ずん
「ネコの腎臓病治せる薬ができるらしいのだ!これで猫カフェ行き放題なのだ!」
やきう
「お前が行くんかい。ネコじゃなくてお前の脳ミソに薬投与した方がええんちゃうか。」
ずん
「ムキーッ!でも本当に治るのだ?怪しいのだ。」
でぇじょうぶ博士
「治るでやんす。というか、ネコの腎臓病は宿命みたいなもんでやんすからね。AIMっていうタンパク質が機能しないのが原因でやんす。」
でぇじょうぶ博士
「全然違うでやんす。Apoptosis Inhibitor of Macrophageの略で、体内のゴミを掃除するタンパク質でやんす。ネコはこれが生まれつきサボってるでやんすよ。」
やきう
「つまりネコはゴミ屋敷体質ってことやな。ワイの部屋みたいやん。」
でぇじょうぶ博士
「話を戻すでやんす。宮﨑先生は1999年にAIMを発見して、2016年にネコのAIMが機能しないことを突き止めたでやんす。そこから薬を作ろうと思い立ったわけでやんすね。」
でぇじょうぶ博士
「まだでやんす。今年4月に農林水産省に承認申請して、早ければ年内でやんす。治験は終わってて、ステージ3の腎臓病のネコに投与したら進行が止まったでやんす。」
やきう
「ステージ3って相当ヤバいやつやろ?それが止まるんか。」
かっぱ
「5年以上生きてるネコもおるらしいで。普通ならステージ4で数カ月しかもたんのに。」
でぇじょうぶ博士
「まだ価格は発表されてないでやんすが、開発費に3億円近い寄付が集まったでやんす。愛猫家の本気でやんすね。」
やきう
「ネコに3億円か。人間の難病には金出さんのに、ネコには出すんやな。」
かっぱ
「そら人間よりネコの方が可愛いからな。当たり前やろ。」
やきう
「お前に寄付するくらいなら野良猫に餌やるわ。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに、宮﨑先生は東大教授を辞めてまでこの研究に専念したでやんす。製薬ベンチャーまで立ち上げて、製造拠点は台湾でやんす。」
ずん
「じゃあ失敗したらどうするつもりだったのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そんなこと考えてたら研究者はやってられないでやんす。まるでバンジージャンプでロープの強度を疑うようなもんでやんす。」
かっぱ
「ところで、この薬って人間にも使えるんか?」
でぇじょうぶ博士
「それが宮﨑先生の次の目標でやんす。ネコの薬開発で得たノウハウを人間の難病治療に応用するでやんす。資金調達できれば1年半で治験に入れるそうでやんす。」
でぇじょうぶ博士
「人間のAIMはネコと違って機能してるでやんすが、逆に言えば、AIMを強化すればもっと効果が出る可能性があるでやんす。」
やきう
「つまり、ネコで実験して人間で儲けるってことか。賢いやんけ。」
かっぱ
「ネコが人類を救うんやな。逆やと思っとったわ。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。今、公募してるでやんす。『皆さんと一緒に作ってきたから名前も一緒に考えたい』とのことでやんす。」
やきう
「じゃあワイが応募したろか。『ネコネコドリンク』とか。」
ずん
「ボクは『ニャンニャンピカピカ腎臓元気丸』がいいと思うのだ!」
やきう
「長すぎるわ。お前のセンスどうなっとんねん。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、何にせよこの薬が実用化されれば、ネコの寿命は確実に延びるでやんす。アニコムの調査だと、5歳以上のネコの死因の約3割が腎臓病でやんすからね。」
かっぱ
「ってことは、これからネコの高齢化社会が来るってことか。」
ずん
「じゃあネコが100歳まで生きるようになるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「さすがにそれは無理でやんす。でも15年が20年、25年になる可能性は十分あるでやんす。」
かっぱ
「それはそれで飼い主の負担も増えるんちゃうか。」
やきう
「ネコが長生きしすぎて、飼い主より先に死ななくなったりして。」
ずん
「それは困るのだ!ボクが死んだらネコはどうするのだ!」
でぇじょうぶ博士
「とにかく、この薬はネコ界にとって革命でやんす。腎臓病が治るということは、ネコの『宿命の病』が克服されるということでやんす。」
やきう
「でもこれ、動物病院の経営にも影響出るんちゃうか。腎臓病で儲けてたところとか。」
ずん
「じゃあさ、この薬ってネコ以外の動物にも効くのだ?」
でぇじょうぶ博士
「理論上は可能でやんすが、まずはネコで実績を作ってからでやんすね。イヌはネコほど腎臓病になりやすくないでやんすし。」
ずん
「でもさ、これって結局、ネコが不完全な生き物だったってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうとも言えるでやんすが、逆に言えば、人間が科学の力でその不完全さを補えるようになったということでやんす。」
かっぱ
「神様は人間の不完全さは補ってくれへんけどな。」
ずん
「じゃあボクも不完全だから、補ってほしいのだ!」
やきう
「お前の場合、不完全ってレベルじゃないやろ。欠陥品や。」
でぇじょうぶ博士
「まあまあ、話を戻すでやんす。この薬が実用化されれば、ネコを飼う人も増えるでやんすし、ペット産業全体が活性化するでやんす。」
ずん
「じゃあボクもネコカフェ開くのだ!『ずんだネコカフェ』なのだ!」
やきう
「誰が行くねん。ネコよりお前の方がうるさいやろ。」
かっぱ
「というか、お前ネコアレルギーちゃうんか。」
でぇじょうぶ博士
「何はともあれ、この薬の実用化は本当に画期的でやんす。ネコ好きにとっては夢のような話でやんすね。」
かっぱ
「お前みたいなやつにはイヌも寄ってこんやろ。」
ずん
「最後に一つ聞きたいのだ。この薬、副作用とかないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「治験では特に問題は報告されてないでやんす。ただ、長期的な影響はまだわからないでやんすね。」
やきう
「つまり、20年後にネコが巨大化したりするかもしれんってことか。」
ずん
「じゃあボクもAIM薬飲んで巨大化するのだ!そしたらみんなボクを尊敬するのだ!」
やきう
「お前が巨大化しても誰も尊敬せんわ。むしろ駆除されるで。」
ずん
「ムキーッ!でもこれでネコが長生きできるなら嬉しいのだ!ボクもいつかネコ飼って、一緒に長生きするのだ!...あれ、でもボクが先に死んだらどうするのだ?」