ずん
「ジョン・レノン殺害事件の犯人の妻が書いた報告書が出てきたらしいのだ。これ、やばいやつなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「やんすねぇ...事件前の犯人の足取りが克明に記されているでやんす。まるで死刑囚の最後の晩餐メニューを見せられているような気分でやんすよ。」
やきう
「ワイ思うんやけど、嫁さんも薄々気づいてたんちゃうか?旦那がいきなりニューヨーク行って射撃訓練とか、完全にアウトやろ。」
ずん
「でも報告書書いてるってことは、協力的だったってことなのだ?」
かっぱ
「そら後からやろ。事件起きる前は『ブロードウェイ観に行ってきたで〜』言うてる旦那を『ええなぁ』思うてただけや。」
でぇじょうぶ博士
「興味深いのは、彼が五つ星ホテルからYMCAへ移動している点でやんす。まるで贅沢な最後の晩餐を食べた後、質素な修道士になろうとしているかのようでやんす。」
やきう
「そんなん単に金なくなっただけやろ。ロマンチックに解釈しすぎやで博士。」
ずん
「でも『ライ麦畑でつかまえて』読み終わったタイミングで旦那が出発って、なんか意味深なのだ。」
かっぱ
「そら犯人がその本に影響受けとったからな。嫁さんもそれ読んで『あ、これヤバいやつや』って思わんかったんかいな。」
でぇじょうぶ博士
「むしろ、夫婦で同じ本を読むという微笑ましい日常の裏で、凶行への秒読みが始まっていたというのが皮肉でやんすねぇ。」
やきう
「しかも口論して見送りせんかったって...最悪の別れ方やん。一生後悔するやつやで。」
ずん
「ジョージアで射撃訓練したって電話してきた時点で、止められなかったのかなのだ?」
かっぱ
「無理やろ。アメリカやぞ?射撃訓練なんて週末のレジャーみたいなもんや。むしろ『ええ趣味やん』思われるで。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。銃社会の恐ろしさは、凶器の準備が日常に溶け込んでいることでやんす。まるでキッチンで包丁研ぐのと同じ感覚でやんすからね。」
やきう
「でも『鬱状態やった』って書いてあるやん。これSOS出しとったんちゃうか?」
ずん
「それでも止められなかったってことは、結局誰も本気で心配してなかったってことなのだ...悲しいのだ。」
かっぱ
「いや待て。『もうすぐ帰る』言うて嫁さん喜んどるやん。この数日後に事件起こしとるんやろ?地獄やん...」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。妻が安堵した瞬間、夫は凶行に及んだ...まるで愛する人を裏切る最悪のサプライズでやんすよ。」
やきう
「しかもこの報告書、検事の依頼で書いとるんやろ?旦那を裁判で不利にするために書かされたってことやんけ。」
ずん
「うわぁ...愛する人の罪を証明する文章を書かされるって、拷問なのだ。」
かっぱ
「そら地獄やで。しかも世界中が注目する大事件の加害者の嫁さんや。逃げ場ないやん。」
でぇじょうぶ博士
「このドキュメントが今、45年経って公開されるというのも意味深でやんす。時が経てば真実は変わるのか、それとも悲劇はより鮮明になるのか...」
やきう
「ワイ思うんやけど、この本読んでジョン・レノンのファンが犯人に同情したらどうすんねん。逆効果やろ。」
ずん
「確かに...『かわいそうな犯人』みたいな扱いになったら本末転倒なのだ。」
かっぱ
「まぁでも真相知りたいってのは人間の性やからな。ただの野次馬根性かもしれんけど。」
でぇじょうぶ博士
「おいらが気になるのは、この報告書が『真実』なのかということでやんす。妻の記憶は完璧なのか、それとも都合よく編集されているのか...」
やきう
「そんなん言い出したらキリないで博士。疑い出したら何も信じられへんやん。」
ずん
「でも確かに、自分の旦那が殺人犯になった後の記憶って、歪んでる可能性あるのだ...」
かっぱ
「いや逆やろ。むしろ『あの時こうやった』って一つ一つ鮮明に覚えとるもんやで。トラウマってそういうもんや。」
でぇじょうぶ博士
「結局のところ、この報告書が示しているのは『予兆は確かにあった』という事実でやんす。しかし誰もそれを凶行の前触れとは認識できなかったという悲劇でやんすね。」
やきう
「ほんまやな...ブロードウェイ観に行って興奮しとる旦那が数週間後に伝説的ミュージシャン殺すなんて、誰が想像できるねん。」
ずん
「つまり僕らも、隣にいる人が何考えてるか全然わかってないってことなのだ...怖いのだ...」
かっぱ
「お前の場合は考えてること顔に書いとるから大丈夫や。むしろ隠せ。」
ずん
「ボクの透明性が武器だと思ってたのに、それすら否定されるのだ!もうボク、ライ麦畑に隠れて暮らすのだ!」