ずん
「LUUPが警察と情報共有するって、これもう監視社会の始まりなのだ!ボクたちの自由が奪われていくのだ!」
でぇじょうぶ博士
「ずん君、落ち着くでやんす。これはむしろ、無法地帯だった電動キックボード界に秩序をもたらす革命でやんすよ。」
やきう
「革命?ワイから言わせりゃ、ただの密告システムやんけ。昔の隣組かよ。」
ずん
「そうなのだ!ボクはちょっと赤信号無視しただけで、アカウント停止とか理不尽すぎるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「『ちょっと』でやんすか...。赤信号無視は立派な交通違反でやんす。まるで『ちょっと人を殴っただけ』と言ってるようなもんでやんすよ。」
やきう
「でもな、警察が直接LUUP に情報流すって、プライバシーどうなっとんねん。令状もなしに個人情報ダダ漏れやろ。」
でぇじょうぶ博士
「それが今回のミソでやんす。利用者が事前に同意する仕組みを作ったでやんすよ。つまり、LUUPを使うということは、『ボクは違反したら通報されても文句言いません』という契約書にサインするのと同じでやんす。」
ずん
「えっ!?じゃあボク、知らないうちに密告者になる契約してたのだ?」
やきう
「お前が密告されるんやろがい。頭悪すぎて草。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、これまでは警察官が現場で『LUUPに情報提供していいですか?』って聞く必要があったでやんす。違反者がわざわざ『はい、どうぞ』なんて言うわけないでやんすよね。」
ずん
「そりゃそうなのだ!バカ正直に同意するやつなんていないのだ!」
やきう
「お前、今まさに自分が違反者前提で話してるやんけ。自白してどないすんねん。」
でぇじょうぶ博士
「実は、この制度の本当の狙いは別にあるでやんす。違反者を取り締まることよりも、『違反したら確実にバレる』という心理的抑止力を生み出すことでやんすよ。」
ずん
「むむむ...つまりボクたちを脅して、ビビらせて、真面目に運転させようってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。おいらの分析によると、監視カメラが設置された地域で犯罪率が下がるのと同じ原理でやんす。まるでパンプティコン刑務所みたいなもんでやんすね。」
やきう
「パンなんとかって何やねん。説明下手くそか。」
でぇじょうぶ博士
「...中央の監視塔から全ての囚人を監視できる円形刑務所のことでやんす。囚人は常に見られているかもしれないという恐怖で、自発的に規則を守るようになるでやんす。」
やきう
「まあ実際、飲酒運転とかひき逃げするアホがおるから、こうなったんやろ。自業自得や。」
でぇじょうぶ博士
「やきう君の言う通りでやんす。2024年1月から違反点数制度を導入したものの、警察からの情報が来ないから機能不全だったでやんすよ。まるで歯のない虎でやんす。」
ずん
「でも、30日間アカウント停止って厳しすぎないのだ?ボクの生活の足がなくなっちゃうのだ!」
やきう
「お前、電動キックボードが生活の足って時点で人生終わっとるやろ。自転車買えや。」
でぇじょうぶ博士
「実は、この制度で一番得をするのは、真面目に利用している大多数の利用者でやんす。危険運転する輩が排除されれば、サービス全体の評判が上がって、規制強化を免れる可能性があるでやんすから。」
ずん
「なるほどなのだ...じゃあ、ボクみたいな善良な市民には関係ない話なのだ!」
やきう
「さっきから違反前提で話してたお前が、いきなり善良な市民面すんなや。」
でぇじょうぶ博士
「しかし、この仕組みには一つ大きな問題があるでやんす。同意しない人は電動キックボードを使えなくなるでやんすよ。つまり、プライバシーを守りたい人は、サービスから排除されるでやんす。」
ずん
「それって独占禁止法とか、そういうのに引っかからないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす!ただ、LUUPは独占企業ではないでやんすし、電動キックボードは生活必需品でもないでやんすから、法的には問題ないでやんす。嫌なら使うなという論理でやんすね。」
やきう
「結局、貧乏人は電車乗って、金持ちはタクシー使えってことやな。キックボードなんて中途半端なもん使う方が悪いわ。」
ずん
「やきうはいつも弱者に厳しいのだ...でも、これって他のサービスにも広がっていくんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「素晴らしい洞察でやんす!カーシェアリング、自転車シェア、さらにはタクシー配車アプリなども、同様の仕組みを導入する可能性があるでやんす。まるでドミノ倒しのようにでやんす。」
やきう
「そのうち、スマホで信号無視したら、キャリアから通信停止されるとかなるんちゃうか。ディストピアやん。」
でぇじょうぶ博士
「大げさに聞こえるかもでやんすが、技術的には可能でやんすよ。GPS、カメラ、AI による行動監視...すでに中国では社会信用スコアシステムが運用されてるでやんすから。」
ずん
「じゃあボク、もう電動キックボード使わないのだ!自転車にするのだ!」
やきう
「自転車でも交通違反したら捕まるんやで。お前、道路交通法知らんのか。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、自転車はまだ警察から直接LUUP みたいな企業に情報が流れることはないでやんすけどね。ただし、レンタサイクルの場合は今後どうなるか分からないでやんす。」
ずん
「もう歩くしかないのだ!歩行者なら絶対安全なのだ!」
やきう
「歩きスマホで人にぶつかって傷害罪で捕まるかもな。お前ならやりかねんわ。」
でぇじょうぶ博士
「実はこの問題、もっと深いところでやんす。私企業と公権力の境界が曖昧になってきてるでやんすよ。警察が取り締まりを民間企業に外注してるようなもんでやんす。」
でぇじょうぶ博士
「簡単に言うと、これまでは警察が『違反者を捕まえて罰金を取る』だけだったでやんす。でも今回は『警察が捕まえた情報を企業に流して、企業が利用停止にする』という二段階処罰でやんす。」
やきう
「それ、二重処罰ちゃうんか?憲法違反やろ。」
でぇじょうぶ博士
「鋭いでやんす!ただし、LUUP のアカウント停止は刑事罰ではなく、民間契約の範囲でやんすから、憲法の二重処罰禁止には当たらないという解釈でやんす。グレーゾーンでやんすけどね。」
ずん
「じゃあボク、LUUPを使わなければいいだけなのだ!簡単なのだ!」
やきう
「それな。結局、お前みたいな違反常習犯を排除するのが目的やから、制度として正しく機能しとるってことや。」
でぇじょうぶ博士
「しかし、これが『スタンダード』になると怖いでやんす。あらゆるサービスが『警察と情報共有します』となったら、逃げ場がなくなるでやんす。まるで、全てのサービスが警察の出張所みたいになるでやんすよ。」
ずん
「もう怖くて何も使えないのだ...ボクは洞窟で暮らすのだ...」
やきう
「洞窟も不法占拠で逮捕されるやろ。お前、本当にアホやな。」
でぇじょうぶ博士
「まあ、ポジティブに考えれば、これで電動キックボードの無法地帯が改善されて、歩行者も安心して歩けるようになるでやんす。安全のためのコストとして受け入れるべきかもしれないでやんすね。」
ずん
「でもでも、ボクみたいな善良な市民まで監視されるのは納得いかないのだ!」
やきう
「だからお前、さっきから善良ちゃうやろ。自分で違反する前提で話してたやんけ。記憶力ゼロか。」
でぇじょうぶ博士
「結局、この制度の成否は運用次第でやんす。警察が恣意的に情報提供したり、LUUP が過剰に停止措置を取ったりしたら、問題でやんす。透明性が重要でやんすね。」
ずん
「むむむ...じゃあボク、LUUP に『おいらの違反情報を公開してください!』って請求するのだ!情報公開請求なのだ!」
やきう
「何も違反してないんちゃうんかい。設定ブレブレやぞ。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに、この仕組みを導入したことで、LUUP は『ちゃんと取り締まってます』というアピールができて、行政からの評価も上がるでやんす。企業イメージ向上にもつながるでやんすよ。」
ずん
「なるほど...つまりLUUPは警察のご機嫌取りをしてるってことなのだ?」
やきう
「それを『コンプライアンス』って言うんやで。社会人なら常識や。お前、本当にエリート会社員か?」
でぇじょうぶ博士
「でも、利用者からすれば、プライバシーと利便性のトレードオフでやんす。安全を取るか、自由を取るか。永遠のジレンマでやんすね。」
ずん
「ボクは自由を取るのだ!監視されない自由が一番大事なのだ!だからこれからは全部徒歩で移動するのだ!」
やきう
「徒歩で会社行ったら遅刻しまくりやろ。お前、もう会社クビになってるやろうけどな。」
ずん
「...実はリモートワークなのだ。だからセーフなのだ!ボクは賢いエリートなのだ!」