ずん
「少女漫画の編集者がおじさんだったって、今更気づいたのだ!?」
やきう
「そらそうやろ。お前、ずん賢いとか言うてたくせに、そんなんも知らんかったんか。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、当時の編集者は男性が大半だったでやんす。女性の感性を理解するために、スカートを履いて出勤した編集者もいたという伝説があるでやんす。」
ずん
「え、マジなのだ!?それってただの変態じゃないのだ?」
かっぱ
「変態やないわ。それが仕事への情熱ちゅうもんや。お前、そういう熱意あるんか?」
ずん
「ボクは賢いから、スカート履かなくても女子の気持ちわかるのだ。」
やきう
「童貞のくせに何言うてんねん。お前、女子と話したことすらないやろ。」
でぇじょうぶ博士
「実は70年代の少女漫画編集部は、まるで戦場でやんした。週刊連載と別冊の両立、締め切りに追われる日々。おいらの計算によれば...いや、とにかく過酷だったでやんす。」
かっぱ
「で、大島さんは10年間も書けんかったんやろ?なんでや?」
でぇじょうぶ博士
「それは作品の焦点が定まらなかったからでやんす。少女漫画家の話なのか、読者の話なのか、それとも時代の話なのか。でも編集者という視点を見つけた途端、全てが繋がったでやんすね。」
ずん
「つまり、おじさんの存在が物語のキーだったってことなのだ?」
やきう
「ワイもおじさんやけど、誰も物語にしてくれへんで。不公平やんけ。」
かっぱ
「お前の人生、誰も興味ないからや。当たり前やろ。」
でぇじょうぶ博士
「でやんすね。当時の編集者たちは、少女たちの夢を作るために、自分の青春を犠牲にしたでやんす。まるで影の立役者でやんすよ。」
ずん
「なるほどなのだ。でもボクが思うに、一番大変だったのは締め切りに追われる漫画家さんたちなのだ!」
やきう
「また他人事みたいに言うてるわ。お前、締め切り守ったことあるんか?」
かっぱ
「ないやろな。こいつ、夏休みの宿題も8月31日に泣きながらやってたタイプやろ。」
ずん
「う...それは...ボクは計画的に最後の日にやってたのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それは計画的とは言わないでやんす。でも面白いのは、この物語が2014年の「わたしのマーガレット展」から10年かけて完成したという点でやんす。」
やきう
「10年て...おせーわ。その間に少女も婆さんになっとるやんけ。」
かっぱ
「まあでも、熟成させた結果が直木賞作家の新作やからな。ワインと一緒で、時間かけた分だけ深みが出るもんや。」
ずん
「ふむふむ、なるほどなのだ。じゃあボクも10年寝かせれば、何か凄いもの書けるかもしれないのだ!」
やきう
「お前が10年寝かせるんは、布団の中の自分だけやろ。」
でぇじょうぶ博士
「やんすね。重要なのは、大島さんが少女時代の思い出と、大人になってから知った裏側の現実を、見事に融合させたことでやんす。読者だった自分と、創作者としての自分の視点が交差する瞬間、物語は生まれるでやんす。」
かっぱ
「つまり、少女漫画を作ってたんは、実はおっさんたちの汗と涙と徹夜の賜物やったってことやな。」
ずん
「うーん、でもさ、結局のところ少女漫画ってどこまで女性のものなのか、男性のものなのか、わかんなくなってきたのだ。」
やきう
「そんなん、誰のものでもええやろ。面白けりゃええねん。お前みたいに、カテゴライズしたがる奴が一番うざいわ。」
かっぱ
「せやな。大事なんは、誰が作ったかやなくて、それで何人の心を動かせたかや。100万人の少女を熱狂させたんやから、それが答えやろ。」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。そして今、その舞台裏を描いた物語が、また新たな読者の心を動かしているでやんす。これぞ創作の連鎖でやんすね。」
ずん
「よーし、ボクも70年代風の漫画を描いて、100万人を熱狂させるのだ!まずはスカートを買いに行くのだ!」