ずん
「1分半も喋らないって、それ放送事故なのだ!NHK大丈夫なのだ!?」
でぇじょうぶ博士
「放送事故じゃないでやんす。これは計算された『沈黙の暴力』でやんすよ。言葉を使わずに感情を伝えるという、究極の演出でやんす。」
やきう
「ワイ、朝から1分半も黙って画面見とったら、『お前仕事行かんのか』って親に怒られるわ。」
ずん
「でもさぁ、喋らないドラマって手抜きじゃないのだ?台本書くの楽そうなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「むしろ逆でやんす!台詞がないということは、役者の演技力、カメラワーク、音楽、すべてが完璧じゃないと成立しないでやんす。まるで言葉という松葉杖を捨てて裸足で歩くようなもんでやんすよ。」
やきう
「つまり髙石あかりの演技力がエグいってことやな。ワイも黙ってるだけで評価される仕事したいわ。」
でぇじょうぶ博士
「やんすねぇ。しかもこの『ノンバーバル表現』というのは、今後のドラマ制作の方向性を示してるでやんす。『ながら見』じゃなくて、ちゃんと画面を見てもらう作品作りでやんすよ。」
やきう
「でも正直、朝から重い空気のドラマ見せられても困るんやけど。ワイは朝はもっとテンション上がるやつがええわ。」
ずん
「わかるのだ!朝は『おはよう!今日も頑張ろう!』みたいなノリが欲しいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それは単なる怠け者の言い訳でやんす。良質な作品は時間帯を選ばないでやんすよ。むしろ朝からこういう繊細な表現に触れることで、視聴者の感性が研ぎ澄まされるでやんす。」
やきう
「研ぎ澄まされた結果、会社で上司の顔色読みすぎて胃が痛なるんやけどな。」
ずん
「それは確かに困るのだ...。でも博士、『好き』とか『愛してる』とか言わないで気持ちを伝えるって、現実でやったら絶対伝わらないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんすねぇ。現実では『好き』って100回言っても伝わらないのに、言わないで伝えるなんて高度すぎるでやんす。まるでおいらが女性にモテないのと同じ構造でやんす。」
やきう
「それは単にお前がキモいだけやろ。話逸らすな。」
でぇじょうぶ博士
「む、むぅ...。とにかく、この1分半のシーンは、視聴者の想像力を最大限に引き出す仕掛けでやんす。手をつなぐまでのためらいや葛藤が、台詞なしで完璧に表現されてるでやんすよ。」
ずん
「でもさぁ、遠くから小さく映してるってことは、役者の表情とか見えないんじゃないのだ?それって意味あるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それこそが肝でやんす!表情が見えないからこそ、身体の動き、佇まい、空気感だけで感情を表現する。まるで俳句のように、最小限の情報で最大限の感動を生み出すでやんす。」
やきう
「俳句って何やねん。ワイには理解できんわ。『宍道湖や 手をつなぐ二人 夕日沈む』とかか?」
ずん
「それ全然俳句になってないのだ!季語もないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「やんすねぇ...。まあ、この演出は確かに賛否両論あるでやんす。でも、『伝わる人には伝わる』という作り方は、ある意味で視聴者を信頼してる証拠でやんすよ。」
やきう
「信頼っちゅうか、ただの賭けやろ。視聴率下がったらどうすんねん。」
ずん
「そうなのだ!みんなチャンネル変えちゃうのだ!」
でぇじょうぶ博士
「むむむ、確かにリスクはあるでやんす。でも、この挑戦的な姿勢こそが、朝ドラという枠組みを進化させるでやんす。テレビドラマが生き残るためには、ネット動画とは違う価値を提示しないといけないでやんすからね。」
やきう
「生き残るって...テレビドラマってもう死にかけとるんか?ワイ、朝ドラ好きなんやけど。」
ずん
「やきうが朝ドラ好きとか意外なのだ。てっきりアニメばっかり見てるのかと思ったのだ。」
やきう
「アニメも見るわ。でも朝ドラはババアと一緒に見れるから便利なんや。会話のネタになるやろ。」
でぇじょうぶ博士
「それは...まあ、コミュニケーションツールとして活用してるということでやんすね。ある意味正しい視聴の仕方でやんす。」
ずん
「でもさぁ、結局この1分半のシーンって、何が凄いのだ?ボクにはよくわからないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「簡単に言えば、『言葉にできない感情』を表現したってことでやんす。恋愛って、本当に大切な瞬間ほど言葉にならないでやんすからね。その『言葉にならなさ』を、そのまま映像化したでやんす。」
やきう
「ほーん。でもワイには一生関係ない話やな。言葉にならん恋愛なんて経験したことないわ。」
ずん
「それは...その...。ボクもないのだ...。」
でぇじょうぶ博士
「おいらもないでやんす...。やっぱりモテないのは辛いでやんすねぇ...。」
やきう
「急に暗くなるなや。で、結局この演出って今後増えるんか?」
でぇじょうぶ博士
「増える可能性は高いでやんす。視聴者の『見る力』が試される時代になってきてるでやんすからね。ただし、これを真似して失敗する作品も山ほど出てくるでやんすよ。」
ずん
「じゃあ、これからのドラマは全部無言になるのだ!?それ怖いのだ!」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、そんな極端なことにはならないでやんす。むしろ『言葉を使うべき場面』と『使わない場面』の使い分けが重要になってくるでやんす。言葉のインフレを防ぐってことでやんすね。」
やきう
「言葉のインフレって何やねん。『愛してる』が100万回言われて価値が下がるとかか?」
ずん
「それはあるのだ!『マジ』とか『ヤバい』とかもうインフレしまくりなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「やんすねぇ。言葉が軽くなりすぎた現代だからこそ、沈黙の重みが際立つでやんす。これは時代の要請でもあるでやんすよ。」
やきう
「時代の要請って...大げさやな。ただのドラマやろ。」
ずん
「でもさぁ、結局みんな『何が起きたの?』ってSNSで確認するんじゃないのだ?それって本末転倒なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「むむむ、鋭い指摘でやんす。確かに『わからないからネットで調べる』という行動は、この演出の意図とは真逆でやんすね。でも、それも含めて新しい視聴体験なのかもしれないでやんす。」
やきう
「新しい視聴体験とか言うて、ただの混乱やろ。ワイは素直に『好きです』って言ってくれた方が安心するわ。」
ずん
「わかるのだ!はっきり言ってくれないと不安なのだ!これじゃあボクも恋愛できないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、ずんは恋愛云々の前に、まず人としての基本を...」
ずん
「うるさいのだ!でもさぁ、この1分半のシーン、録画して繰り返し見る人とかいるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「いるでやんすよ。こういうシーンこそ、何度も見返す価値があるでやんす。見るたびに新しい発見があるでやんすからね。まるで名画を鑑賞するようなもんでやんす。」
やきう
「名画って...お前ら朝ドラを美術館扱いしてんのか?ただの大衆娯楽やろ。」
ずん
「そうなのだ!朝ドラは気楽に見るものなのだ!難しく考えすぎなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「その『気楽に見る』という態度こそが、作品の可能性を狭めてるでやんす。視聴者がもっと能動的になれば、ドラマはもっと進化できるでやんすよ。」
やきう
「進化って...お前、視聴者に努力を強いるなや。娯楽は娯楽やろ。」
ずん
「博士の言うことはいつも理想論なのだ。現実はもっと厳しいのだ。みんな疲れてるのだ。朝から集中力なんてないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「むぅ...確かに現実的な問題はあるでやんすが...でも、だからこそ『ばけばけ』の挑戦は価値があるでやんす!」
やきう
「価値があるって言うても、視聴率取れなきゃ意味ないやろ。」
ずん
「そうなのだ!結局は数字が全てなのだ!芸術性とか言ってても、誰も見てくれなかったら意味ないのだ!...あれ?ボク今すごくいいこと言ったのだ?」