ずん
「片目失ってメジャーデビューとか、マジで映画みたいな話なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「むむむ、おいらの研究によると、人間は絶望的状況でこそ真価を発揮するでやんす。彼女はまさにその生きた証明でやんすね。」
やきう
「ワイ、両目あるのに何も成し遂げてへんわ。これは草も生えん。」
ずん
「でもさ、海外行って歌うって、ボクには無理すぎるのだ。だって言葉通じないし...」
でぇじょうぶ博士
「そこが面白いポイントでやんす。彼女は海外で『左目どうしたの?』と率直に聞かれて、むしろ救われたんでやんす。日本人特有の『空気読む文化』が、時に当事者を苦しめる典型例でやんすね。」
やきう
「なるほどな。日本人は傷に触れんように気ィ使いすぎて、逆にギクシャクするんか。」
ずん
「つまり、外国人の方が優しいってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「違うでやんす。優しさの『表現方法』が異なるだけでやんす。日本は配慮という名の無視、海外は率直という名の関心でやんす。どちらも一長一短でやんすよ。」
やきう
「でも障がい者支援の仕事辞めて歌手って、リスキーすぎやろ。」
でぇじょうぶ博士
「そこが彼女の凄いところでやんす。『支援される側』じゃなく『勇気を与える側』になりたかった。これは弱者ポジションからの脱却という、社会学的にも興味深い選択でやんすね。」
ずん
「でもさ、ボクだったら安定した仕事選ぶのだ。歌手なんて売れるか分からないし...」
やきう
「お前、すでに何も選べてへんやろがい。ニートのくせに偉そうやな。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに、片目を失うと遠近感が狂うでやんす。ステージで歌うのは相当な訓練が必要でやんすよ。」
ずん
「えっ、じゃあボクが片目になったら、もう二度とゲームできないってことなのだ!?」
やきう
「そこかよ。お前の人生、ゲームしかないんか。」
でぇじょうぶ博士
「実はおいらも昔、研究中の事故で右目の視力が0.1まで落ちたでやんす。でも研究への情熱は失わなかったでやんすよ。」
でぇじょうぶ博士
「...全く関係ないでやんす(涙)。むしろ眼鏡姿が知的でモテると思ってたでやんすが。」
やきう
「知的とキモいは紙一重やからな。ワイも気をつけな。」
ずん
「でも正直、『片目シンガー』って名乗るのすごくないのだ?ボクだったら隠したくなるのだ。」
でぇじょうぶ博士
「それこそが彼女の戦略でやんす。弱点を隠すのではなく、アイデンティティに昇華させた。これはブランディングの教科書に載せるべき事例でやんすね。」
やきう
「まあ確かに、忘れられへん名前やな。インパクト抜群や。」
ずん
「じゃあボクも『ニートシンガー』として売り出せばいいのだ!?」
でぇじょうぶ博士
「ずん君、勘違いしてるでやんす。彼女は『片目だから応援される』のではなく、『困難を乗り越えた姿勢』に人々が共感してるんでやんすよ。」
やきう
「要するに、お前は何も乗り越えてへんってことや。毎日乗り越えとるんは布団だけやろ。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに、彼女がSNSで歌を発信してたのは賢明でやんす。今の時代、才能さえあれば事務所に所属せずとも注目を集められるでやんすからね。」
ずん
「じゃあボクもSNSで何か発信すればバズるのだ!」
やきう
「お前が発信するもんなんてあるんか?『今日も一日布団でゴロゴロ』とか?」
でぇじょうぶ博士
「彼女の歌を一度聴いてみることをおすすめするでやんす。おいらは涙腺が崩壊したでやんすよ。」
やきう
「博士、お前すぐ泣くやん。この前も猫の動画で泣いとったやろ。」
ずん
「でもさ、19歳で失明とか、人生終わったって思っちゃうよね普通...」
でぇじょうぶ博士
「そこでやんす。彼女は『終わった』ではなく『始まった』と捉えた。この認知の転換こそ、心理学で言う『ポストトラウマティック・グロース』でやんす。」
でぇじょうぶ博士
「つまり、トラウマ体験を経て、逆に人間的成長を遂げることでやんす。彼女はまさにそれを体現してるでやんすね。」
ずん
「なるほど...じゃあボクのニート生活も、いつか成長の糧になるのだ!?」
でぇじょうぶ博士
「ずん君、彼女と君の違いは『行動したかどうか』でやんす。彼女は世界を旅して、オーディションを受けて、メジャーデビューした。君は...?」
ずん
「ボクは...布団から世界を見てるのだ(小声)」
ずん
「でも最後に一つ気になるのだ。彼女、これからどうなるのだ?歌手として成功するのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは誰にもわからないでやんす。でも彼女はもう『成功』してるとおいらは思うでやんす。自分の人生を取り戻し、夢に向かって歩み始めた時点で勝者でやんすよ。」
やきう
「深いこと言うやん。でも音楽業界は厳しいで。才能だけじゃ食ってけへん。」
ずん
「じゃあボクが彼女のファンクラブ作って応援するのだ!」
ずん
「むむむ...じゃあボクも何か頑張らないとダメなのだ?」
ずん
「よし決めたのだ!明日から本気出すのだ!...明日からね」