ずん
「エレベーターのかごが無いって、完全にトムとジェリーの世界なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、これは笑い事じゃないでやんす。解体現場での安全管理が杜撰すぎるでやんす。」
やきう
「ワイの人生もかごが無いエレベーターみたいなもんやで。上がる見込みゼロや。」
でぇじょうぶ博士
「解体作業というのは、建設以上に危険な作業でやんす。まるで爆弾の信管を外すような緊張感が必要でやんす。」
やきう
「でも博士、そんな緊張感ある現場で『かご無しエレベーター』放置とか、もはやコントやろ。」
ずん
「確かにドンという音がしたらしいけど、それ気づいた時点で遅いのだ。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。安全確認というのは、火事になってから消火器を探すようなもんじゃダメでやんす。事前のチェックが命でやんすよ。」
やきう
「ワイが思うに、日本の労働現場って『気をつけろ』精神論で乗り切ろうとしすぎやねん。」
でぇじょうぶ博士
「簡単でやんす。センサーとか物理的なバリアとか、人間のミスを前提とした安全設計が必要でやんす。まるでバカでも使える設計にするでやんす。」
やきう
「それ、ずんでも使えるレベルってことか。ハードル低すぎやろ。」
ずん
「ちょっと!ボクだってそれなりに賢いエリートなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、ずんは自分で『かご無しエレベーター』に喜んで飛び込むタイプでやんす。」
ずん
「ひ、ひどいのだ!でも確かに、ボクなら『近道や!』って飛び込んじゃうかもなのだ...。」
でぇじょうぶ博士
「まさにそれが問題の本質でやんす。人間は予想外のことをするから、システム側で防がないとダメでやんすよ。」
やきう
「でも現実問題、コストがかかるから企業は嫌がるやろな。」
ずん
「じゃあ、死んだ人の命はコスト以下ってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「残念ながら、資本主義社会では命にも値札がついてるでやんす。保険金や損害賠償の額が、その人の『市場価値』になるでやんすからね。」
ずん
「むぅ...じゃあボクの命の値段はいくらなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「ずんの場合は...マイナスかもしれないでやんす。葬式代の方が高くつくでやんすからね。」
ずん
「ボ、ボクだって生きてる価値はあるのだ!例えば...例えば...。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、臓器提供すれば多少は社会貢献できるでやんすよ。」
ずん
「話を戻すのだ!要するに、この事故は防げたはずなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「100%防げたでやんす。ロックアウト・タグアウトという基本的な手順さえ守れば、こんな事故は起きないでやんす。」
やきう
「それって要するに『使用禁止』の札つけるだけやろ?なんでそれすらせーへんねん。」
でぇじょうぶ博士
「人間というのは面倒くさがり屋でやんすからね。まるで賞味期限切れの牛乳を『まだ飲める』と言い張るようなもんでやんす。」
ずん
「でも博士、現場の人だって忙しいのだ。いちいち安全確認とかしてられないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「それは完全に間違いでやんす!忙しいから安全を軽視するのは、急いでるから信号無視するのと同じでやんす。」
やきう
「ワイも昔バイトしとった時、『早くやれ』って急かされて怪我したことあるわ。」
ずん
「やきうさん、働いてたことあるのだ?意外なのだ。」
やきう
「過去形で言うな。今もちゃんと...まあ、それはええわ。」
でぇじょうぶ博士
「結局のところ、この事故は『時間』と『コスト』を『命』より優先した結果でやんす。」
ずん
「じゃあ、今後どうすれば同じ事故が防げるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「罰則を厳しくするしかないでやんす。今は死亡事故を起こしても、企業は軽い罰金で済むでやんすからね。」
やきう
「せやな。経営者が実刑くらうレベルにせんと、本気で対策せーへんやろ。」
でぇじょうぶ博士
「厳しい?人が死んでるんでやんすよ?それに比べたら、経営者が数年ムショに入るくらい安いもんでやんす。」
やきう
「博士、めっちゃ過激やん。でもワイは支持するで。」
ずん
「むぅ...確かに人の命には代えられないのだ。でも、企業も大変なのだ。」
でぇじょうぶ博士
「大変?それは言い訳でやんす。安全対策ができないなら、そもそも事業をやる資格がないでやんす。」
やきう
「まあ、ブラック企業なんて潰れてまえばええねん。代わりはいくらでもあるし。」
ずん
「やきうさん、それ自分の就職先も含まれてるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「結局、みんな自分のこととなると甘くなるでやんすね。これぞ人間の本質でやんす。」
でぇじょうぶ博士
「簡単でやんす。危ない現場を見かけたら通報する。それだけで救える命があるでやんす。」
やきう
「でも通報したら『余計なお世話や』って怒られるやろ。」
ずん
「それ!それが問題なのだ!日本人って他人に迷惑かけないことを美徳にしすぎなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。『空気を読む』文化が、時として命を奪うでやんすね。」
やきう
「せや、『空気』より『命』の方が大事に決まっとるやん。なんでそんな当たり前のことが分からんのや。」
ずん
「じゃあ、ボクが危ない現場を見つけたら、すぐ通報するのだ!」
でぇじょうぶ博士
「ずんがそれをできるとは思えないでやんすが...まあ、心意気は買うでやんす。」
ずん
「失礼なのだ!ボクだって人の命は大切にするのだ!...あ、でも通報するのめんどくさいから、誰か代わりにやってほしいのだ。」
やきう
「結局こいつ、何も変わらへんやん。人類の縮図を見た気分やわ。」
ずん
「えー、だってボク忙しいエリート会社員だし、そういうのは暇な人がやればいいのだ!」