ずん
「えっと...ボク、70ページの超大作描いたら編集者にウケるんじゃないかと思ってたのだ。」
でぇじょうぶ博士
「それは大きな勘違いでやんすね。ページ数が多いほど面白いなんてのは、太った人ほど健康だと言ってるようなもんでやんす。」
やきう
「ワイも昔、日記に『今日も何もなかった』って3ページ書いたことあるわ。誰も読まんかったけどな。」
ずん
「じゃあボクの感動的な過去編エピソードも無駄ってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まさにそうでやんす。それは『助走ネーム』というやつで、作者が走り出すために必要でも、読者には見せなくていいものでやんす。」
やきう
「つまり、お前の黒歴史ノートみたいなもんやな。自分には大事でも、他人には見せたらアカンやつや。」
ずん
「ひどいのだ!でも確かに、キャラの気持ちを理解するために描いたシーンって、読者には退屈かもなのだ...」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。映画『国宝』では、主人公たちが仲良くなる過程を全部カットしたでやんすからね。物語全体で必要ないと判断されたわけでやんす。」
やきう
「要するに、『二人は仲良くなりました』で終わらせて、ドラマは別のとこで見せろってことやろ?効率ええやん。」
ずん
「でもボクの描いた70ページ、全部いいシーンだと思うのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それが罠でやんす。作者にとって大事なシーンと、読者にとって必要なシーンは違うでやんす。プロの35ページは、素人の70ページより密度が濃いでやんすよ。」
やきう
「ワイの上司の会議も同じやな。2時間喋って結論5秒で済むやつ。無駄の塊や。」
ずん
「じゃあボクは助走ネームを描いて、そのあと全部捨てればいいってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。助走ネームは作者が物語を理解するために描くもので、読者に見せるものじゃないでやんす。それを理解してないと、連載が始まっても『設定説明で終わった』なんて言われるでやんす。」
やきう
「お前の自己紹介が長すぎて、誰も聞いてへんパターンやな。そら打ち切られるわ。」
ずん
「うぅ...でもボクの感動エピソード、描かないと気が済まないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「だから描けばいいでやんす!ただしそれは下書きでやんす。本番に載せるのは、磨き上げた最高のシーンだけでやんす。」
やきう
「ワイも昔、ラブレター10ページ書いて、結局『好きです』だけ送ったことあるわ。それでもフラれたけどな。」
ずん
「それ、助走ネームじゃなくて単なる無駄なのだ。」
でぇじょうぶ博士
「やきう君の恋愛は置いといて、とにかく1ページ目から読者を退屈させないことが重要でやんす。試し読みの5ページだけでも面白い作品は面白いでやんすからね。」
ずん
「つまり、冒頭からクライマックス並みに盛り上げろってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。人気作は1話目から読者をつかんで離さないでやんす。『5話目から面白くなります』なんて言ってたら、打ち切りまっしぐらでやんす。」
やきう
「ワイの人生もそうやったわ。『30歳から本気出す』言うてたら、気づいたら40や。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、手遅れはさておき、プロの作家は1ページたりとも読者を退屈させないでやんす。助走ネームは描いても、必ずカットする。それが鉄則でやんす。」
ずん
「じゃあ結局、ボクは70ページ描いても、最終的には35ページくらいに削るべきってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。磨き上げた35ページなら、編集者や読者に『続きを読ませてください!』と言われるでやんす。それがプロの連載作家になる瞬間でやんす。」
やきう
「つまり、お前の人生も無駄なエピソード削ったら5分で終わるってことやな。」
ずん
「それ、ボクの人生を打ち切りにする気なのだ!?やきうの人生なんて1秒で終わるくせに!」