ずん
「書籍が売れないって、みんなスマホばっかり見てるからなのだ!これは現代人の知性が劣化している証拠なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それは早計でやんす。この記事を見るでやんす。1995年から2024年にかけて書籍売上は40%減少したでやんすが、児童書は横ばいを維持してるでやんす。15歳以下人口が25%減ってるのに、子ども一人あたりの売上は30%増えてるでやんすよ。」
やきう
「はぁ?児童書だけ売れとるって、大人が本読まんくなっただけやんけ。ガキに押し付けてるだけや。」
ずん
「じゃあ、大人はバカになってるってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「違うでやんす。ジャンルごとに『いつ』『何が』『何によって』代替されたかを見る必要があるでやんす。例えば文庫本は2012年まで売上が横ばいでやんした。しかし2012年以降、スマホ普及率の上昇と驚くほど一致して急減してるでやんす。」
やきう
「スマホのせいにすんなや。値上げしたから売れんくなったんちゃうんか?」
でぇじょうぶ博士
「それも違うでやんす。文庫の価格は1995年から緩やかに上昇してたでやんすが、2012年まで売上は減ってないでやんす。2012年以前の値上げは影響せず、2012年以降だけ影響するのは不自然でやんす。」
ずん
「じゃあやっぱりスマホが悪いのだ!スマホを規制するべきなのだ!」
やきう
「規制してどないすんねん。お前、電車で新聞広げて読むんか?迷惑やぞ。」
でぇじょうぶ博士
「面白いのは、文庫・文芸・新書といった『携帯しやすい視覚メディア』がスマホに代替されたのに対し、料理本やファッション本は2006年から2012年の間に大きく減少してるでやんす。つまり、PCでも代替可能だったでやんすね。」
ずん
「えっ、じゃあPCが悪いのだ?スマホが悪いのだ?どっちなのだ?」
やきう
「どっちも悪いに決まっとるやろ。ワイはどっちも使わんから関係ないけどな。」
でぇじょうぶ博士
「やきう君、今その発言をネットに書き込んでるでやんすけど...。まあいいでやんす。重要なのは、地図や旅行ガイドはPCで早期に代替可能でやんしたが、現地での利用にはスマホの登場を待つ必要があったという点でやんす。」
ずん
「なるほどなのだ...じゃあ、これからは何が売れなくなるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「学習参考書や専門書は比較的堅調でやんす。テキストと問題集を1つの端末で併用するのは困難でやんすからね。ただし、GIGAスクール構想でタブレットが普及してるので、今後は変わるかもしれないでやんす。」
やきう
「結局、紙の本なんて全部消えるんやろ?時代遅れやわ。」
ずん
「でも博士、この記事によると『その他』のジャンルが売上構成比1位なのだ。『その他』が1位って、業界として大丈夫なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす、ずん君。確かに売上構成比1位が『その他』というのは異常でやんす。これは分類が適切でないか、市場が極度に多様化してるかのどちらかでやんす。ABC分析したら、AもBも『その他』になりそうでやんすね。」
やきう
「適当すぎやろ。そんなんで商売になるんか?」
ずん
「じゃあさ、ブックオフとかAmazonのせいじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「ブックオフは1995年以降に急拡大したでやんすが、児童書や2012年までの文庫の売上は減ってないでやんす。つまり、新刊売上を減らさず中古市場を創出しただけでやんす。Amazonは2000年開始なので、1995年からの急減は説明できないでやんす。」
やきう
「ほな、結局ネットとスマホのせいやんけ。最初から言うとったやろ。」
ずん
「でも『ネットやスマホのせいにするのはバカの一つ覚え』って本もあるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「その本には『ネットが原因でないなら、1995年から急に減ったのはなぜか』という問いへの回答が一切ないでやんす。単に『ネットのせいじゃない』と主張するだけでは、1995年という転換点や、雑誌と書籍が同時に減少した事実を説明できないでやんす。」
ずん
「じゃあ、これからボクたちはどうすればいいのだ?本を読まなくてもいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは極論でやんす。ジャンルによって代替の度合いが違うでやんす。例えば、深い思考が必要な専門書や、写真集のように物理的な質感が重要なものは、まだまだ紙の優位性があるでやんす。一方、速報性や検索性が重要なものはデジタルに軍配が上がるでやんす。」
やきう
「要するに、使い分けろってことやろ?当たり前やんけ。」
ずん
「でもさ、電車で本読んでる人、本当に減ったのだ。みんなスマホなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「データこそ示せないでやんすが、電車に乗れば明らかな事実でやんすね。2012年以降のスマホ普及率と文庫売上の減少グラフは、ほぼ完全に一致してるでやんす。これを『偶然』と考えるのは無理があるでやんす。」
やきう
「ワイはずっとスマホで株価チェックしとるで。本なんか読む時間あらへんわ。」
やきう
「うるさいわ!持っとる『気持ち』だけで十分や!」
でぇじょうぶ博士
「やれやれ...。とにかく、この記事の重要な点は『書籍』や『ネット』を一括りにせず、テクノロジーやサービスの変遷に応じてジャンルごとに分析する必要性を示したことでやんす。今後は『その他』に含まれる多様なジャンルを、より詳細なデータで分析することが求められるでやんす。」
ずん
「つまり、本が売れなくなったのは複雑な理由があって、一言では説明できないってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。『いつ』『何が』『何によって』代替されたかを丁寧に見ていく必要があるでやんす。」
やきう
「めんどくさ。結局、時代が変わったってだけやろ。」
ずん
「じゃあボク、これからは『その他』の本しか読まないのだ!何が『その他』か知らないけど、売上1位なら間違いないのだ!」