ずん
「葬式なんてもう時代遅れなのだ!ボクが死んだらゴミ袋に詰めて出してくれればいいのだ!」
やきう
「お前はゴミ袋が妥当やな。むしろ生きてる今から入っとけ。」
でぇじょうぶ博士
「やんすやんす。直葬でやんすか。おいらの計算では、日本人の葬儀費用の平均は約200万円。それが十数万円になるんでやんすから、まるでフェラーリの値段で軽自動車を買うようなもんでやんす。」
かっぱ
「坊さんも戸惑っとるやないか。80年も生きて初めて身内おる人の直葬見たってどんな衝撃やねん。」
ずん
「だって葬式って、結局残された人の自己満足でしょ?死んだ本人は何も感じないのだ!」
やきう
「ほんまそれな。ワイが死んだら骨も要らんわ。海にでも撒いとけばええねん。」
でぇじょうぶ博士
「しかし、2割の人が直葬を希望してるというのは興味深いでやんす。これは単なる経済的理由だけではなく、『他人に迷惑をかけたくない』という日本人特有の美徳が暴走した結果とも言えるでやんすね。」
かっぱ
「美徳が暴走って何やねん。でも確かに『迷惑かけたくない』って記事にもあったな。死んでまで気ぃ使わなあかんのか。」
ずん
「そうなのだ!生きてる時も気を使って、死ぬ時も気を使って、日本人って本当に大変なのだ!」
やきう
「お前は生きてる時も死んだ後も誰にも気ぃ使われへんけどな。」
でぇじょうぶ博士
「ただし、この直葬ブームには裏があるでやんす。晩婚化と非婚化で独居老人が増えてるでやんすからね。つまり、『呼ぶ人がいない』という悲しい現実も隠れてるでやんす。まるで誕生日パーティーに誰も来ないような...」
ずん
「でも考えてみれば、葬式って結局誰のためなのだ?坊さんのため?親戚のため?ボクのためじゃないよね?」
やきう
「葬式なんて結局、生きとる奴らが『ちゃんと見送ったで』って自分を納得させるためのイベントや。死んだ奴は知ったこっちゃないわ。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。葬儀学では、葬式は『生者のための儀式』と定義されてるでやんす。つまり、直葬の増加は『もう自分を納得させる必要がない』と考える人が増えてる証拠でやんすね。」
かっぱ
「坊さんは5分読経して帰ったって書いてあったけど、それでも仕事なんやな。まあ、5分で謝礼もらえるなら効率ええわ。」
ずん
「時給換算したらすごそうなのだ!ボクも坊さんになろうかな!」
やきう
「お前が坊さんとか草。読経する前に成仏させられるやろ。」
でぇじょうぶ博士
「しかし、記事にある80代の僧侶の『きちんとした家でも直葬をする世の中になってしまった』という言葉には、深い意味があるでやんす。これは単に『貧乏人だけがするもの』から『誰もが選ぶもの』へと変わったということでやんすね。」
かっぱ
「つまり直葬が市民権得たってことか。民主化やな。葬式の。」
ずん
「でもさ、家族が『満足できればいい』って言ってるけど、本当に満足できるのかな?後から後悔したりしないのだ?」
やきう
「後悔しても死んだ奴は生き返らへんし、もう一回葬式やり直すわけにもいかんやろ。結局、その時の判断が全てや。」
でぇじょうぶ博士
「実は心理学的には、簡素な儀式でも悲しみを処理する効果はあるでやんす。重要なのは『金額』や『規模』ではなく、『ちゃんと別れを告げた』という実感でやんすからね。」
かっぱ
「なるほどな。ほな直葬でもええってことか。いや、でも5分で別れ告げられるもんかいな。」
ずん
「ボクなんて5秒でいいのだ!『じゃあね〜』で終わりなのだ!」
やきう
「お前の場合は『やっとか...』で終わりやろな。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに、直葬が『福祉葬』から一般化したというのも面白い現象でやんす。かつては『恥ずかしいこと』とされていたものが、今では『合理的な選択』として受け入れられてるでやんすからね。まるで...」
ずん
「でも結局、葬式業界は困るんじゃないのだ?200万円が十数万円になったら、商売あがったりなのだ!」
やきう
「そら困るやろな。でもそれが時代の流れや。恐竜も絶滅したんやし、葬儀屋も淘汰されるんちゃうか。」
でぇじょうぶ博士
「実は葬儀業界は既に対応してるでやんす。直葬プランを用意して、薄利多売に切り替えてるでやんすよ。資本主義の柔軟性を見せつけてるでやんすね。」
かっぱ
「商魂逞しいな。でも独居老人が増えとるなら、直葬の需要も増えるわな。寂しい話やけど。」
ずん
「独りで死ぬって、やっぱり寂しいよね...。ボクは...」
やきう
「お前は既に心が独りで死んどるから大丈夫や。」
でぇじょうぶ博士
「しかし、この『迷惑をかけたくない』という思想は、日本社会の歪みでもあるでやんす。生きることも死ぬことも、本来は他者と関わることでやんすからね。それを『迷惑』と捉える社会は、どこか病んでるでやんす。」
かっぱ
「深いこと言うやん。確かに、生まれる時は盛大に祝って、死ぬ時は『迷惑かけんといて』ってなんか矛盾しとるわ。」
ずん
「じゃあボクが死んだら、みんな盛大に祝ってくれるのだ?」
やきう
「それは祝うわ。お前がおらんくなることをな。」
ずん
「ひどいのだ!でもまあ、直葬が増えるってことは、みんなもっと自由に死に方を選べるようになったってことだよね?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。かつては『こうあるべき』という葬送の型があったでやんすが、今は『自分らしく』が許される時代でやんす。これは良い変化でやんすね。」
かっぱ
「自分らしくか...。ワイは死んだら川に流してほしいわ。河童やから。」
やきう
「...で、結局どうなんや。直葬ってええんか悪いんか。」
でぇじょうぶ博士
「善悪では語れないでやんす。時代と共に葬送の形が変わるのは自然なことでやんす。大事なのは、故人も遺族も納得できる形を選ぶことでやんすね。」
かっぱ
「まあそれが一番やな。他人がとやかく言うことちゃうわ。」
ずん
「じゃあボクは、死んだら宇宙に飛ばしてもらうのだ!宇宙葬なのだ!」