ずん
「20年かけて復讐って...ボク3日前の恨みすら忘れるのだ。こんなの執念深すぎるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、ずん殿は昨日の晩飯すら忘れるでやんす。20年間の復讐計画なんて、おいらからすれば物理学の研究論文を書くのと同じくらい当然でやんすよ。」
やきう
「ワイなんか、10年前にコンビニで店員にタメ口きかれたの未だに根に持っとるで。復讐する金も根性もないだけや。」
でぇじょうぶ博士
「でも、この映画は3時間近くあって940万人も観たんでやんす。現代人は復讐劇に飢えているのかもしれないでやんすねぇ。」
ずん
「3時間!?ボクのスマホのバッテリーが持たないのだ!」
やきう
「お前みたいなんがおるから、映画館でスマホ触るなって注意書きが増えるんやろが。クソ迷惑や。」
でぇじょうぶ博士
「まぁまぁ。それより注目すべきは、10年かけてトンネル掘って脱獄した後、さらに6年準備してるんでやんす。16年も下積みでやんすよ。」
ずん
「え、じゃあ復讐本番は4年だけなのだ?コスパ悪すぎるのだ!」
やきう
「復讐にコスパ求めんなや。そういうとこやぞ、お前がモテへん理由は。」
でぇじょうぶ博士
「でもずん殿の言う通り、準備期間長すぎでやんすね。おいらなんか論文の締め切り前日にならないと本気出せないでやんす。」
やきう
「しかもこいつ、莫大な財宝手に入れとるのに、それ使って遊ばんと復讐に全振りしとるんやろ?ワイなら速攻でタワマン買うてキャバ嬢侍らせるわ。」
でぇじょうぶ博士
「やきう殿...それは違うでやんす。真の復讐とは、相手の人生を完全に破壊することでやんす。半端な金持ち自慢なんて復讐のうちに入らないでやんす。」
ずん
「でも結末は清廉らしいのだ。つまり全部許しちゃうってことなのだ?20年無駄にしたのだ!」
やきう
「そらそうやろ。復讐完遂したら後味悪いって客が文句言うからな。最近の映画は全部そうや。ヌルいんじゃボケ。」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、これは武士道精神が感じられるって評価もあるでやんす。復讐の果てに見出す赦しこそが、人間の成長でやんす。おいらも査読で論文ボロクソに言われたとき、復讐したくなったでやんすけど...」
やきう
「つーか、親友に裏切られて恋人も奪われて、検事にまでハメられるとか、どんだけ人望ないねん。むしろ本人に問題あったんちゃうか。」
でぇじょうぶ博士
「...やきう殿、それは言い過ぎでやんす。無実の罪でやんすよ?おいらだって学会で濡れ衣着せられたことあるでやんす...」
でぇじょうぶ博士
「...お、おいらはシロでやんす!たまたま実験データが改ざんされてるように見えただけでやんす!」
やきう
「それアウトやんけ。お前も監獄行きやで。」
でぇじょうぶ博士
「むしろおいらは20年かけて名誉挽回の論文書くでやんす...それが科学者の復讐でやんす。」
やきう
「地味すぎて草。そんなん誰も覚えてへんわ。」
ずん
「でもこの映画、説明台詞が多すぎるって批判もあるのだ。3時間で詰め込みすぎなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それは仕方ないでやんす。原作は超大作でやんすからね。ラノベじゃないんでやんす。」
やきう
「ラノベ的って書いてあるやんけ。お前文章読めてへんのか。モテない上に文盲とか終わっとるな。」
でぇじょうぶ博士
「う...でもこれは壮大な復讐劇でやんす!編集のリズムもいいって評価されてるでやんす!」
ずん
「博士必死すぎるのだ。そんなに復讐映画好きなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「...おいらもちょっと憧れるでやんす。20年かけて何かを成し遂げるって、ロマンがあるでやんす。」
やきう
「お前の研究なんか誰も注目してへんのに、何ロマン語っとんねん。現実見ろや。」
ずん
「やきうさんも何か20年かけてることあるのだ?」
やきう
「ワイは20年かけてニートやっとる。これも立派な継続や。」
でぇじょうぶ博士
「それは継続とは言わないでやんす...!むしろ停滞でやんす!」
ずん
「でも映画の主人公は、最後愛を信じる綺麗な目になるらしいのだ。やきうさんの目は...」
やきう
「言うな。ワイの目は20年間モニター見続けた結果、死んだ魚の目や。」
でぇじょうぶ博士
「自覚があるなら外出するでやんす...!」
ずん
「じゃあボクも20年かけて何か復讐するのだ!まず誰に復讐すればいいのだ?」
やきう
「お前が恨むべきは、お前を産んだ親やろ。」
でぇじょうぶ博士
「やきう殿、それは哲学的すぎるでやんす...!」
ずん
「ちょ、ちょっと待つのだ!ボクは親に感謝してるのだ!じゃあ...上司なのだ!上司に復讐するのだ!」
でぇじょうぶ博士
「...ずん殿は働いてない設定でやんすか?おいら知らなかったでやんす。」
ずん
「えっ...あっ...その、ボクは優秀なエリート会社員のはずなのだ...!」
やきう
「設定崩壊しとるやんけ。もうメチャクチャや。」
でぇじょうぶ博士
「まぁまぁ。とにかくこの映画は、現代人が失った『信念を貫く』精神を思い出させてくれる作品ってことでやんす。」
ずん
「つまり...20年かけて復讐するより、20年かけてダラダラ生きる方が現代的ってことなのだ!ボクたち時代の最先端なのだ!」