**ずん
** 「迷惑をかけたくない」が病気扱いされてて草なのだ。でもボク、人に迷惑かけまくってるから健康体ってことっすよね?
**やきう
** お前はただの社会不適合者や。病気ですらないわ。
**でぇじょうぶ博士
** むむむ、ずん君の自己正当化能力は相変わらず高いでやんすね。でも今回の話は深いでやんす。パーキンソン病のお母様を介護する中で、文学研究者の小川さんが「ケア」の価値を再発見したという内容でやんす。
**やきう
** ケアとか綺麗事言うてるけど、結局は金と時間の問題やろ。ワイみたいに一人で生きてる方が効率ええわ。
**かっぱ
** お前、一人で生きてるんちゃうで。親に寄生しとるだけやん。部屋から出てこんくせに偉そうなこと言うな。
**ずん
** でもさ、カフカの『変身』を読み聞かせて介護するって、めっちゃハイソな介護なのだ。ボクのばあちゃん、『8時だョ!全員集合』の再放送で十分だったのだ。
**でぇじょうぶ博士
** それは文化資本の違いでやんすね。でも本質は同じでやんす。相手が落ち着く何かを共有することがケアの核心でやんす。小川さんは文学を使い、ずん君のご家族はドリフを使った。手段は違えど、共に時間を過ごすことに価値があるでやんす。
**やきう
** 綺麗事抜かすな。介護なんて地獄やろが。美化すんなや。
**かっぱ
** お前、経験したこともないのに何言うとんねん。小川さんは「辛いけど楽しい」って言うとるやん。それは実際に向き合った人間の言葉や。重みが違うわ。
**ずん
** でも「迷惑をかけたくない」って思うのは普通じゃないっすか?ボクだって親に「お前は迷惑や」って言われたら傷つくのだ。
**でぇじょうぶ博士
** そこでやんすよ!小川さんが指摘してるのは、この「迷惑をかけたくない」という思想が、実は近代が生み出した病理だということでやんす。昔は相互依存が当たり前だったでやんす。アダム・スミスだって母親に一生面倒見てもらってたでやんすからね。
**やきう
** は?じゃあワイらも一生親に甘えてええってことか?最高やんけ!
**かっぱ
** 話を曲解すな。相互依存と一方的な寄生は別もんや。小川さんが言うてるのは、「できる範囲で手を差し伸べ合う」ことやろ。
**ずん
** なるほどなのだ。でもボク、介護とか絶対無理っす。血とか汚物とか見たら気絶するのだ。
**でぇじょうぶ博士
** それも小川さんが言う「慣れ」の問題でやんす。いきなり完璧な介護なんて誰もできないでやんす。小さな手伝いから始めればいいでやんす。まあずん君の場合、自分の部屋の掃除から始めるべきでやんすけどね。
**やきう
** でも実際、安楽死認めた方が効率ええやろ。税金も浮くし。
**かっぱ
** お前な、効率だけで人間の価値測るな。そんなこと言うてたら、お前みたいな社会の役に立たん奴が真っ先に消されるで。
**ずん
** うわっ、それは怖いのだ。でも確かに「自己責任論」って最近多いっすよね。失敗したら全部自分のせいみたいな。
**でぇじょうぶ博士
** そうでやんす。新自由主義の影響でやんすね。でも実際は、誰もが誰かのケアで生きてきたでやんす。赤ちゃんの時はみんな100%ケアされて育ったでやんすからね。それを忘れて「自分の力だけで生きてる」なんて傲慢でやんす。
**やきう
** じゃあワイが働かんでも許されるってことやな。社会がワイをケアすべきやわ。
**かっぱ
** お前、話の本質を一ミリも理解してへんな。相互扶助と怠惰は違うっちゅうねん。
**ずん
** でも母親が「自分の存在価値を見失う」って部分、ちょっとわかる気がするのだ。ボクも会社で何の役にも立ってないし。
**でぇじょうぶ博士
** ほう、珍しく自己認識が正確でやんすね。でも小川さんのお母様は、一生他人の世話をしてきた「昭和の女性」でやんす。それが自由に動けなくなって、今度は世話される側になる。アイデンティティの喪失でやんすよ。
**やきう
** 昭和の女性って、要するに搾取されてたってことやろ?今の時代、そんなん美化したらあかんで。
**かっぱ
** お前、また極論や。小川さんは美化してへんで。母親の苦しみも含めて書いとるやん。その上で、ケアの価値を再発見したって話やろ。
**ずん
** でも「家族と相談しながら介護を運営していくのが楽しい」って、本当なのかなって思うのだ。ボクの家族、10分一緒にいたら喧嘩するのだ。
**でぇじょうぶ博士
** それは小川さんも10代の頃は家出してたと書いてあるでやんす。完璧な家族なんていないでやんす。でも、共通の目的があると協力できるようになるでやんす。介護がその触媒になったんでやんすね。
**やきう
** 触媒って化学かよ。人間関係を科学で語るな。
**かっぱ
** いや、それ比喩やろ。お前、本当に読解力ないな。
**ずん
** でも文学作品を読み聞かせるって、具体的にどう効くんすか?薬じゃないのに。
**でぇじょうぶ博士
** いい質問でやんす!小川さんが言うには、カフカの『変身』は身体の自由を失う苦しみを「同じ強度」で表現してるでやんす。つまり、言語化できない辛さを代弁してくれるんでやんす。「わかってもらえた」という感覚が、心を落ち着かせるでやんす。
**やきう
** でもカフカって虫に変身する話やろ?それ読んだらむしろ落ち込むんちゃうか。
**かっぱ
** お前、文学の機能を何も理解してへんな。自分だけが苦しんでるんやないって知ることが救いになるんや。孤独が一番辛いんやで。
**ずん
** なるほど、共感が大事ってことなのだ。でもボク、カフカ読んだことないのだ。難しそうで。
**でぇじょうぶ博士
** それは食わず嫌いでやんすね。『変身』は短編でやんすから、ずん君でも読めるでやんす。まあ、読んだところで理解できるかは別問題でやんすけど。
**やきう
** ワイも読んだことないわ。つーか、文学なんて役に立たんやろ。金にならんし。
**かっぱ
** お前、金にならんことは全部無価値って思考停止しとるな。小川さんはまさにそういう近代の価値観を批判しとるんやで。
**ずん
** 近代が無視してきたケアの価値を文学が表現してるって、深いっすね。でもボク、近代っていつのことかよくわかんないのだ。
**でぇじょうぶ博士
** ざっくり言えば18世紀以降でやんす。産業革命で資本主義が発展し、「生産性」や「効率」が最重要視されるようになったでやんす。その過程で、ケアのような目に見えない労働が軽視されたでやんす。
**やきう
** でも実際、生産性大事やろが。ケアばっかしてたら経済回らんわ。
**かっぱ
** お前、経済回す側にもおらんくせに何言うてんねん。ケアがなかったら、労働者も育たんし、病人も働けんようになるやろ。経済の土台やで。
**ずん
** あー、でもボクの会社、「生産性向上」って言葉めっちゃ使うのだ。会議で100回は聞いたのだ。
**でぇじょうぶ博士
** それが新自由主義の呪いでやんすね。でも最近、コロナ禍で「エッセンシャルワーカー」の重要性が認識されたでやんすよ。看護師や介護士、清掃員など、ケア労働の価値が見直されつつあるでやんす。
**やきう
** 見直されてるって言うても、給料安いままやんけ。口だけやわ。
**かっぱ
** それは事実やな。構造的な問題や。でも小川さんのような知識人が発信することで、少しずつ変わっていくんちゃうか。
**ずん
** でも「慣れが必要」って言われても、どうやって慣れればいいのかわかんないのだ。練習する機会ないし。
**でぇじょうぶ博士
** 小川さんが提案してるのは、「家族や同僚のちょっとした仕事を手伝う」ことから始めることでやんす。いきなり本格的な介護じゃなくていいでやんす。日常の小さなケアから慣れていくでやんす。
**やきう
** でも手伝ったら「お前、暇なんか」って言われるやろ。余計なことすんなって。
**かっぱ
** お前の職場、どんだけギスギスしとんねん。普通の会社は助け合うもんやで。
**ずん
** でも確かに、手伝うタイミングって難しいのだ。「大丈夫?」って聞いて「大丈夫」って言われたら終わりなのだ。
**でぇじょうぶ博士
** それも日本特有の「迷惑をかけたくない」病でやんすね。本当は助けてほしくても、「大丈夫」と言ってしまうでやんす。だから、聞くだけじゃなくて、具体的に「これやるよ」と提案する方がいいでやんす。
**やきう
** めんどくさ。そんなコミュニケーションコスト高すぎやろ。
**かっぱ
** お前、コミュニケーションコストって言葉使えば賢そうに聞こえると思っとるやろ。人間関係はコスパで測るもんやないわ。
**ずん
** でもボク、母親に「お前は何の役にも立たない」ってよく言われるのだ。介護なんて任せてもらえないのだ。
**でぇじょうぶ博士
** それは信頼を築くところから始めるべきでやんすね。まず自分の生活をちゃんとすることが第一歩でやんす。他人の世話をする前に、自分の世話ができないとダメでやんす。
**やきう
** ブーメランやん。博士こそモテないって自分で言うてたやんけ。
**かっぱ
** モテることとケアの能力は別や。論点ずらすなや。
**ずん
** でも小川さんの母親、「虫けら」みたいな扱いを受けるって、めっちゃ辛そうなのだ。ボクも将来そうなったらどうしようって不安なのだ。
**でぇじょうぶ博士
** その不安は誰もが持ってるでやんす。だからこそ、今からケアの文化を醸成していく必要があるでやんす。将来自分が受けたいケアを、今誰かに提供することが大事でやんす。
**かっぱ
** 宗教やなくて、社会の相互扶助の仕組みや。お前、本当に何も理解してへんな。
**ずん
** でも姉と甥と相談しながら介護を運営するって、家族会議みたいで大変そうなのだ。ボクの家族、話し合いできないのだ。
**でぇじょうぶ博士
** それも練習でやんす。小さな決定から始めればいいでやんす。「今日の夕飯何にする?」レベルから、徐々に重要な話題に移行していくでやんす。いきなり重い話をするから失敗するでやんす。
**やきう
** そんな段階踏んでる暇あるか。親が倒れたら急に決断迫られるやろ。
**かっぱ
** だから普段から練習しとけって話やろが。お前、話聞いてへんのか。
**ずん
** でも「相手の意外な発見に繋がる」って、どういうことなのだ?手伝ったら相手の秘密がバレるってこと?
**でぇじょうぶ博士
** そういう下世話な話じゃないでやんす。例えば、母親の買い物を手伝ったら、意外な趣味や好みがわかるとか、そういうことでやんす。日常の小さなケアを通じて、相手の新しい一面を知ることができるでやんす。
**やきう
** でも知ったところで何になるんや。別に深く知りたくないわ。
**かっぱ
** お前、人間に興味なさすぎやろ。そら友達おらんわけやわ。
**ずん
** でもボク、親のこと意外と知らないかもしれないのだ。好きな食べ物とか、趣味とか。
**でぇじょうぶ博士
** それが普通でやんす。家族でも、意外と知らないことは多いでやんす。だからこそ、ケアを通じて知っていくプロセスに価値があるでやんす。小川さんも母親との対話で、多くの発見があったでやんすからね。
**やきう
** でも結局、介護って金持ちしかできひんやろ。施設に入れる金もないし、仕事辞めたら生活できんし。
**かっぱ
** それは制度の問題や。小川さんが個人の努力だけで解決できるとは言うてへんやろ。社会全体でケアの価値を認めて、制度を整えなあかんって話や。
**ずん
** でも政治家、全然そんなこと考えてなさそうなのだ。選挙のたびに「福祉充実」って言うけど、何も変わらないのだ。
**でぇじょうぶ博士
** それは民主主義の限界でやんすね。でも、小川さんのような発信が世論を動かし、政策に影響を与える可能性はあるでやんす。諦めたらそこで試合終了でやんす。
**かっぱ
** お前、ツッコミのレベル低すぎやろ。もうちょっと気の利いたこと言えんのか。
**ずん
** でも「ゆっくり歩く」っていうタイトル、いいっすよね。急がなくていいって感じがするのだ。
**でぇじょうぶ博士
** そうでやんすね。現代社会は効率や速度ばかり求めるでやんすが、ケアには「ゆっくり」が必要でやんす。相手のペースに合わせることが大事でやんす。
**やきう
** でも会社は「速く!効率よく!」ってうるさいやんけ。矛盾しとるわ。
**かっぱ
** だからこそ、仕事とケアは別の価値観で動いとるって認識が必要なんや。全部を効率で測ったらあかんのや。
**ずん
** でもボク、ゆっくり歩いてたら「邪魔だ」って怒られるのだ。駅とか。
**でぇじょうぶ博士
** それが「迷惑をかけたくない」病が生み出した社会でやんすね。みんながゆっくり歩く権利を認め合えば、そんな社会にはならないでやんす。でもずん君の場合、単にダラダラしてるだけでやんすけどね。
**やきう
** 博士、たまにいいツッコミするやん。
**かっぱ
** お前、人を褒めるとき上から目線やな。
**ずん
** でも結局、この本読んだら介護が楽しくなるのかなって思うのだ。
**でぇじょうぶ博士
** 楽しくなるかどうかは人次第でやんすが、少なくとも視点は変わるでやんす。介護を「負担」としか見れなかった人が、「気づきの機会」として捉え直せるかもしれないでやんす。
**やきう
** でも実際、負担は負担やろ。綺麗事で誤魔化すな。
**かっぱ
** 誰も誤魔化してへんわ。辛さも含めて書いとるって何回も言うとるやろ。お前、本当に話聞いてへんな。
**ずん
** じゃあボクも将来、誰かに介護してもらえるように、今から徳を積んでおくべきなのだ?
**でぇじょうぶ博士
** 徳を積むというより、相互扶助の関係を築いておくことでやんすね。でもずん君の場合、まず借金を返すところから始めるべきでやんす。
**ずん
** えっと...その話は今度にするのだ!とにかく、この本は「迷惑かけてもええんやで」っていうメッセージってことなのだ!ボク、明日から堂々と迷惑かけまくるのだ!