ずん
「ダブル介護とか、完全に人生終了のお知らせなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「やんす。母の認知症と義父の骨折で、まるでボクシングのダブルパンチを喰らったようなものでやんすね」
やきう
「弟が薄情とか言うとるけど、ワイから見たら賢い選択や。逃げた者勝ちやんけ」
ずん
「それはヒドイのだ!でも...正直ちょっと羨ましいのだ」
かっぱ
「お前正直すぎやろ。でも53歳でこれは地獄やな」
でぇじょうぶ博士
「おいらの計算では...いや、計算するまでもなく八方塞がりでやんす。認知症の母は能面のような顔、義父は糖尿病持ちの79歳。これ、時限爆弾が2つ同時にカウントダウンしてるようなもんでやんす」
やきう
「しかも息子が来年社会人て。戦力ダウン確定やん。クソゲーすぎるわ」
かっぱ
「記事読んだか?順番待ちって書いてあるやろ。日本の介護施設なんて満員御礼や」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。特別養護老人ホームは全国で約36万人が待機中でやんす。これ、東京ドーム8個分の人間が並んでる計算でやんすよ」
やきう
「ほんで弟は知らんぷり。ワイもこういう時は全力で逃げるで。家族の絆()とか言うとる場合ちゃうわ」
ずん
「でも奥さんも大変なのだ。自分の父親の介護もしないといけないし...」
かっぱ
「そら妻も限界来るわな。仕事持っとる旦那に頼れへん、息子も来年から社会人、兄嫁とシフト組んで介護て」
でぇじょうぶ博士
「これぞまさに『介護離職予備軍』でやんす。厚労省のデータでは年間約10万人が介護を理由に離職してるでやんすからね」
やきう
「10万人て。甲子園球場満員にしてもまだ余るやんけ。こんなん国の制度が破綻しとる証拠やろ」
ずん
「じゃあボクたちが老人になる頃はもっと悲惨なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「悲惨どころの話じゃないでやんす。2025年には団塊の世代が全員75歳以上になる『2025年問題』が控えてるでやんす。まるでゾンビ映画の大群が押し寄せてくるようなもんでやんすよ」
やきう
「結局、日本の介護制度なんて穴だらけのザルなんや。ヘルパーの給料も安いし、誰もやりたがらへん。当然やろ」
でぇじょうぶ博士
「おいらもわからんでやんす。強いて言えば、金を貯めて私設の介護サービスを使うか、海外移住するか...でやんすかね」
やきう
「でも実際、タイとかフィリピンに介護移住する日本人増えとるで。日本で月20万円の施設費払うくらいなら、向こうで手厚い介護受けられるからな」
でぇじょうぶ博士
「甘いでやんす、ずん。お前の貯金額じゃ、タイ行く飛行機代も出ないでやんすよ」
やきう
「それに言葉の壁もあるし、文化も違う。認知症になったら日本語しか喋れへんようになる可能性もあるんやで」
ずん
「むぅ...じゃあやっぱり弟みたいに逃げるのが正解なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「逃げるというより、『戦略的撤退』でやんすね。ただし篠原さんの場合、長男だから逃げられない日本の同調圧力があるでやんす」
かっぱ
「長男やから面倒見るって、昭和の価値観やん。令和やぞ今」
やきう
「でも田舎行ったら今でもそういう価値観バリバリやで。ワイの実家もそうや。長男は逃げられへん空気があるんや」
ずん
「じゃあボクは次男でよかったのだ!...あれ、ボク一人っ子だったのだ」
でぇじょうぶ博士
「それ、最悪のパターンでやんす。逃げ場ゼロでやんすよ」
やきう
「一人っ子の介護負担は兄弟ありの2倍以上や。誰も助けてくれへんからな」
ずん
「ひぃぃぃ!じゃあボク今から兄弟作るのだ!!」
でぇじょうぶ博士
「お前、何歳だと思ってるでやんす...。そもそも彼女もいないのに兄弟作れるわけないでやんす」
かっぱ
「つーか、親が産むもんやろ兄弟は。お前アホか」
やきう
「この会話のレベルの低さよ。でも実際、少子化で一人っ子増えとるから、将来的に介護問題はもっと深刻化するんやで」
ずん
「もうダメなのだ...日本終わったのだ...」
でぇじょうぶ博士
「そう悲観することもないでやんす。最近では介護ロボットやAI技術も発達してきてるでやんすし」
かっぱ
「でも結局、認知症の人間相手にロボットがどこまで対応できるんや?」
やきう
「せやな。母親が能面のような顔で夜中に叫ぶとか、ロボットじゃ無理やろ。人間でもキツいのに」
ずん
「能面...怖すぎるのだ。でもそれが認知症の現実なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「やんす。レビー小体型認知症の特徴で、表情が乏しくなるパーキンソン症状が出るでやんす。まるで仮面をかぶったように無表情になるでやんすね」
やきう
「しかも家族の顔もわからへんとか。ワイやったら発狂するわ」
でぇじょうぶ博士
「おいおい、危険な発言でやんす。でも実際、スイスとかオランダでは条件付きで認められてるでやんすけどね」
やきう
「でも本人が望むなら、って議論はあってもええと思うけどな。ずっと苦しみ続けるよりマシやろ」
ずん
「ボク、こんな未来想像したくなかったのだ...」
でぇじょうぶ博士
「現実は厳しいでやんすね。特に篠原さんみたいな50代は、親の介護と子供の教育費と自分の老後資金、全部同時に襲ってくる『人生のラスボス』との戦いでやんす」
やきう
「結局、金や。金さえあれば全部解決するんや。プライベート介護サービス、高級老人ホーム、何でも選べるからな」
ずん
「じゃあボク今から起業して大金持ちになるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「その前に目の前の仕事をちゃんとするでやんす...」
かっぱ
「つーか、篠原さんの弟、ほんまムカつくな。薄情で頼りにならんて」
やきう
「でも弟の立場からしたら、兄貴が面倒見るもんやと思っとるんちゃう?長男教の洗脳や」
ずん
「それズルいのだ!みんなで平等に負担すべきなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「理想論でやんすね。現実には介護の8割以上を一人が担っているケースが多いでやんす。まるでブラック企業の残業みたいに、一人に集中するでやんすよ」
かっぱ
「そんで過労で倒れるか、介護離職するかや。地獄やな」
やきう
「最悪、介護疲れで殺人とか心中とかもあるからな。ニュースでたまに見るやろ」
でぇじょうぶ博士
「だからこそ、社会全体で支える仕組みが必要でやんす。でも現状の介護保険制度じゃ限界があるでやんすね」
かっぱ
「介護保険料、どんどん上がっとるのに、サービスは追いついてへんやん」
やきう
「それな。40歳から払わされて、いざ使おうと思ったら順番待ちとか。詐欺やろこんなん」
でぇじょうぶ博士
「それ、違法でやんす。強制加入でやんすから」
やきう
「まあでも、ずんの気持ちもわかるで。払うだけ払って恩恵受けられへんかもしれへんし」
でぇじょうぶ博士
「いや、全然賢くないでやんす...。むしろ介護保険使えないと自腹で全額払うことになって、もっと悲惨でやんすよ」
かっぱ
「介護サービス、保険なしやと月50万円とかかかるからな」
やきう
「50万円て。ワイの給料より高いやんけ。働いたら負けやな」
ずん
「ちょ、ちょっと待つのだ!じゃあみんなどうしてるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「だから篠原さんみたいに家族で必死に分担するか、貯金を切り崩すか、介護離職するか...でやんす」
やきう
「ゲームで言うたらバッドエンド確定の分岐点やな」
でぇじょうぶ博士
「強いて言えば、親が認知症にならず、ピンピンコロリで亡くなることでやんすかね」
やきう
「でも実際、一番ええ死に方やと思うで。本人も家族も苦しまへんからな」
ずん
「じゃあボクのお母さんにも、ピンピンコロリでお願いするのだ!」
でぇじょうぶ博士
「そんな都合よくいくわけないでやんす。日本人の平均寿命は延びてるけど、健康寿命との差が約10年あるでやんす。つまり10年間は要介護状態でやんすよ」
やきう
「その10年で貯金全部溶けるパターンやな。老後2000万円問題どころちゃうわ」
ずん
「もうやだ!ボク子供作らないのだ!子供に迷惑かけたくないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それも一つの選択でやんすけど、誰が将来のおいらの面倒を見るんでやんすか?」
やきう
「結局、子供おらんかったら施設頼りや。でも施設も満員。詰みやな」
でぇじょうぶ博士
「落ち着くでやんす。まず大事なのは、早めに親と介護について話し合うことでやんす。元気なうちに意思確認しておけば、いざという時の選択肢が増えるでやんすから」
かっぱ
「でも親と介護の話とか、めっちゃしづらいやん」
やきう
「せやな。『お父さん、ボケたらどうする?』とか聞けるかっちゅう話や」
ずん
「無理なのだ!親孝行できてないボクが、そんなこと言えないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「だからこそ今のうちに親孝行しとくでやんす。罪悪感減りますでやんすよ」
やきう
「でも親孝行って具体的に何したらええんや?金渡すんか?」
でぇじょうぶ博士
「金じゃなくて、時間を使うでやんす。定期的に電話するとか、たまに会いに行くとか。それだけでも親は喜ぶでやんすよ」
やきう
「でも篠原さんみたいに、もう手遅れになっとったらどうするんや?」
ずん
「それな!認知症になってたら、もう話し合いできないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「そこで成年後見制度や介護サービスの活用でやんす。一人で抱え込まずに、地域包括支援センターとか専門家に相談するでやんす」
やきう
「せやで。役所の手続きとか、クソ面倒やからな。書類も山ほどあるし」
でぇじょうぶ博士
「だから逃げられないって言ってるでやんす!特にお前は一人っ子だから!」
やきう
「まあ結局、みんな自分のこととして考えてへんねん。他人事や思っとるから」
でぇじょうぶ博士
「それが危険でやんす!篠原さんの義父さんも、元気だったのに突然転倒したでやんす。老化は突然やってくるでやんすよ」
やきう
「せやから、今から備えとくのが賢いんやけど...みんなやらへんのよな」
でぇじょうぶ博士
「その『めんどくさい』が将来の地獄を生むでやんす」
ずん
「でもさ、結局のところ、ボクたちにできることって限られてるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんすね。だからこそ、できる範囲で準備するしかないでやんす。完璧を求めると潰れるでやんすから」
かっぱ
「篠原さんも、完璧にやろうとして潰れかけとるんちゃうか?」
やきう
「せやと思うで。真面目な人ほど自分を追い込むからな」
ずん
「じゃあボクみたいな不真面目な人間の方が、介護に向いてるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それは違うでやんす!適度に手を抜くのと、最初から投げ出すのは別でやんす!」
やきう
「でもまあ、介護って結局マラソンやからな。最初から全力疾走したら途中で倒れるで」
ずん
「マラソン...ボク運動嫌いなのだ。やっぱり介護向いてないのだ」
でぇじょうぶ博士
「だから例え話でやんす...。要するに、長期戦を覚悟しろってことでやんす」
かっぱ
「篠原さんの場合、これから何年続くかわからへんもんな」
やきう
「母親も義父も70代後半から80代やろ?あと10年は確実やな」
でぇじょうぶ博士
「だから今から覚悟を決めるでやんす。覚悟があれば、ある程度は耐えられるでやんすよ」
やきう
「でも実際、介護って精神力勝負やからな。メンタルやられたら終わりや」
でぇじょうぶ博士
「それは知ってるでやんす。だからこそ、一人で抱え込まずに周りに頼るでやんす」
かっぱ
「でも篠原さん、弟は頼りにならへんし、妻も限界やし...」
でぇじょうぶ博士
「現実から目を背けるのは簡単でやんすけどね...」
かっぱ
「まあでも、たまには明るい話もせな、精神衛生上よくないわな」
やきう
「せやな。こんな暗い話ばっかりしとったら、ワイも鬱になるわ」
ずん
「じゃあ最後に明るい話しようよ!介護の明るい面とかないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「むむむ...強いて言えば、親との絆が深まる...とかでやんすかね?」
やきう
「認知症で家族の顔もわからん相手と、どうやって絆深めるんや」
ずん
「やっぱり明るい面なんてないのだ!人生ハードモードすぎるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まあ、確かに厳しい現実でやんすね...」
かっぱ
「でも、生きていく以上、向き合わなあかん問題やからな」
やきう
「せやな。逃げても逃げられへんのが介護問題や」
ずん
「...今すぐ親に電話して『愛してる』って言ってくるのだ!!!」
でぇじょうぶ博士
「まあ、行動に移すのは良いことでやんすけど...」
ずん
「元気なうちに親孝行するのだ!後悔したくないのだ!...って、あれ?今親と同居してたわ。リビングにいるのだ」
でぇじょうぶ博士
「とりあえず、今日は親と一緒にご飯食べるでやんすよ、ずん」
ずん
「わかったのだ!じゃあ今からボク、親にカレー作ってあげるのだ!...あれ、でもボク料理できないのだ...」