ずん
「埼玉県がマイクロアグレッションのポスター作ったらしいのだ!でもボク、マイクロアグレッションって何か全然わからないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「マイクロアグレッションでやんすか。簡単に言えば、無意識のうちに相手を傷つける発言のことでやんす。例えば『ハーフなんだ、羨ましい』とか『外国人なのに日本語上手だね』みたいな、一見褒めてるように見えて実は偏見が含まれてる発言でやんすね。」
やきう
「ワイ、それ普通に褒め言葉として使ってたわ。外国人が日本語喋れたらすごいやん。何があかんねん。」
ずん
「確かにボクも『痩せたらモテるのに』とか言われたことあるけど、別に傷ついてないのだ。むしろダイエットのモチベになったのだ。」
でぇじょうぶ博士
「それは受け手の感じ方次第でやんすね。同じ言葉でも、ある人は励まされたと感じるし、ある人は深く傷つくでやんす。問題は、言う側が相手の背景や文脈を考えずに無意識に言ってしまうことでやんす。」
やきう
「ほな、何も喋られへんやんけ。地雷原歩いてるみたいやわ。」
ずん
「じゃあボクは黙ってることにするのだ。それが一番安全なのだ。」
でぇじょうぶ博士
「それも極端でやんす。大事なのは、相手を一つの属性で決めつけないことでやんす。『ハーフ』『外国人』『女性』という枠で見るんじゃなくて、一人の個人として見ることでやんすね。」
やきう
「でも博士、お前いつも『おいらモテない』って自分のこと決めつけてるやんけ。それもマイクロアグレッションちゃうん?自分へのな。」
でぇじょうぶ博士
「ぐぬぬ...それはおいらの自虐ネタでやんす...。」
ずん
「でもさ、このポスターに『新人なのにやるじゃん』ってあるけど、ボクは言われたら嬉しいのだ。これも差別になるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そこが難しいところでやんす。文脈や言い方次第でやんすね。ただ、『新人なのに』という前置きには『新人は本来できないはず』という偏見が隠れてるでやんす。それを意識するかどうかが重要でやんす。」
やきう
「つまり、何言ってもアウトってことやな。生きづらい世の中やで、ほんま。」
ずん
「やきうの言う通りなのだ!もう誰とも話さない方が安全なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「違うでやんす。コミュニケーションを放棄するんじゃなくて、相手の立場に立って考える習慣をつけることが大事でやんす。おいらみたいに膨大な知識があれば、言葉選びも完璧になるでやんす。」
やきう
「お前、その膨大な知識でモテるようになったんか?なってへんやろ。知識あっても使えんかったら意味ないわ。」
でぇじょうぶ博士
「ぐぬぬぬ...おいらの専門外でやんす...。」
ずん
「でもさ、このポスター見て思ったのだけど、これ全部女性モデルなのだ。男性の差別問題はどこいったのだ?これ自体が差別なんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす、ずん。確かに、女性ばかりを被害者として描くのは、別の偏見を生む可能性があるでやんす。男性も差別の被害者になり得るし、女性も加害者になり得るでやんすからね。」
やきう
「ワイが『男なのに泣くんか』って言われたことあるで。あれも立派なマイクロアグレッションやろ。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、感情表現に性別は関係ないでやんすからね。『男らしさ』『女らしさ』という枠組み自体が、マイクロアグレッションの温床になってるでやんす。」
ずん
「じゃあ博士、ボクが『理系なのに運動できるんだね』って言われたら?」
でぇじょうぶ博士
「それも立派なマイクロアグレッションでやんす。『理系は運動できない』という偏見が前提になってるでやんすからね。おいらは元野球部で俊足でやんすが、よく驚かれるでやんす。」
ずん
「結局さ、このポスターって意味あるのだ?見た人が『あ、これ言っちゃダメなんだ』って思うだけで終わりそうなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「それは半分正解で半分不正解でやんす。確かに、表面的な言葉狩りに終わる危険性はあるでやんす。でも、このポスターの真の価値は、『なぜその発言が問題なのか』を考えるきっかけを与えることでやんす。」
やきう
「つまり、答えは用意されてへんってことか。自分で考えろと。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。マイクロアグレッションに完璧な答えはないでやんす。相手との関係性、文脈、タイミング、すべてが関係してくるでやんすからね。大事なのは、常に相手の気持ちを想像する姿勢でやんす。」
ずん
「なんか面倒くさいのだ...。もうボク、AIと話すことにするのだ。AIなら傷つかないし、差別もされないのだ。」
やきう
「それな。人間とコミュニケーション取るより、AIの方が楽やわ。」
でぇじょうぶ博士
「それこそ、マイクロアグレッションが生み出した悲しい結末でやんす...。人間同士が対話を諦めて、機械に逃げてしまうでやんす。」
ずん
「でも実際、AIなら『ハーフなんだ、羨ましい』とか言わないし、『痩せたらモテる』とも言わないのだ。完璧なコミュニケーションパートナーなのだ。」
やきう
「ワイもそう思うわ。人間相手にビクビクしながら喋るより、AIと気楽に話す方がええわ。」
でぇじょうぶ博士
「でもそれじゃあ、本当の意味での相互理解は生まれないでやんす。マイクロアグレッションを恐れて沈黙するのではなく、間違いを恐れずに対話し、お互いに学び合うことが大事でやんす。おいらだって、日々勉強してるでやんす。」
ずん
「博士がそう言うなら、ボクも頑張って人間と話すのだ...。」
やきう
「ちょっと待てや。博士、お前『元野球部で俊足』って自慢しとったけど、補欠やったんやろ?それマイクロアグレッションちゃうん?補欠を見下してる発言やで。」
でぇじょうぶ博士
「ぐぬぬぬ...。お、おいらは自分自身を見下してるだけでやんす...。他の補欠の人を貶めるつもりはないでやんす...。」
ずん
「博士、自分へのマイクロアグレッションやめた方がいいのだ。そういうのが無意識に他人にも向いちゃうのだ。」
でぇじょうぶ博士
「ずん...成長したでやんすね...。おいら、感動してるでやんす...。」
やきう
「お、おい。泣くなや、博士。見てて気持ち悪いわ。」
ずん
「あ、それもマイクロアグレッションなのだ、やきう!」
やきう
「ぐっ...。すまんな、博士。ワイも勉強不足や。」
でぇじょうぶ博士
「いいでやんす、やきう。おいらたちは完璧じゃないでやんす。でも、お互いに指摘し合って、学び合えるでやんす。それこそが、マイクロアグレッションを乗り越える唯一の方法でやんす。」
ずん
「よし、じゃあボクも頑張って、これからは人の気持ちを考えて話すのだ!まずは博士に『モテないのに前向きですごいね』って言ってみるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それ、全然学習してないでやんす...。」
やきう
「ずん、お前ほんまアホやな。でもそういうとこ嫌いやないで。」
ずん
「えへへ、褒められたのだ!やきうって優しいのだ!...あれ、でもこれもマイクロアグレッションだったりするのだ?」