ずん
「博士、Twitterで『性癖』って言葉が炎上してるのだ。ボクの理解では『性癖』って、その...アレな趣味のことじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「やれやれ...ずん君、それこそが現代のネット社会が生み出した壮大な勘違いでやんすよ。本来『性癖』は生まれ持った性質や癖を指す言葉でやんす。」
やきう
「ほーん。ワイずっと間違うて使うてたわ。でも今更正しい意味で使ったら、周りからエロい奴扱いされるやんけ。」
でぇじょうぶ博士
「まさにそれが言語の変化の恐ろしさでやんす。誤用が多数派になった瞬間、正用が異端として排除されるでやんすからね。まるで民主主義の多数決で真実が決まるような話でやんす。」
ずん
「じゃあボクが『高市氏の性癖』って言ったら、みんなドン引きするってことなのだ?」
やきう
「当たり前やろ。お前、政治家の性的嗜好を公の場で語るとか、社会的に死にたいんか。」
でぇじょうぶ博士
「興味深いのは『喘ぎ声』も同じ運命を辿っているでやんす。1970年代の書籍では25件中14件が非性的な文脈で使われていたでやんす。」
ずん
「えぇ...?じゃあ『国民の喘ぎ声』って普通に苦しんでる声ってことなのだ?」
やきう
「それをTwitterで言うたら、絶対『国民エッチすぎやろwww』ってリプ飛んでくるで。もう手遅れや。」
でぇじょうぶ博士
「SNSが言葉の本来の意味を破壊する速度は、おいらの計算によると従来の100倍でやんす。拡散力が圧倒的でやんすからね。」
ずん
「じゃあ辞書って何のためにあるのだ?みんな見ないなら意味ないじゃん。」
やきう
「辞書見る奴なんて、今どき博士みたいなモテないオタクだけやろ。普通の人間はTwitterで多数決取って言葉の意味決めとるんや。」
でぇじょうぶ博士
「ぐぬぬ...反論できないのが悔しいでやんす。でも言語学的には、使用者の多数が認識する意味が事実上の『正しい意味』になってしまうでやんす。」
ずん
「つまり、間違いが正解になる時代ってことなのだ?」
やきう
「せや。多数決が真実を作る時代や。ワイは正しい日本語なんて使わんでええと思うとるで。通じればええねん。」
でぇじょうぶ博士
「しかし問題は、古典文学や過去の文書を読む時でやんす。『性癖』が本来の意味で使われている文章を、現代人が誤解する可能性があるでやんす。」
ずん
「あー、夏目漱石とか読んでて『この登場人物エロすぎなのだ!』って勘違いするパターンなのだ。」
やきう
「草。文豪が変態扱いされる時代とか、地獄やな。」
でぇじょうぶ博士
「言語の変化自体は自然現象でやんす。問題なのは、変化のスピードが速すぎて世代間の断絶が生まれることでやんす。30年前の文章が理解できない社会になるでやんす。」
ずん
「でも博士、言葉なんて時代で変わるものじゃないのだ?『ヤバい』だって昔は悪い意味だけだったのに、今は『ヤバい美味い』とか言うのだ。」
やきう
「確かにな。言語の純粋性とか守ろうとする奴って、結局時代に取り残されたい老害なんちゃうか。」
でぇじょうぶ博士
「むむむ...たしかに一理あるでやんす。言語は生き物でやんすからね。ただ、変化を記録し、理解することは重要でやんす。」
ずん
「じゃあボクはこれからどうすればいいのだ?正しい意味で使ったら変態扱いされるし、間違った意味で使ったら博士に怒られるのだ。」
やきう
「簡単や。『性癖』って言葉を使わんかったらええんや。『性格』とか『趣味』とか言うたらええやろ。」
でぇじょうぶ博士
「それは言語の敗北でやんす!誤用を恐れて語彙を放棄するなんて、まるで...」
でぇじょうぶ博士
「ぐぬぬ...要するに、言葉の意味は使う人間が決めるでやんす。多数派が変えれば、それが新しい『正しさ』になるでやんす。」
ずん
「つまり民主主義の勝利なのだ!多数決最強なのだ!」
やきう
「お前、それ独裁政治でも同じこと言えるんか?多数派が『これが正しい』言うたら、間違うてても従うんか?」
でぇじょうぶ博士
「やきう君、鋭い指摘でやんす。言語における『正しさ』と『多数派』の関係は、まさに民主主義の問題点を映し出しているでやんす。」
ずん
「難しいのだ...じゃあボクは『性癖』って言葉、もう使わないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それは悲しいでやんすね...言葉が失われていく瞬間でやんす。」
ずん
「でもさ、博士。言葉って結局コミュニケーションの道具なのだ。相手に誤解されるくらいなら、使わない方がマシなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「むむむ...ずん君の言う通りでやんす。言語の本質は意思疎通でやんす。正確性より伝達性が優先されるのも理解できるでやんす。」
ずん
「そうなのだ!だからボクは今後『性癖』の代わりに『エッチな趣味』って言うことにするのだ!誤解のしようがないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「ずん君...それは明確化ではなく、下品化でやんす...」
ずん
「えぇ?だって正直が一番なのだ!言葉の曖昧性を排除したのだ!ボク天才なのだ!」