ずん
「料理人が戦国時代の勝敗を決めたって、これマジなのだ!?料理で天下取れるなら、ボクもワンチャンあるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「ずん君、君は卵も満足に割れないでやんす。」
やきう
「ワイも料理人なら歴史に名を残せたんやな。今からでも遅くないか?」
でぇじょうぶ博士
「大角与左衛門は秀吉の藤吉郎時代から仕えて、最終的に大坂城の台所に火を放った料理人でやんす。つまり、数十年かけて築いた信頼関係を一瞬で灰にしたわけでやんすね。」
ずん
「えっ、裏切り者じゃん!それって美談なのだ!?」
やきう
「裏切りっちゅうか、徳川への就活やろ。時代を読んだんや。」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、そう単純な話でもないでやんす。台所を焼くということは、籠城戦の継続を不可能にしたわけで、ある意味で戦を早く終わらせる慈悲だったのかもしれないでやんすね。」
ずん
「つまり、料理人が歴史の舵取りをしてたってことなのだ?コックさんマジパネェのだ!」
でぇじょうぶ博士
「木下昌輝氏は元々グルメライターだったそうでやんす。ラーメン屋や焼肉屋を取材した経験を活かして、戦国時代の料理小説を書いたわけでやんすね。これは稀有な組み合わせでやんす。」
ずん
「戦国グルメ!新ジャンルきたのだ!次は『織田信長のスイーツ男子』とか出るのだ!?」
やきう
「それはもう完全に別物やろがい。つーか信長、茶の湯で有名やんけ。」
でぇじょうぶ博士
「実は戦国時代の料理というテーマは、これまであまり小説化されてこなかったんでやんす。江戸時代の料理小説は多いんでやんすけどね。」
ずん
「なんでなのだ?戦国時代も飯食ってたでしょ!」
でぇじょうぶ博士
「戦国時代は記録が少ないのと、華やかさに欠けるからでやんすかね。でも逆に言えば、想像の余地が大きいということでやんす。」
やきう
「つまり、適当に書いてもバレへんってことやな。ええ時代や。」
ずん
「やきう、それ言っちゃダメなやつなのだ...」
でぇじょうぶ博士
「2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』とも世界観が重なるということで、タイミング的にも完璧でやんすね。大河ドラマ効果で歴史ファンが増えれば、この小説も注目されるでやんす。」
やきう
「つまり便乗商法やないかい。マーケティングの天才やな。」
ずん
「でも、火をつけた理由って結局なんなのだ?謎のままなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それこそが小説の核心でやんす。史実では台所に火を放ったとされていますが、その動機や背景は謎に包まれているんでやんす。木下氏はそこに『人をつなぐ料理』というテーマを絡めて描いたわけでやんすね。」
やきう
「人をつなぐ料理...。ワイは孤独のグルメで十分やけどな。」
ずん
「待って、つまり料理で人をつないでおきながら、最後は火をつけて全部パーにしたってこと!?それって矛盾してないのだ!?」
でぇじょうぶ博士
「そこが人間の複雑さでやんすよ。つなぐために切る、生かすために殺す。料理という行為自体が、そういう矛盾を孕んでいるでやんす。野菜も肉も、命を奪って調理するわけでやんすからね。」
やきう
「急に哲学的になりよったな。腹減ったら何でもええわ。」
ずん
「じゃあ、大角さんは最終的に徳川家に仕えたのかなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それも謎でやんす。火を放った後の記録はほとんど残っていないんでやんす。まるで煙のように歴史から消えてしまったわけでやんすね。」
ずん
「カッコいいのだ!ボクも煙のように会社から消えたいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに、秀吉が天下統一できたのは、実は料理の力が大きかったという説もあるんでやんす。諸大名を接待する際の料理が、同盟関係を築く重要な外交ツールだったわけでやんすね。」
ずん
「えっ、じゃあ秀吉って実は料理外交の天才だったのだ!?」
やきう
「現代で言うたら接待ゴルフみたいなもんか。クソつまらんやつやな。」
でぇじょうぶ博士
「戦国時代の料理は、ただの食事ではなく、権力の象徴でもあったんでやんす。珍しい食材を出せることは、その大名の経済力や情報網の広さを示すものだったでやんすからね。」
ずん
「つまり、インスタ映えの起源は戦国時代だったのだ!歴史は繰り返すのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まあ、あながち間違いではないでやんすけどね。見栄を張るという人間の本質は、時代が変わっても変わらないでやんす。」
ずん
「じゃあボクも料理の腕を磨いて、いつか歴史に名を残すのだ!まずはカップラーメンの美味しい作り方から始めるのだ!」
やきう
「お前、お湯注ぐだけやんけ。それ調理ちゃうわ。」
ずん
「えっ、でもボク、いつもお湯の量間違えて失敗してるのだ...」