ずん
「完成したのに渡れない橋って、もはや橋じゃないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まあまあずん君。これは行政の奥深い闇...もとい、複雑な土地収用問題でやんす。」
やきう
「ワイ的には、石と木が移転せんだけで5年も放置とか、行政の怠慢やろ。税金の無駄遣いやんけ。」
ずん
「でも地権者が亡くなったんでしょ?これで解決するのだ?」
でぇじょうぶ博士
「甘いでやんすよ、ずん君。地権者が死んでも、相続人が石や木を移転しなきゃならんでやんす。むしろ話がややこしくなる可能性も...」
やきう
「相続人って複数おるかもしれんやん。全員の合意取るとか、地獄やで。」
でぇじょうぶ博士
「そこで市は行政代執行を視野に入れてるでやんす。つまり、市が強制的に石や木を撤去する最終手段でやんすね。」
やきう
「それ最初からやっとけよ。血税で作った橋を5年も眺めるだけとか、市民ブチギレやろ。」
ずん
「でもさ、石や木ってそんなに大事なものなのだ?庭石とか?」
でぇじょうぶ博士
「おいらの推測でやんすが、立派な庭園だったか、あるいは先祖代々の思い入れのある石や木かもしれないでやんす。」
やきう
「思い入れで行政止めるとか、ワイには理解でけへんわ。公共の利益優先やろ。」
ずん
「でも急に『石と木どかせ』って言われても困るのだ。引っ越し業者呼ぶのも大変なのだ。」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、県の収用委員会が裁決出してから十分時間はあったはずでやんす。むしろ5年も待ってくれたと考えるべきでやんす。」
やきう
「そもそも橋の設計段階で、こんな揉めそうな土地避けられへんかったんか?」
ずん
「それな!最初から別ルートで橋作ればよかったのだ!」
でぇじょうぶ博士
「そう簡単にはいかないでやんす。地形や河川法、予算、技術的制約...橋の建設には様々な要因が絡むでやんす。」
やきう
「まあ結局、お役所仕事の限界ってことやな。民間なら絶対こんな非効率許されへんで。」
でぇじょうぶ博士
「市は本年度内、つまり来年3月末までに相続人に移転を依頼するでやんす。応じなければ行政代執行...となると、実際の開通は早くて来年春以降でやんすね。」
やきう
「つまりあと半年は確実に渡れへんってことか。完成から6年目突入やん。もう記念碑立てたらどうや。」
ずん
「『渡れない橋記念碑』!これは新しい観光資源になるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「ずん君...それは皮肉でやんすよね?」
やきう
「いや、マジで観光地化したらええやん。『日本一渡れない橋』とか。SNS映えするで。」
ずん
「そうなのだ!インスタで『#渡れない橋チャレンジ』とかバズるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「お前ら...市民の税金で作った橋を何だと思ってるでやんすか...」
やきう
「でも博士、実際これ全国的にも珍しいケースやろ?行政法の教科書に載るレベルやで。」
ずん
「じゃあボク、この橋で卒論書くのだ!『開通しない橋の社会学的考察』!」
でぇじょうぶ博士
「...ずん君が卒論なんて書けるわけないでやんす。そもそも大学すら...」
ずん
「むぅ...じゃあこの問題、結局誰が悪いのだ?」
でぇじょうぶ博士
「一概には言えないでやんす。地権者には地権者の事情があり、市には市の立場がある。法的には収用が認められても、感情面では複雑でやんす。」
やきう
「そんな綺麗事言うとるから5年もかかるんやろ。さっさと強制執行して終わりや。」
ずん
「でもやきうさん、もしボクの家が道路になるって言われたら嫌なのだ?」
やきう
「...それは嫌やな。でもワイなら補償金ガッポリもろて、さっさと引っ越すで。」
でぇじょうぶ博士
「まあそれが合理的な判断でやんすね。ただ、すべての人が合理的に動くわけではないのが人間社会の難しいところでやんす。」
ずん
「つまり、この橋問題は人間の感情と行政の論理がぶつかった結果なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。公共の福祉と個人の権利、この永遠のテーマが凝縮された事例でやんすね。」
やきう
「哲学的なこと言うとるけど、結局5年も無駄にしたのは事実やからな。次は同じ轍踏まんようにせなあかん。」
ずん
「じゃあ次から橋作る時は、最初から『石と木移転費用』を予算に入れとくのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それも一つの解決策でやんすね。事前の綿密な調整と十分な予算確保が重要でやんす。」
やきう
「でも今回の教訓って、全国の自治体に共有されるんか?それとも『いちき串木野市の特殊事例』で終わるんか?」
ずん
「きっと他の市も『うちは大丈夫』って思ってるのだ。そして同じ失敗を繰り返すのだ!」
でぇじょうぶ博士
「残念ながら、ずん君の予測は当たる可能性が高いでやんす。お役所は前例主義で、他の自治体の失敗から学ぶのが苦手でやんすからね。」
やきう
「つまり10年後には『完成10年の渡れない橋』が日本のどこかで爆誕するってことか。胸熱やな。」
ずん
「それまでにボク、『渡れない橋コレクター』になって全国巡るのだ!新しい趣味見つけたのだ!」