# ディスカッション
松田優作と脚本家の「最後の会話」
ずん
「なんか松田優作が死ぬ前に探偵もの作ろうとしてたらしいのだ。これ、めっちゃエモい話じゃね?」
やきう
「エモいとか言うな。ワイはな、この話の本質が分かってないお前みたいなアホが嫌いなんや。」
でぇじょうぶ博士
「優作は『嵐が丘』という巨匠の現場で、普段絶対にやらない他の仕事の話を持ち出したでやんす。これは異常事態でやんすよ。」
かっぱ
「吉田喜重監督の現場でそれやるとか、どんだけ追い詰められてたんや...」
ずん
「でも探偵ものってカッコいいじゃん。続編作りたかっただけなのだ。」
やきう
「違うやろ。これは死期を悟った男が、自分の居場所を探してた話や。『B級のくずれたムービー』ってのがミソなんやで。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。優作は巨匠の現場で息苦しさを感じていたかもしれないでやんす。『探偵物語』の工藤俊作みたいな、泥臭い自分の居場所に戻りたかったんでやんすね。」
かっぱ
「チャイナタウンの外側って設定が切ないわ。どこにも入れへん男の話やん。」
ずん
「なんかボクも会社の外側にいる気がするのだ...」
やきう
「お前は会社の中にすら入れてへんやろ。引きこもりのくせに何言うとんねん。」
でぇじょうぶ博士
「脚本家の丸山氏は『愛し憎んだ』と書いてるでやんす。優作の無茶な要求に応え続けた関係性は、まるで共依存のようでやんすね。」
かっぱ
「それでも書くんやから、本物の関係やったんやろな。金だけやったら書かへんで。」
ずん
「でもさ、結局その脚本って映画にならなかったんだよね?意味なくね?」
やきう
「お前ホンマにアホやな。形にならんでも、優作は最後まで『次』を考えてたってことが重要なんや。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。死を前にしても創作を止めない。それが表現者の本能でやんす。まるで死神と鬼ごっこしてるようなもんでやんすね。」
かっぱ
「『身体、大事にしろ』って最後に言われたんやろ?それが答えや。優作は自分の身体を犠牲にして走り続けたんや。」
ずん
「じゃあボクも身体大事にして、今日はもう仕事休むのだ!」
でぇじょうぶ博士
「この話の教訓は、やりたいことは今やれってことでやんす。優作は最後まで走り続けたでやんすからね。」
かっぱ
「走り続けた結果、40歳で死んだけどな...複雑やわ。」
ずん
「むぅ...じゃあボクは適度に休みながら走るのだ!いいとこ取りなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「チャイナタウンの外側で探偵をやる...優作自身が、映画界という巨大な中華街の外側で戦い続けた男だったのかもしれないでやんすね。」
かっぱ
「結局、居場所なんてどこにもないんや。自分で作るしかないんやで。」
ずん
「深い話なのだ...でもボクはとりあえずベッドが居場所でいいのだ!」