ずん
「給与5年分って...ボク5年分も一気に貰えるなら転籍するのだ!これは大勝利なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「やれやれ...ずん君、それは誤解でやんす。これは毒入りの飴玉みたいなもんでやんすよ。」
やきう
「ワイもそう思うわ。要は『黙って九州行け、金で黙らせたる』ってことやろ?完全に追い出し部屋の亜種やんけ。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。日産本体と子会社では給与体系が違うでやんすからね。つまり転籍後は給料が下がるってことでやんす。」
ずん
「え...じゃあ補償金貰っても結局損するのだ?」
やきう
「当たり前やろ。5年分補償しても、その後30年働いたら結局マイナスや。小学生でもわかる算数やで。」
でぇじょうぶ博士
「しかも横須賀から福岡でやんすからね。家族持ちは単身赴任か、家族全員で引っ越しでやんす。引っ越し費用だけで補償金が消えるでやんす。」
やきう
「甘いわ。追浜工場は2028年に生産終了や。転籍せんかったら配置転換で、どこに飛ばされるかわからんで。」
でぇじょうぶ博士
「まさに『地獄か煉獄か選べ』という究極の選択でやんすね。日産としては生産技術を持つ従業員を手放したくないでやんすからね。」
ずん
「これって完全にブラック企業の手口じゃないのだ!?」
やきう
「ブラックも何も、日産は今瀕死の状態やからな。本社ビル売却とか、もうやることなすこと火事場の何とかや。」
でぇじょうぶ博士
「実際、グローバル市場での競争力低下が深刻でやんす。EV転換の遅れ、中国市場での苦戦...まるで沈みゆくタイタニック号でやんすね。」
ずん
「じゃあ従業員はどうすればいいのだ?転籍?それとも退職?」
でぇじょうぶ博士
「難しい選択でやんすね。転籍すれば当面の生活は保証されるでやんすが、長期的には損失でやんす。退職すれば自由でやんすが、次の仕事を見つけるのは困難でやんす。」
やきう
「要は『詰んでる』ってことやな。どっち選んでも地獄や。日産も従業員も全員負け組や。」
ずん
「むむむ...でもさ、5年分の補償って結構良心的じゃないのだ?他の会社なんて1円も出さないところもあるのだ。」
でぇじょうぶ博士
「それは違うでやんす、ずん君。これは良心じゃなくて必要経費でやんす。熟練工を失えば九州工場の生産性が落ちるでやんすからね。投資対効果を計算した結果でやんす。」
やきう
「せやな。人間を部品扱いしとるだけや。『この部品は高いけど必要やから買うわ』ってことやろ。」
ずん
「じゃあボクが日産の社長だったら、もっといい解決策を考えるのだ!」
やきう
「お前が社長やったら3日で倒産するわ。間違いないで。」
でぇじょうぶ博士
「そもそも、この問題の根本原因は日本の製造業全体の構造的問題でやんす。過剰な生産能力、硬直的な雇用慣行、グローバル競争への対応の遅れ...」
ずん
「難しい話はいいのだ!結局、ボクたち庶民はどうすればいいのだ?」
やきう
「簡単や。日産車を買わんことや。こんな会社に金落とす必要ないで。」
でぇじょうぶ博士
「それも短絡的でやんすね。日産が潰れれば、関連企業や下請けも連鎖倒産でやんす。日本経済全体への打撃は計り知れないでやんす。」
ずん
「じゃあどうすればいいのだ!?答えを言うのだ、博士!」
でぇじょうぶ博士
「残念ながら、特効薬はないでやんす。強いて言えば、従業員個人レベルでは転職スキルを磨く、企業レベルでは抜本的な構造改革、国レベルでは産業政策の見直し...でもどれも時間がかかるでやんす。」
やきう
「要は『諦めろ』ってことやな。日本の製造業はもう終わっとるんや。」
ずん
「そんな悲しいこと言わないでほしいのだ...」
でぇじょうぶ博士
「でもまぁ、一つだけ救いがあるでやんす。人間は適応力が高い生き物でやんすからね。新しい環境でも何とかやっていけるでやんす。」
やきう
「それって結局『我慢しろ』って言うてるだけやろ。何の解決にもなってへんで。」
ずん
「むぅ...じゃあボクは何もせずに見守るだけなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「いや、できることはあるでやんす。例えば労働組合に入って権利を主張するとか、政治家に働きかけて労働者保護の法整備を求めるとか...」
やきう
「無理無理。日本の労組なんて会社の犬やし、政治家も経団連の言いなりや。庶民の味方なんておらへんで。」
ずん
「もう絶望しかないのだ...ボク、この国で生きていく自信なくなってきたのだ...」
でぇじょうぶ博士
「大げさでやんす、ずん君。まだ日本は先進国でやんすよ。途上国に比べれば天国でやんす。」
やきう
「その『途上国よりマシ』理論、もう通用せんで。日本の一人当たりGDPはもう韓国に抜かれそうやし、賃金は30年間横ばいや。完全に衰退国やで。」
でぇじょうぶ博士
「それも選択肢の一つでやんすが、ずん君に海外で通用するスキルがあるとは思えないでやんす。」
やきう
「もうええわ。考えるのめんどくさいし、酒でも飲んで寝るわ。明日は明日の風が吹くやろ。」
ずん
「...って、それボクのセリフなのだ!やきうまでボクみたいになっちゃったのだ!日産問題、日本人全員を堕落させる恐ろしい問題だったのだ!」