ずん
「ねぇ博士、最近なんか日本の空気がヤバくないのだ?文化人が政治的発言したら炎上して、中国公演中止とか...これって民主主義国家なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「むむむ、ずん君、実に鋭い指摘でやんす。七尾旅人氏が指摘しているのは、まさに『空気の支配』という日本社会の病理でやんす。能登支援や犬の治療中にまで罵倒メッセージが届く状況は、もはや言論の自由という民主主義の根幹が腐食し始めている証拠でやんす。」
やきう
「はぁ?文化人が政治語るとか生意気やろ。黙って歌っとけばええんや。ワイらサラリーマンは我慢してんのに、芸能人だけ好き勝手言うとか許されへんで。」
かっぱ
「おいおい、それこそ『出る杭は打たれる』の日本的同調圧力やん。お前みたいなんが一番危ないねん。」
ずん
「でも実際、中国公演が中止になったら経済的にキツいんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そこが面白いところでやんす。七尾氏が指摘するように、文化・エンタメ業界の中国依存度は実は極めて低いでやんす。彼らが中国に行くのは経済的理由ではなく、友情や音楽交流が目的でやんす。つまり『サプライチェーンの再構築』なんて助言は的外れでやんす。むしろ今後、製造業や観光業など経済依存度の高い分野にこそ『経済制裁』の波が押し寄せる可能性があるでやんす。」
やきう
「けどな、『国益を損なう』って自民党が言うとるやろ?やっぱ反日やんけ。」
かっぱ
「お前、自民党広報のSNS投稿読んだか?『認識を示すことが国益を損なう』って、これ思想統制やで。戦時中の『非国民』認定と何が違うねん。」
ずん
「確かに...デモ参加者が顔にモザイクかけてるって、本当に怖いのだ。日本って自由な国じゃなかったのだ?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。七尾氏が最も危惧しているのは、この『萎縮の連鎖』でやんす。まず文化人が叩かれ、次に一般市民が顔を隠してデモに参加し、やがて誰も声を上げられなくなる。これはまさに1930年代の日本が辿った道でやんす。検閲から自己検閲へ、そして相互監視社会へ。気づいた時には誰も止められない暴走が始まっているでやんす。」
やきう
「大げさやろ。今は戦前と違うで。ネットもあるし、情報は自由や。」
かっぱ
「ネットがあるからこそ、匿名の誹謗中傷が加速しとるんやろが。七尾氏が言うとるように、『黙れ、殺すぞ』っちゅう脅迫が日常化しとる。これのどこが自由やねん。」
ずん
「じゃあ博士、七尾氏が言う『文化交流こそ安全保障』ってどういう意味なのだ?音楽フェスで日中台のミュージシャンが仲良くしたって、軍事的緊張は解決しないんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「ふむふむ、良い質問でやんす。七尾氏は、文化交流が『軍拡よりも強靭な安全保障』だと言っているでやんす。これは一見、理想論に聞こえるでやんすが、歴史を見れば明らかでやんす。戦後日本が国際社会で愛されたのは、政治家ではなく、アニメ、音楽、料理、技術といった民間交流があったからでやんす。パレスチナでも、政治が解決できなかった対立を、草の根の文化交流が緩和してきた例があるでやんす。つまり、人と人との信頼関係こそが、最終的に戦争を防ぐ最強の盾になるということでやんす。」
やきう
「きれいごとやな。中国が攻めてきたら、音楽で止められるんか?」
かっぱ
「お前、逆やろ。中国に友達がおったら、その友達を殺す戦争に賛成できるか?文化交流ってのは、『敵』を『人間』に変える力があるんや。それを断ち切ろうとしとるのが、今の日本政府と、お前みたいな匿名の攻撃者やねん。」
ずん
「うーん、でも実際、中国って独裁国家だし、警戒するのは当然なんじゃないのだ?七尾氏だって中国擁護してるわけじゃないでしょ?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。七尾氏は中国政府を擁護しているわけではないでやんす。彼が批判しているのは、日本国内で起きている『言論封殺』と『萎縮の連鎖』でやんす。中国を警戒するのと、国内で異論を許さない空気を作るのは、全く別の問題でやんす。むしろ、独裁国家を批判するなら、日本こそ言論の自由を守らなければ説得力がないでやんす。」
やきう
「けど、芸能人が政治語るのはおかしいやろ。専門外のくせに。」
かっぱ
「お前、民主主義って知っとるか?政治を語る権利は全ての国民にあるんやで。『専門外は黙れ』って、それこそ全体主義やんけ。」
ずん
「じゃあ、ボクたちは何をすればいいのだ?このまま空気に流されて、戦争に突入しちゃうのだ?」
でぇじょうぶ博士
「七尾氏が最後に訴えているのは、まさにその点でやんす。『いわれのない罵詈雑言に屈せず、自分の言葉と愛するものを大切にし、平和への道を冷静に模索する』ことでやんす。今、文化・エンタメ業界への圧力を黙認すれば、次は他の分野、そしてあなた自身にも波及するでやんす。『黙認は拡大を招く』という歴史の教訓を忘れてはいけないでやんす。」
やきう
「...まぁ、ワイも会社でパワハラ受けとるし、気持ちは分からんでもないわ。」
かっぱ
「お前、ようやく人間らしいこと言うたな。権力に屈する空気は、結局お前みたいな弱者を一番最初に押し潰すんやで。」
ずん
「博士、でもさ、『空気』ってどうやって変えればいいのだ?みんなが怖がってる中で、一人で声を上げるのは無理ゲーなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「ふむふむ、確かに一人で戦うのは難しいでやんす。しかし、七尾氏のように声を上げる人が増えれば、『空気』は変わるでやんす。歴史を見ても、最初に声を上げた少数の人々が、やがて大きなうねりを生んできたでやんす。そして何より、あなた自身が『黙らない』ことが、次に声を上げる誰かの勇気になるでやんす。」
やきう
「...ワイも、会社の理不尽には文句言うてもええんかな。」
かっぱ
「当たり前やろ。お前が黙っとったら、次の新人も同じ目に遭うんやで。」
ずん
「でも博士、結局のところ、この問題って解決するのだ?それとも、また戦争に向かっちゃうのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それはわれわれ一人一人の選択次第でやんす。七尾氏が警鐘を鳴らしているのは、まさに『今ならまだ間に合う』というメッセージでやんす。感情的な煽り合いを加速させ、東アジアの緊張を高めることは、先の大戦以上の惨禍をもたらす可能性があるでやんす。しかし、冷静に平和への道を模索し、人と人との信頼関係を守り抜けば、まだ引き返せるでやんす。」
やきう
「...まぁ、戦争になったら、ワイも困るしな。ネトゲできへんようなるし。」
かっぱ
「お前、そこかい。まぁ、それでもええわ。自分の大切なもんを守りたいって気持ちが、結局は平和に繋がるんやから。」
ずん
「じゃあボク、とりあえず好きなアーティストのライブには行き続けるのだ!それが平和への第一歩なのだ!...あれ、これってただの言い訳なのだ?」