性の問題は簡単に割り切れないでやんすよ」
**やきう
** 「尊厳とか言うてる場合か。日本、このままやと消滅するで。むしろこの小説、予言書やろ」
**ずん
** 「じゃあボクたちの世代は、セックスが博物館に展示される時代を生きることになるのだ!?『昔の人はこうやって子孫を残していました』みたいな感じで!」
**でぇじょうぶ博士
** 「...そこまで極端ではないでやんすが、生殖技術の発達で性愛と出産が完全に分離される可能性は十分あるでやんすね。まるでお見合い結婚から恋愛結婚への移行の逆バージョンでやんす」
**やきう
** 「ワイ、もうその世界でもええわ。恋愛とかいうクソゲー、攻略不可能やもん」
**ずん
** 「やきう、それ完全に負け惜しみなのだ...」
**でぇじょうぶ博士
** 「しかし、この作品が問うているのは『正常とは何か』という根源的な問題でやんす。多数派が正しいとは限らないでやんすし、社会の"常識"に個人が押し潰される構図は、実は現代社会にも通じるでやんすよ」
**やきう
** 「要するに『空気読め』を究極まで推し進めた世界ってことやな。日本人、得意分野やん」
**ずん
** 「むむむ...じゃあこの映画、単なるディストピアSFじゃなくて、今の社会への警告なのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「そうでやんす。村田沙耶香さんの作品は常に『普通って何?』を問い続けてるでやんすね。『コンビニ人間』もそうだったでやんす」
**やきう
** 「結局、みんな『普通』に縛られて生きとるってことか。ワイも『普通に働け』って言われてニートやめたくなるもんな」
**やきう
** 「うるさい。ワイは『普通』に抗ってるだけや」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあまあ。とにかく、この作品は蒔田彩珠さんが栁俊太郎さんと一緒に『もっとも自然に感じられる演技』を模索したそうでやんす。台本だけでは掴めない役を、現場で共演者と築き上げたってのは、まさにこの作品のテーマとリンクしてるでやんすね」
**やきう
** 「『自然に感じられる演技』って矛盾しとらんか?演技の時点で不自然やろ」
**ずん
** 「やきう、たまにいいこと言うのだ!」
**でぇじょうぶ博士
** 「それが俳優の仕事でやんすよ。不自然を自然に見せる、まるで手品師のような職業でやんす。そして観客は、その"嘘"に共感するでやんす」
**やきう
** 「人生も演技みたいなもんやな。ワイも毎日『普通の社会人』演じてたら疲れてニートになったわ」
**ずん
** 「いや、やきうは最初から演じてすらいないのだ...」
**でぇじょうぶ博士
** 「ところで、この作品で興味深いのは、雨音が『強く清らかに生きたい』と願いながらも、その奥に『人間的な優しさ』を持ってる点でやんす。これは矛盾してるようで、実は人間の本質を突いてるでやんすね」
**やきう
** 「清らかに生きたいとか言うて、結局欲望に負けるんやろ?人間なんてそんなもんや」
**ずん
** 「やきう、それってやきう自身の話なのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあ、欲望を否定するのも人間だし、欲望に従うのも人間でやんす。この作品は、その葛藤を丁寧に描いてるみたいでやんすね」
**ずん
** 「でもさ、結局のところ、この映画を見た人はどう思うのだ?『やっぱセックス大事だよね』って結論になるのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「そう単純ではないでやんす。むしろ『何が正常で、何が異常なのか』という問いを観客に投げかけて、各自に考えさせる作品なんじゃないでやんすかね」
**やきう
** 「要するに答えは出さへんってことか。それって映画として不親切やないか?」
**ずん
** 「やきう、たまには自分の頭で考えるのだ!」
**でぇじょうぶ博士
** 「良い作品ってのは、答えを与えるんじゃなくて、問いを残すもんでやんすよ。観終わった後も考え続けさせる、それこそが芸術でやんす」
**やきう
** 「ワイは考えるの嫌いやから、最後に『めでたしめでたし』って出てほしいわ」
**ずん
** 「やきうは一生昔話だけ見てればいいのだ...」
**でぇじょうぶ博士
** 「しかし、現実問題として、生殖医療の発達で性愛と出産が分離されつつあるのは事実でやんす。日本でも不妊治療が保険適用されるようになったでやんすし」
**やきう
** 「じゃあマジでこの世界、来るんか?ワイ、準備しとかなあかんな」
**ずん
** 「やきうが準備って、何を準備するのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあまあ。とにかく、この作品は蒔田彩珠さんの熱演もあって、かなり話題になってるみたいでやんすね。村田沙耶香作品の映像化は難しいと言われてたでやんすが」
**やきう
** 「難しいって、具体的に何が難しいんや?普通に映画にすればええやん」
**ずん
** 「やきう、お前映画作ったことないだろうのだ」
**でぇじょうぶ博士
** 「村田作品は内面描写が多くて、映像化しづらいって言われてるでやんす。特に『正常』という概念の揺らぎを視覚的に表現するのは至難の業でやんすね」
**やきう
** 「じゃあ監督も大変やったんやな。『感じてほしい』とか言うて丸投げしたくなる気持ちもわかるわ」
**でぇじょうぶ博士
** 「いやいや、それこそが信頼の証でやんす。蒔田さんなら雨音を体現できると信じたからこその演出でやんすよ」
**やきう
** 「信頼とか綺麗事やろ。単に答え持ってへんかっただけちゃうか」
**ずん
** 「やきう、お前人を信じるってこと知らないのだ?」
**やきう
** 「信じて裏切られるより、最初から信じへん方がマシや」
**ずん
** 「...やきう、それ悲しすぎるのだ」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあ、やきう君の人生哲学はさておき、この作品のテーマに戻るでやんすが、『消滅世界』というタイトルも意味深でやんすね」
**ずん
** 「それともセックスが消滅するのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「もっと抽象的な意味だと思うでやんす。『愛』とか『欲望』とか、人間らしさそのものが消滅していく世界を描いてるんじゃないでやんすかね」
**やきう
** 「人間らしさって何や?ワイ、もう人間やめたいわ」
**ずん
** 「やきう、お前はもう半分人間やめてるのだ...」
**でぇじょうぶ博士
** 「人間らしさってのは、非効率で不合理で、でも美しいもんでやんす。この作品はそれを問い直してるでやんすね」
**やきう
** 「非効率で不合理とか、そんなん捨てた方がええやん。ワイ、効率厨やから」
**ずん
** 「やきう、お前の人生が一番非効率なのだ...」
**やきう
** 「うるさい!ワイなりに最適化しとるわ!」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあまあ、落ち着くでやんす。とにかく、この映画は現代社会への問題提起として、かなり価値のある作品だと思うでやんすよ」
**やきう
** 「で、結局面白いんか?説教臭い映画は嫌やで」
**ずん
** 「やきう、お前が一番説教されるべきなのだ...」
**でぇじょうぶ博士
** 「面白いかどうかは人それぞれでやんすが、少なくとも考えさせられる作品であることは間違いないでやんす。蒔田彩珠さんの演技も注目に値するでやんすね」
**やきう
** 「演技うまいんか?ワイ、棒読みとか許せへんタイプやで」
**ずん
** 「やきう、お前が評論家気取りなのだ...」
**でぇじょうぶ博士
** 「蒔田さんは『台本だけでは役を掴みきれなかった』と正直に語ってるでやんす。その謙虚さと真摯さが、きっと演技にも表れてるでやんすよ」
**やきう
** 「謙虚とか真摯とか、そんなん演技に関係あるんか?」
**ずん
** 「やきう、お前には一生わからない世界なのだ...」
**でぇじょうぶ博士
** 「はいはい、喧嘩はそこまででやんす。最後に一つ言うと、この作品は『愛し合って生まれた子』という母の言葉が、雨音にとって呪いにも祝福にもなってるところが面白いでやんすね」
**やきう
** 「親の言葉って重いよな。ワイも『お前は失敗作や』って言われて育ったし」
**やきう
** 「嘘や。言われてへん。でも言われても納得するわ」
**でぇじょうぶ博士
** 「まあ、親の言葉ってのは良くも悪くも子供の人生に影響を与えるもんでやんすね。雨音の場合、それが社会の"正常"と対立する形になってしまったでやんす」
**ずん
** 「でもさ、雨音は『強く清らかに生きたい』って願ってるんだろうのだ?それって立派なことじゃないのだ?」
**でぇじょうぶ博士
** 「そうでやんす。でも、その願いと『人間的な優しさ』が矛盾してしまうところが、この役の難しさでやんすね」
**やきう
** 「清らかに生きたいとか言うて、結局セックスしたいんやろ?素直になればええのに」
**ずん
** 「やきう、お前本当に下品なのだ...でも、まあ、言ってることは間違ってないのだ」