**ずん
**「なろう系の漫画が9巻も続いてるって、これ完全にバブルなのだ!」
**でぇじょうぶ博士
**「バブルというより、もはや定着した文化でやんすね。『俺、勇者じゃないですから。』はMMOゲームに転生した主人公の物語で、VR世界の頂点から転生してレベル1の無職スタートという設定でやんす。まるで、プロ野球選手が草野球チームに入団するようなものでやんすね」
**かっぱ
**「ん?それって結局、最強の奴が弱いフリして無双するやつやろ?もうその展開飽きたわ」
**ずん
**「でも9巻まで続いてるってことは、みんな好きなんじゃないのだ?」
**でぇじょうぶ博士
**「その通りでやんす。この作品は『小説家になろう』という投稿サイト発でやんすが、読者の需要を正確に捉えているでやんす。文春オンラインで連載し、ピッコマで有料配信、さらに分冊版まで展開する多角的戦略でやんす」
**かっぱ
**「文春がなろう系やるって、なんか意外やな。文藝春秋いうたら硬派な文芸やないんか」
**やきう
**「ワイ的には、文春が『なろう系』に手を出した時点で、もう純文学は死んだと思うで。結局、金になるもん追いかけとるだけやんけ」
**ずん
**「でもそれって商売として正しいんじゃないのだ?売れるもの作るのは当然なのだ」
**でぇじょうぶ博士
**「まさにその通りでやんす。出版不況の中、なろう系は確実に売れるコンテンツでやんす。既に熱心なファンベースがあり、アニメ化・ゲーム化などメディアミックスもしやすいでやんす。文春のような老舗出版社が生き残るには、こうした柔軟性が必要でやんすね」
**かっぱ
**「でも『クソガキカワイイ神様登場』って紹介文、これ大丈夫なんか?子供向けやないんやろ?」
**やきう
**「それな。『クソガキ』って普通に放送禁止用語やろ。文春の編集、頭おかしなっとるんちゃうか」
**ずん
**「あ、でもこれって逆に読者の心を掴むテクニックかもしれないのだ。硬いイメージの文春が砕けた表現使うことで、親近感出してるのだ!」
**でぇじょうぶ博士
**「鋭い指摘でやんす、ずん。これは『炎上マーケティング』に近い手法でやんすね。あえてカジュアルな、というより下品すれすれの表現を使うことで、SNSでの拡散を狙っているでやんす。議論を呼ぶこと自体が宣伝になるでやんすから」
**かっぱ
**「なるほどな。でも第50話て、結構続いとるやん。人気あるんやな」
**やきう
**「50話も続いて、まだお嬢様と勇者がすれ違っとるんか。これ絶対引き延ばしやろ。さっさとくっつけや」
**ずん
**「でもそれが面白いんじゃないのだ?すぐ結ばれたら終わっちゃうのだ」
**でぇじょうぶ博士
**「恋愛要素の引き延ばしは、少年漫画の定番手法でやんす。『タッチ』も『めぞん一刻』も、何年も引っ張ったでやんすからね。読者は焦らされることに快感を覚える、まるでパチンコの当たり前演出のようなものでやんす」
**かっぱ
**「パチンコに例えるなや。でも確かに、すぐ結ばれたらつまらんわな」
**やきう
**「ワイはもうこういう展開飽きたわ。どうせ最後は主人公が世界救って、ヒロインと結ばれるんやろ?ワンパターンすぎるねん」
**やきう
**「ワイは現実的なやつや。転生なんかせんでも、普通に努力して成功する話の方がよっぽど面白いわ」
**でぇじょうぶ博士
**「それは建前でやんす。実際のところ、現代人は『努力→成功』という因果関係を信じられなくなっているでやんす。だからこそ『転生』という理不尽な幸運に憧れるでやんすね。宝くじを買う心理と同じでやんす」
**かっぱ
**「宝くじか...確かにな。努力が報われん時代やもんな」
**ずん
**「つまりなろう系って、現代社会の絶望の裏返しってことなのだ?」
**でぇじょうぶ博士
**「その通りでやんす。転生ものが流行るのは、現実に希望が持てない証拠でやんす。まるで江戸時代の人々が『浄土』に憧れたように、現代人は『異世界』に救いを求めているでやんす」
**やきう
**「それって結局、現実逃避やんけ。ワイは認めんで」
**かっぱ
**「お前も十分現実逃避しとるやろ。毎日なんJに張り付いとる癖に」
**やきう
**「うるさいわ!ワイは社会批評しとるんや!」
**ずん
**「まあまあ。でもこの作品、ピッコマで有料配信してるってことは、結構稼いでるんじゃないのだ?」
**でぇじょうぶ博士
**「稼いでるどころの話じゃないでやんす。ピッコマは『待てば無料』システムで読者を囲い込み、課金させる天才的なビジネスモデルでやんす。おそらく単行本と合わせて、億単位の売上があるでやんすね」
**かっぱ
**「億か...。漫画家って儲かるんやな」
**やきう
**「でも原作者と漫画家で分け合うんやろ?それに出版社も取るし、実際の取り分は少ないやろ」
**ずん
**「それでも普通のサラリーマンよりは稼げそうなのだ」
**でぇじょうぶ博士
**「残念ながら、それは一部の成功者だけでやんす。なろう系作家は数万人いますが、そのうち食えるのは数百人程度でやんす。まるで、プロ野球選手になれるのは甲子園球児の0.1%以下というのと同じでやんす」
**かっぱ
**「夢がないな...。でも挑戦する価値はあるんちゃうか?」
**やきう
**「ないない。どうせ運やろ。才能があっても埋もれる奴ばっかりや」
**ずん
**「でもこの作品は成功してるじゃないのだ。何が良かったのだ?」
**でぇじょうぶ博士
**「タイミングでやんす。なろう系ブームの波に乗れたこと、そしてMMOという題材が当時新鮮だったことでやんす。今では飽和状態でやんすが、この作品が始まった頃はまだブルーオーシャンだったでやんすね」
**やきう
**「結局、運ゲーやんけ。努力とか関係ないやん」
**ずん
**「でも連載50話も続けるのって、努力じゃないのだ?」
**でぇじょうぶ博士
**「その通りでやんす。週刊連載を続けるのは、マラソンを走り続けるようなものでやんす。才能だけでは続きません。継続力と体力、そして精神力が必要でやんすね」
**かっぱ
**「漫画家って大変やな。ワイには無理や」
**やきう
**「ワイも無理。そもそも絵が描けへんし」
**ずん
**「ボクも無理なのだ。でも読む側でいるのは楽しいのだ!」
**でぇじょうぶ博士
**「それが正しい楽しみ方でやんす。全員がクリエイターになる必要はないでやんす。消費者として作品を楽しみ、応援することも立派な貢献でやんすね」
**かっぱ
**「ところでこの作品、どういう終わり方するんやろな?」
**やきう
**「どうせハッピーエンドやろ。主人公が世界救って、ヒロインと結婚して終わりや」
**ずん
**「それでいいんじゃないのだ?ハッピーエンドが一番なのだ!」
**でぇじょうぶ博士
**「なろう系の読者はハッピーエンドを求めているでやんすからね。バッドエンドにしたら大炎上でやんす。作者は読者の期待に応えるのが仕事でやんす」
**かっぱ
**「でもそれって、作者の表現の自由を制限しとるんちゃうか?」
**やきう
**「そうや!作者は読者の奴隷かよ。好きに書かせたれや」
**ずん
**「でも売れなかったら意味ないのだ。商業作品なんだから、読者の需要に応えるのは当然なのだ」
**でぇじょうぶ博士
**「まさに永遠のジレンマでやんす。芸術性と商業性のバランスでやんすね。純文学は芸術性を、ラノベは商業性を重視するでやんすが、どちらが正しいということはないでやんす」
**やきう
**「どうでもええわ。ワイは面白けりゃなんでもええ」
**ずん
**「結局それが一番大事なのだ!面白いかどうかなのだ!」
**でぇじょうぶ博士
**「その通りでやんす。『面白い』という主観的な価値が、すべてを決めるでやんす。芸術論も商業論も、結局は『面白さ』という基準に収束するでやんすね」
**ずん
**「ボクも読んでないのだ。でも9巻も続いてるってことは、面白いんじゃないのだ?」
**でぇじょうぶ博士
**「売れている=面白い、とは限らないでやんすが、少なくとも『需要がある』ことは確かでやんす。そして需要があるということは、何らかの価値があるということでやんすね」
**かっぱ
**「なんかよう分からんけど、とりあえず読んでみるかな」
**やきう
**「ワイは読まんで。どうせ時間の無駄や」
**ずん
**「時間の無駄って言うなら、こうやって喋ってる時間も無駄なのだ!むしろ無駄にする時間が人生を豊かにするのだ!ボクたち、こんな不毛な会話してるけど、実はこれこそが最高の娯楽なのだ!」