ずん
日本の漫画って世界中の歴史を描きすぎなのだ。もしかして日本人って暇なのだ?
でぇじょうぶ博士
違うでやんす。これは明治以降の翻訳文化が生んだ奇跡でやんす。日本語で世界中の情報にアクセスできる環境は、実は世界的に見ても超レアケースでやんすよ。
やきう
ほーん。で、それがなんぼのもんや。ワイかて英語で調べられるで。
でぇじょうぶ博士
そう思うでやんすよね。でも例えばヴァイキングの歴史を調べるとき、北欧の人は英語やラテン語の資料にあたらないといけないでやんす。でも日本人は日本語で翻訳された資料が山ほどあるでやんす。
ずん
つまり、ボクたちは知識のビュッフェ食べ放題状態ってことなのだ?
やきう
そんなもん誰が得するんや。アサクリが炎上したんも畳が四角とか、基本的なとこで躓いとるやんけ。
でぇじょうぶ博士
まさにそこでやんす!海外クリエイターは日本を描くのに日本語という壁があるでやんす。でも日本人クリエイターは日本語でフランス革命もヴァイキングも調べられるでやんす。これが情報格差でやんすね。
ずん
じゃあ逆に、日本人が外国を描く時は有利ってことなのだ?
でぇじょうぶ博士
そうでやんす。『ヴィンランド・サガ』を見た北欧人が「なんで日本人がここまでヴァイキングのこと知ってるんだ?」って驚いたのも、この情報アクセスの差でやんすよ。
やきう
でも結局、釣りするだけの漫画まであるって、どういうことや。暇すぎやろ。
でぇじょうぶ博士
それがバラエティの豊かさでやんす!アメコミ界の大御所も「少年が釣りをするだけの漫画」に驚愕したでやんす。月に行くでもゾンビが出るでもなく、ただ釣りをするだけでやんす。
ずん
歴史のおいしいところは先人が食い尽くしたから、隙間を縫って新しい味付けしてるってことなのだ?
でぇじょうぶ博士
なるでやんす!むしろそれで先達の作品も違った角度で味わえて、プラスのサイクルが回るでやんす。まるで寿司職人が同じマグロでも切り方変えて違う味を出すようなもんでやんす。
ずん
でも、アサクリに日本人スタッフ入れればよかったのに、なんで入れなかったのだ?
でぇじょうぶ博士
それが謎でやんすね。他の作品では歴史学者をメインスタッフに入れてたのに、日本編ではそれをしなかったでやんす。まるでプロ野球チームが助っ人外国人にバット持たせずに素手で打たせたようなもんでやんす。
やきう
それ、ワイでも分かるミスやん。日本支社あるのに使わんとか、無能すぎるやろ。
ずん
つまり、日本人は歴史マンガで基礎知識つけてるから、アサクリの間違いにすぐ気づいちゃうってことなのだ?
でぇじょうぶ博士
その通りでやんす!日本人は子供の頃から歴史マンガに触れてるでやんすから、基本的な知識レベルが高いでやんす。だから「畳が四角」とか見たら即座に「おかしい」と気づくでやんすよ。
やきう
せやけど、日本人も海外の歴史描く時にミスしとるんちゃうんか?
でぇじょうぶ博士
もちろんミスはあるでやんす。でも日本語で調べられる資料の量が圧倒的に多いから、ミスする確率は低いでやんす。それに日本の読者は厳しいでやんすから、すぐツッコミが入るでやんす。
ずん
SNSで専門的な談義に花が咲くのも、みんな歴史マンガで知識つけてるからなのだ?
でぇじょうぶ博士
まさにそうでやんす!学校で習わないような細かい知識を、みんな歴史マンガから得てるでやんす。江戸時代に『通俗三国志演義』が読まれてたのも、そういう下地があったからでやんすね。
やきう
結局、日本人は歴史オタクが多いってことやな。
ずん
でもボクは歴史よりも、今日の晩ご飯が気になるのだ。
でぇじょうぶ博士
それもある意味、歴史でやんすね。今日の晩ご飯が明日の歴史になるでやんす。
ずん
ボクの胃袋の歴史は、誰も漫画にしてくれないのだ。だって誰も興味ないから!