ずん
「博士、フェンシングの試合で人が死ぬとか、マジで起こるのだ?もう競技じゃなくてバトルロワイヤルなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「稀ではありますが、実際に折れた剣で死亡事故は起きているでやんす。この映画は台湾の実際の事件がモチーフなんでやんすよ。」
やきう
「ワイ、フェンシングなんて金持ちの道楽やと思っとったわ。まさか殺人現場になるとは思わんかったで。」
ずん
「でもさ、7年も刑務所入ってたってことは、事故じゃなかったってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そこが本作の核心でやんす。兄は『事故だ』と主張し続けているでやんすが、誰も信じてくれなかったんでやんすね。」
やきう
「せやけど、母親が息子のこと邪悪とか言うの、普通にヤバいやろ。毒親オブザイヤーやんけ。」
ずん
「川で溺れた時に助けなかったって、そんなんで人格否定されるとか理不尽すぎるのだ!ボクも昔、友達が溺れてる時に見てたけど、怖くて動けなかっただけなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「...それ普通に最低でやんすよ、ずん。」
やきう
「お前、そんなクズエピソード何でサラッと言えるんや。友達おらんくなったやろ。」
ずん
「え、でもボクは邪悪じゃないのだ!ただのビビりなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「弟のジージエは母親の言葉に洗脳されて兄を疑うわけでやんすが、実際に接してみると兄が弟思いで変わってないことに気づくんでやんす。」
やきう
「毎晩練習見守るとか、ストーカー気質やん。刑務所で学んだのは忍耐力だけか?」
ずん
「でも優しい兄貴じゃん!ボクにもそういう兄貴ほしかったのだ。ボクの兄貴なんてボクのプリン勝手に食うクズなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「...その程度でクズ認定するなら、世の中クズだらけでやんす。まあ実際そうでやんすけど。」
やきう
「しかしなんやねん、『ニューロティックなミステリー』て。神経質な謎解きってことか?」
でぇじょうぶ博士
「精神的に不安定な状態が絡むミステリーという意味でやんす。母親の言葉で洗脳された弟が、兄の真実を見極められるかどうかがキモなんでやんすよ。」
ずん
「つまり、信じるか信じないかはあなた次第ってやつなのだ?」
やきう
「それ都市伝説やん。お前ホンマにアホやな。」
でぇじょうぶ博士
「この映画の肝は、『衝撃のラスト』にあるでやんす。弟の一言が全てをひっくり返すんでやんすよ。」
ずん
「えー、ネタバレしないでほしいのだ。でも気になるのだ。結局、兄貴は本当に事故だったのだ?それとも故意なのだ?」
やきう
「どっちでもええやん。7年も入っとったんなら、もう社会的には終わっとるで。フェンシングなんかやってる場合ちゃうわ。」
でぇじょうぶ博士
「そこが面白いポイントでやんす。出所後もフェンシングに関わり続けるという事実が、兄の無実を証明しているようにも見えるでやんすし、逆に執着を感じさせるようにも見えるでやんす。」
ずん
「なるほど...つまり観客の解釈次第ってことなのだ。でもボクは絶対に兄貴は無実だと思うのだ!だって弟思いなんでしょ?」
やきう
「お前ホンマに単純やな。サイコパスほど表面上は優しいもんやで。」
でぇじょうぶ博士
「台湾映画は近年クオリティが急上昇しているでやんす。この作品も長編デビュー作とは思えないほど洗練されているでやんすよ。」
ずん
「じゃあボクも観に行くのだ!でも怖いのは嫌なのだ。ホラーじゃないよね?」
ずん
「ひどいのだ!でも確かに、人間の心の闇が一番怖いのかもしれないのだ...ボクの心には闇なんて一切ないけどね!プリン食われた恨みしかないのだ!」