ずん
「ドリームキャストって名前がもう負けフラグなのだ。夢で終わってるじゃん」
でぇじょうぶ博士
「おっと、ずん君。それは違うでやんす。ドリキャスは技術的には当時最先端だったでやんす。ネットワーク機能を標準搭載とか、今考えても革新的でやんすよ」
やきう
「でも結局3年でポシャったんやろ?ワイのバイト先より短命やんけ」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんすねぇ...。敗因は3つあるでやんす。まず発売時に在庫が半分しかなかったでやんす。100万台目指して50万台って、テストの目標点と実際の点数みたいでやんすね」
でぇじょうぶ博士
「むしろ先進的すぎたでやんす。グラフィックチップの開発が難航して量産できなかったでやんす。言うなれば、フェラーリを大量生産しようとしたようなもんでやんすよ」
やきう
「で、その間にPS2が出てきて轢き殺されたわけやな。DVDプレイヤーとしても使えるとか、ずるいわ」
でぇじょうぶ博士
「やんす。当時DVDプレイヤーは別途買うと高かったでやんすからねぇ。PS2は『ゲーム機を買ったらDVDプレイヤーがついてきた』状態でやんした」
ずん
「じゃあモデム機能も無駄だったってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「時代が早すぎたでやんすねぇ。ADSLの本格普及は2001年9月。ドリキャス生産終了の数ヶ月後でやんす。まるで傘を持って出かけたのに、家に帰ってから雨が降るようなもんでやんすよ」
やきう
「ワイ、PSOやるためにネット環境整えるの苦労したで。あの頃は電話回線でピーヒャラヒャラやってたわ」
ずん
「でもNVIDIAを救ったとか書いてあるのだ。今や時価総額世界一じゃん。セガは株持ってたんでしょ?」
でぇじょうぶ博士
「経営再建のために売却したでやんす。もしあのまま持ってたら...まぁ、たらればの話でやんすけどね」
やきう
「セガ、お前...。それビットコイン初期に買って即売りしたやつと同じやんけ」
でぇじょうぶ博士
「当時は仕方なかったでやんすよ。生き残るためには背に腹は代えられなかったでやんす」
ずん
「つまりセガは未来を見る目があったけど、その未来まで生き残れなかったってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。先見性と実行力は別物でやんすからねぇ。おいらも論文のアイデアはあるのに、実験装置が揃わないことがあるでやんす」
やきう
「お前の話はどうでもええわ。しかし27年前か...。ワイまだ生まれてへんかったわ」
ずん
「ボクも生まれてなかったのだ。でも何か切ないのだ。夢を見すぎて現実に追いつけなかった感じが」
でぇじょうぶ博士
「やんすねぇ。でもドリキャスがあったからこそ、今のオンラインゲームの基礎ができたとも言えるでやんす。PSOは本当に革新的でやんした」
やきう
「まぁ確かに。あれがなかったら今のMMOとかもなかったかもしれんしな」
ずん
「じゃあセガは負けたけど、ゲーム業界全体には勝ったってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「うむ、哲学的でやんすねぇ。敗北の中にある勝利...まるで特攻隊のようでやんす」
ずん
「でもボク思ったのだ。ドリームキャストって名前、夢で終わるって意味じゃなくて、夢を配信するって意味だったんじゃないかって」
でぇじょうぶ博士
「...ずん君、それは深いでやんす」
ずん
「ちなみにボクが一番欲しいのはNintendo Switchなのだ。中古で安く買えないかなって夢を見てるのだ」