ずん
「最近のJ-POPって、なんでこんなに炎上しやすいのだ?昔はもっと平和だったのだ!」
やきう
「平和やったんやない。お前が無知やっただけや。SNSがなかっただけでクレームの手紙は山ほどあったんやで。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。ただし今回の『ポカホンタス』問題は、単なる言葉狩りとは一線を画するでやんす。これは歴史的な文脈を無視した文化的盗用の典型例でやんすね。」
ずん
「でもポカホンタスってディズニー映画にもなってるし、有名じゃないのだ?何が問題なのだ?」
やきう
「そのディズニー映画自体が問題視されとるんやで。実在の人物を萌えキャラ化して、植民地支配をロマンス物語に仕立て上げた、究極の歴史修正主義や。」
でぇじょうぶ博士
「やんすね。ポカホンタスは実在した先住民族の女性で、わずか10歳前後でイギリス人入植者に拉致され、改宗を強制され、政治的な道具として利用されたでやんす。それを『異文化交流の美談』として消費するのは、まるで加害者が被害者の墓の上で踊っているようなもんでやんす。」
ずん
「うわぁ...知らなかったのだ。でもNumber_iのメンバーも知らなかっただけじゃないのだ?」
やきう
「『知らなかった』で済むなら警察いらんわ。プロのアーティストなら、使う言葉の背景くらい調べろや。年収数億円もらっとるんやろ?」
でぇじょうぶ博士
「ただし、これは個人の問題だけではないでやんす。日本の音楽業界全体に、文化的感受性のチェック体制が欠如しているという構造的問題があるでやんす。レコード会社、プロデューサー、作詞家、誰も気づかなかったというのは、システムの失敗でやんす。」
ずん
「じゃあTOBEはどう対応すればよかったのだ?」
やきう
「即座に謝罪して楽曲配信停止、歌詞修正が最低ラインやな。でも『回答は?』って記事のタイトルが疑問符になっとる時点で、お察しや。」
でぇじょうぶ博士
「興味深いのは、この問題が『ポリコレの行き過ぎ』として片付けられがちなことでやんす。でも、これは単なる配慮の問題ではなく、歴史的暴力の記憶をどう扱うかという倫理の問題でやんす。まるで原爆をテーマにしたコメディを作るようなもんでやんす。」
ずん
「でも海外のアーティストは結構自由に色々言ってるのだ。なんで日本だけこんなに厳しいのだ?」
やきう
「逆や逆。海外の方がよっぽど厳しいわ。カニエ・ウェストなんか反ユダヤ発言でスポンサー全部切られたやろ。日本が甘すぎるんや。」
でぇじょうぶ博士
「まさにそうでやんす。欧米では文化的盗用に対する訴訟も珍しくないでやんす。日本の芸能界が国際基準から周回遅れなだけでやんす。これは『表現の自由』の問題ではなく、『他者の尊厳を踏みにじる自由はない』という基本的人権の話でやんす。」
ずん
「じゃあこれからアーティストは何も表現できなくなるのだ?萎縮しちゃうのだ!」
やきう
「何でそうなるんや。『人を傷つけない表現』なんて山ほどあるやろ。むしろ制約の中でこそ創造性が生まれるんや。お前、小学校の作文から成長しとらんな。」
でぇじょうぶ博士
「実際、多くの優れたアーティストは、文化的感受性を持ちつつ革新的な表現を行っているでやんす。例えば、ケンドリック・ラマーは黒人差別の歴史を深く掘り下げながら、普遍的な人間ドラマを描いているでやんす。問題は無知と怠慢でやんす。」
ずん
「でもさ、専門家に全部チェックしてもらうとかお金かかるのだ。TOBEだって新しい事務所で大変なのだ!」
やきう
「は?Number_iのライブのチケット代知っとるか?VIPシートなんか10万円超えとるんやで。そんな金取っといて『チェックする予算がない』とか、コンビニ強盗が『生活費がなかった』言うとるのと同レベルや。」
でぇじょうぶ博士
「しかも、現代はGoogle検索で30秒もあれば基本的な情報は手に入るでやんす。『ポカホンタス 歴史』で検索すれば、問題点はすぐに分かるでやんす。これは資金の問題ではなく、意識の問題でやんす。」
ずん
「うーん、じゃあボクが歌詞を考えるとしたら、何に気をつければいいのだ?」
やきう
「お前が歌詞書く心配する前に、まず音痴直せや。カラオケで毎回最下位やろ。」
でぇじょうぶ博士
「とはいえ、基本原則は簡単でやんす。実在の民族名や歴史的人物を『比喩』や『スラング』として使わない。特定の文化や宗教を『エキゾチックな装飾』として消費しない。自分が属さないマイノリティの経験を安易に代弁しない。これだけで大半の問題は避けられるでやんす。」
ずん
「なるほどなのだ...でも正直、めんどくさいのだ。」
やきう
「お前の人生そのものがめんどくさいわ。存在自体が文化的問題や。」
でぇじょうぶ博士
「ただし、『めんどくさい』という感覚は理解できるでやんす。でも、他者の痛みに配慮することを『めんどくさい』と感じる社会は、結局誰にとっても生きづらい社会になるでやんす。まるで公衆トイレを掃除しないのと同じでやんす。最初は『めんどくさい』でも、誰も掃除しなければ、最終的に全員が汚いトイレを使うことになるでやんす。」
ずん
「でもさ、被害者じゃない人が騒いでることも多くないのだ?当事者は気にしてないかもしれないのだ!」
やきう
「その『当事者は気にしてない』って誰が決めたんや?お前、ネイティブアメリカンの知り合いおるんか?おらんやろ。お前の『当事者』って、脳内で作った藁人形やろ。」
でぇじょうぶ博士
「実際、ネイティブアメリカンのコミュニティは数十年にわたってポカホンタスの商業利用に抗議し続けているでやんす。声が届きにくいだけで、当事者は明確に『NO』と言っているでやんす。『気にしてない』のではなく、『聞こえないふりをしている』だけでやんす。」
ずん
「じゃあこの騒動、どう終わるのだ?謝罪して終わりなのだ?」
やきう
「日本の芸能界の伝統芸やな。『ご心配をおかけしました』程度の声明出して、ほとぼり冷めるの待つんや。反省はせんで。」
でぇじょうぶ博士
「残念ながら、その予測は当たる可能性が高いでやんす。でも、こういった問題が可視化されること自体に意味があるでやんす。10年前なら炎上すらしなかったでやんす。社会の感受性が少しずつ変わってきている証拠でやんす。まるで氷河の動きのように遅いでやんすが、確実に動いているでやんす。」
やきう
「お前にできることはただ一つ。黙ってろ。お前が何か発信したら新たな炎上の火種になるわ。」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、一般の人ができることは多いでやんす。問題を指摘する声を支持する、当事者の声に耳を傾ける、企業に改善を求める。そして何より、自分自身が無意識に持っている偏見と向き合うことでやんす。まるで歯磨きのように、日常的なメンテナンスが必要でやんす。」
ずん
「うーん、でもボク、そこまで真面目に考えるの疲れちゃうのだ...」
やきう
「お前が疲れる前に、お前の存在に周りが疲れとるわ。鏡見てこい。」
ずん
「ひどいのだ!でもまあ、とりあえずボクは『ポカホンタス』って言葉使わないように気をつけるのだ!...あ、でも『ポカホンタス女子』って流行語あったよね?あれも問題なのだ?」
やきう
「それや!それが問題の根源や!日本で『ポカホンタス女子』なんて言葉が流行ること自体が、文化的盗用と歴史への無知の証明やろ。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。『ポカホンタス女子』という言葉は、厚化粧をした女性を揶揄するスラングとして使われているでやんすが、これは二重の差別でやんす。先住民族の歴史的悲劇を矮小化し、同時に女性の外見を嘲笑するという、差別のコンボ技でやんす。まるで原爆ドームをインスタ映えスポットとして紹介するようなもんでやんす。」
ずん
「ボク、どんどん使える言葉が減っていく気がするのだ...このままじゃ何も喋れなくなるのだ!」
やきう
「お前、普段からろくなこと喋っとらんやろ。むしろ喋るな。世界が平和になるわ。」
ずん
「そ、そんな...じゃあボクは一生沈黙するしかないのだ!?これが言論統制社会の始まりなのだ!?」
でぇじょうぶ博士
「大袈裟でやんす。『差別的な表現を避ける』ことと『何も喋れない』ことは全く別でやんす。日本語には約50万語あると言われているでやんす。その中から問題のある数百語を避けるだけでやんす。99.9%の言葉は自由に使えるでやんす。」
ずん
「でもボクの語彙力だと、その0.1%に頼ってる可能性が高いのだ...」
やきう
「それはお前の語彙力が小学生レベルやからや。勉強しろ。」
ずん
「むむむ...じゃあNumber_iはこれからどうすればいいのだ?新曲全部お蔵入りなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「歌詞を修正して再リリースするのが最善でやんす。技術的には簡単でやんす。問題は、それを『負け』と感じるプライドが邪魔をすることでやんす。でも、間違いを認めて修正できるアーティストこそが、真に尊敬されるでやんす。」
やきう
「ジャニーズ時代から何も学んどらんのやな。組織として腐っとる証拠や。TOBEも結局、ジャニーズの悪習を引き継いだだけやろ。」
でぇじょうぶ博士
「それは厳しい見方でやんすが、一理あるでやんす。ジャニーズ問題の本質は性加害だけでなく、批判を受け入れない企業体質でやんした。同じ轍を踏もうとしているように見えるのは危険でやんす。」
ずん
「でもさ、ファンは気にしてないんじゃないのだ?ライブも大盛況だったって書いてあるのだ!」
やきう
「ファンが気にせんのは当たり前や。カルト宗教の信者が教祖を批判するか?お前、思考停止しとるやろ。」
でぇじょうぶ博士
「ファンダムの心理は複雑でやんす。『推し』を守りたい一心で、問題を矮小化したり攻撃的になったりするでやんす。でも、本当にアーティストを愛しているなら、間違いを指摘して成長を促すのが真のファンでやんす。まるで子供を甘やかすだけの親は、結局子供をダメにするのと同じでやんす。」
やきう
「されるわけないやろ。Number_iなんて海外で誰も知らんわ。日本のドメスティックな問題や。」
でぇじょうぶ博士
「それは半分正しくて半分間違いでやんす。確かに現時点では国際的な注目は低いでやんすが、日本のポップカルチャーは世界中で消費されているでやんす。将来的に海外進出を目指すなら、このような問題は致命的になる可能性があるでやんす。」
ずん
「むむむ...じゃあボクが新しいグループ作るとしたら、どんな名前がいいのだ?『Number_i』みたいなカッコいいやつがいいのだ!」
やきう
「お前がグループ作る心配より、お前が友達作れるか心配した方がええわ。」
ずん
「ひどいのだ!でもボク、『ずんずん調査団』ってグループ名考えてたのだ!メンバーはボク一人だけど!」
やきう
「それはグループやない。ただの寂しいやつや。」
でぇじょうぶ博士
「...まあ、今回の件で学ぶべきは、表現の自由と文化的配慮は対立概念ではないということでやんす。むしろ、他者への配慮ができてこそ、表現は深みを増すでやんす。」
ずん
「じゃあボクも配慮の達人になって、世界中から尊敬されるアーティストになるのだ!まずは『ポカホンタス』の代わりに『ずんだもん』って歌詞に入れればいいのだ!完璧な解決策なのだ!」