ずん
「ねぇ博士、ボイジャー1号がついに地球から1光日離れるらしいのだ!これ、すごくね?」
でぇじょうぶ博士
「すごいでやんすねぇ。1977年に打ち上げてから約50年かけて、ようやく光の速さで丸1日分の距離に到達するでやんす。」
やきう
「50年て...ワイのオカンが生まれてから今までずっと飛び続けとるんか。遅すぎやろ。」
でぇじょうぶ博士
「まぁ、人工物の移動速度は光速に比べると亀とウサギでやんすからねぇ。アポロ10号の最高速度でも1AU進むのに155日かかるでやんす。」
ずん
「じゃあボクが今ボイジャーに向かって手を振っても、向こうに届くのは明日ってことなのだ?」
やきう
「お前の存在自体が宇宙のノイズやから、届かん方がマシやで。」
でぇじょうぶ博士
「実は2026年11月13日に259億km地点を通過した後、二度と24光時以内には戻らないでやんす。つまり永遠の別れでやんすよ。」
ずん
「えぇ...じゃあボイジャーって、もう帰ってこないのだ?寂しいのだ...」
やきう
「当たり前やろ。最初から片道切符やんけ。お前も見習って地球から出ていけや。」
でぇじょうぶ博士
「しかもこれから数万年かけてオールトの雲を通過して、4万4000年後にはグリーゼ445という恒星に接近するでやんす。」
やきう
「ただの骨やな。いや、お前の場合は最初から中身スッカスカやから変わらんか。」
でぇじょうぶ博士
「ボイジャー1号にはゴールデンレコードが搭載されてるでやんす。地球の音楽や言語、画像が記録された、いわば人類の名刺でやんすね。」
ずん
「へぇー、宇宙人が聴いたら『地球人ってセンスいいな』って思うのだ?」
やきう
「むしろ『こんなクソダサい文明、侵略する価値ないわ』って思われて助かるパターンやろ。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに2030年代初頭には電力が尽きるでやんす。その後は誰の指示も受けずに、ただ漂い続けるだけでやんすね。」
ずん
「なんか...切ないのだ。誰にも見られず、誰とも話せず、ただ宇宙を漂い続けるなんて...」
でぇじょうぶ博士
「まぁ、おいらも似たような人生を送ってるでやんすけどね。誰にも見向きもされず、ただ研究室で漂ってるでやんす。」
やきう
「お前ら二人とも暗すぎやろ。ボイジャーはまだ使命果たしとるからマシやぞ。」
でぇじょうぶ博士
「そういえば、ボイジャー1号は何度も故障してたでやんす。40年使ってなかったサブ通信システムを復活させたり、5ヶ月も解読不能なデータを送り続けてたりしたでやんす。」
ずん
「えぇ...壊れかけなのに、まだ頑張ってるのだ!偉いのだ!」
やきう
「壊れかけのRadioやんけ。いや、こっちは完全に壊れとるか。」
でぇじょうぶ博士
「でもNASAの技術者たちが240億km離れた探査機を遠隔修理してるのは本当にすごいでやんすよ。信号が届くまで23時間半かかるでやんすからね。」
ずん
「リモート修理!?ボクのパソコンだってリモートで直らないのに!」
やきう
「そらお前のパソコンは物理的にぶっ壊れとるからやろ。エロサイト巡回しすぎてウイルスまみれやし。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに、ボイジャー1号が送信する1ビット当たりの光子は数個程度でやんす。それを地球の巨大アンテナでキャッチしてるでやんすよ。」
ずん
「光子数個...?それってめちゃくちゃ少なくね?よく受信できるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「実はボイジャー1号の電力源はプルトニウムの崩壊熱でやんす。今も少しずつ減衰してて、だから2030年代初頭には機能停止するでやんすね。」
ずん
「プルトニウム!?核兵器に使うやつじゃないのだ!?」
やきう
「お前、もしかしてボイジャーが核ミサイルやと思っとったんか?」
でぇじょうぶ博士
「放射性同位体熱電気転換器(RTG)という平和利用でやんす。太陽から遠く離れた場所では太陽電池が使えないでやんすからね。」
ずん
「へぇー、宇宙って電池切れの心配もしなきゃいけないのだ...」
やきう
「お前は頭の電池が最初から入ってないけどな。」
でぇじょうぶ博士
「ところで、記事にはGIGAZINEのサーバー代支援のお願いも載ってたでやんすね。価格高騰で運営が厳しいとか。」
ずん
「あー、最近どのサイトも大変そうなのだ。でもボクにはお金がないのだ!」
やきう
「お前、支援どころか記事タダ読みしとるだけやんけ。広告ブロッカーまで入れとるやろ。」
でぇじょうぶ博士
「まぁ、1円からでも支援できるみたいでやんすよ。ボイジャー1号だって小さな推力の積み重ねで1光日まで到達したでやんすからね。」
ずん
「そっか...ボイジャーも最初は地球のすぐ近くにいたのだ。コツコツ積み重ねって大事なのだ!」
やきう
「急に良い話風にまとめようとすんな。お前、結局1円も出さんやろ。」
でぇじょうぶ博士
「まぁ、ボイジャー1号は人類の希望と夢を乗せて飛び続けてるでやんす。おいらたちも見習いたいもんでやんすねぇ。」
ずん
「そうなのだ!ボクもボイジャーみたいに、誰にも邪魔されず自由に宇宙を漂いたいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「でも、ボイジャーはちゃんと仕事してるでやんすよ...」
やきう
「結局お前、何もしとらんやんけ。ボイジャー以下やぞ。」
ずん
「くっ...じゃあボクも何か成し遂げてやるのだ!まずは...GIGAZINEに1円寄付するのだ!」
やきう
「たった1円て。ボイジャーの製作費は2億5000万ドルやぞ。」
ずん
「えぇ...じゃあボクは0.000000004ボイジャー分の貢献をしたことになるのだ!すごいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「その計算、絶対間違ってるでやんす...」
ずん
「とにかく!ボクもボイジャーに負けないくらい、長く宇宙を...いや、地球上を漂い続けるのだ!誰にも捕まらず、自由に!」
ずん
「違うのだ!ボクは探査機なのだ!人類の希望を背負った、偉大なる探査機ずん1号なのだ!」