ずん
「生ハム食えなくなるとか、もう人生終わりなのだ!これ文明の危機じゃね?」
でぇじょうぶ博士
「やれやれ...。アフリカ豚熱、通称ASFの影響で、スペイン産豚肉の輸入が停止されたでやんす。スペインは日本にとって年間17万トン以上、648億円相当を輸出する超重要国でやんす。」
やきう
「ワイの好きなハモンセラーノが消えるやんけ!これは国家的損失やで。ていうか、豚の病気で人間が大騒ぎって、どんだけ豚に依存しとんねん。」
でぇじょうぶ博士
「ASFウイルスは人間には感染しないでやんすが、豚にとっては致死率ほぼ100%の恐怖のウイルスでやんす。しかもワクチンも治療法もないでやんす。まさに豚界の絶望でやんすね。」
ずん
「じゃあ他の国から輸入すればいいのだ!簡単なのだ!」
やきう
「アホか。デンマークやカナダに切り替えるって言うても、そんな急に供給増やせるわけないやろ。需要と供給のバランスも知らんのか。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。しかもASFウイルスは塩蔵品や死骸からも300日間残存するでやんす。イタリアは2022年の発生以降、いまだに輸入停止が続いてるでやんす。」
ずん
「300日!?そんなにしぶといウイルスなのだ!?」
やきう
「お前の体脂肪より粘り強いウイルスやな。ていうか、スペイン産の94%が冷凍肉って、加工食品にめっちゃ使われとるやんけ。外食チェーンとか終わるで。」
でぇじょうぶ博士
「さらに悪いことに、日本が輸入する冷凍豚肉の多くは加工業務用でやんす。つまり、レストランやコンビニの加工食品、冷凍食品にも影響が出るでやんす。」
ずん
「えっ、ということはコンビニ弁当の値段も上がるのだ!?それは困るのだ!」
やきう
「当たり前やろ。供給減ったら価格上がるに決まっとるがな。小学生でもわかる経済の原理やで。」
でぇじょうぶ博士
「実際、食品メーカーや外食チェーンでは調達コストが上昇する懸念が強いでやんす。代替品への切り替えも簡単ではないでやんすからね。」
ずん
「じゃあ国産に切り替えればいいじゃんなのだ!日本の豚肉使えばいいのだ!」
やきう
「国産豚肉なんて高すぎて使えるかボケ。お前、普段スーパーで肉買わんから知らんのやろ。国産豚肉は輸入品の2倍以上するんやで。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。国産への切り替えは理想的でやんすが、価格面での課題が大きいでやんす。結果として消費者への価格転嫁は避けられないでやんすね。」
ずん
「むむむ...。じゃあボクたちはどうすればいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「一人一人ができる対策としては、食品ロスを減らすことや、価格変動に備えた家計管理が重要でやんす。あとは代替タンパク質への切り替えも視野に入れるべきでやんすね。」
やきう
「代替タンパク質って、まさかコオロギとか言わんやろな。ワイはそんなもん食わんで。普通に鶏肉でええやろ。」
ずん
「鶏肉か...。でもボク、生ハムの代わりに生鶏肉は嫌なのだ!」
やきう
「お前、生で鶏肉食う気か。それカンピロバクターで死ぬやつやで。」
でぇじょうぶ博士
「生ハムに関しては特に深刻でやんす。輸入生ハムの約7割がスペイン産でやんすからね。イタリアのプロシュートも輸入停止中でやんすし、選択肢がかなり限られるでやんす。」
ずん
「もう生ハムメロンが食べられない世界になっちゃうのだ...!」
やきう
「お前、普段生ハムメロンなんて食ってへんやろ。見栄張んなや。」
ずん
「...たまには食べたいと思うこともあるのだ(小声)」
でぇじょうぶ博士
「今回の件で学ぶべきは、食料安全保障の重要性でやんす。特定の国への依存度が高いと、こういった事態で大きな影響を受けるでやんすからね。」
やきう
「ほんまそれな。カナダ、アメリカ、スペインの3カ国で輸入豚肉の大半占めとるんやから、リスク分散できてへんねん。」
ずん
「じゃあ、もっといろんな国から輸入すればいいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それが簡単にはいかないでやんす。日本の規格に対応できる技術を持つ国は限られてるでやんすし、検疫体制も厳しいでやんすからね。」
やきう
「ていうか、野生イノシシがウイルス持っとったって話やけど、野生動物の管理なんて無理ゲーやろ。これからもこういう事態は起こり続けるで。」
ずん
「えぇ...じゃあ永遠に生ハム難民なのだ...?」
でぇじょうぶ博士
「永遠ではないでやんすが、イタリアの例を見ると、輸出再開まで数年単位で時間がかかる可能性が高いでやんす。ASFウイルスの残存期間が長いでやんすからね。」
やきう
「数年って...。その間にワイの生ハム愛が冷めてまうわ。まあ、どうせ高くて買えへんけどな。」
ずん
「結局、お金がないのが一番の問題なのだ...?」
でぇじょうぶ博士
「ある意味そうでやんすね。経済的余裕があれば、価格が上がっても対応できるでやんす。でも庶民にとっては死活問題でやんす。」
やきう
「庶民言うなや。ワイかて立派な...まあええわ。で、結局これからどうなるんや?」
でぇじょうぶ博士
「短期的には価格上昇と品薄、中期的には代替品への切り替え、長期的には国内生産の強化や輸入先の多角化が進むと予想されるでやんす。」
ずん
「なんか難しい話になってきたのだ...。要するに、生ハムが高くなって手に入りにくくなるってことなのだ?」
やきう
「今更理解したんかい。最初から言うとるやろ。お前、ホンマに理解力ないな。」
ずん
「うるさいのだ!でも、ボクには関係ないのだ。だってボク、実は生ハム嫌いだったのだ!」