ずん
「ねぇ博士、大人がキッズサイズのダウンを着てるらしいのだ。これって日本の経済がヤバいってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「ほうほう、なるほどでやんすね。実はこれ、『タイトフィット』という名目でキッズダウンを大人が着るのがトレンドになってるでやんす。ユニクロのパフテックウォッシャブルパーカなんかは欠品が続出してるでやんすよ。」
やきう
「は?ワイには理解できんわ。大人が子供服着て喜んでるとか、もう終わりやろこの国。」
でぇじょうぶ博士
「確かに価格面でのメリットはあるでやんす。キッズサイズは大人用より2000円ほど安いでやんすからね。でも本質はそこじゃないでやんす。」
でぇじょうぶ博士
「今の若者はオーバーサイズ全盛期を経て、逆に『ジャストフィット』を求めてるでやんす。キッズサイズは袖丈が短く、身幅も細いから、小柄な日本人の体型にピタッとハマるでやんすよ。」
ずん
「なるほどなのだ!つまりボクみたいな華奢な体型の人間にはぴったりってことなのだ!」
やきう
「お前のそのガリガリ体型、華奢とは言わんやろ。栄養失調や。」
でぇじょうぶ博士
「まぁまぁ。実は海外でもこの現象は起きてるでやんす。SNSで『Wearing kids clothes as an adult』というハッシュタグまで存在するでやんすよ。」
ずん
「へー、世界的なトレンドなのだ。でも子供服売り場に大人がウロウロしてたら変質者に間違えられないのだ?」
やきう
「それな。ワイも思ったわ。キッズコーナーで130cmとか試着してる大人見たら通報するで。」
でぇじょうぶ博士
「その懸念はもっともでやんす。実際、店員さんも対応に困惑してるケースがあるでやんす。でも最近はオンラインで購入する人が多いから、その問題は回避できるでやんすね。」
ずん
「じゃあボクもネットでポチるのだ!140cmくらいがいいのだ?」
やきう
「お前、いくつやねん。40歳が140cm着るとか、もはや芸人やろ。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみにこのトレンド、ファッション業界にとっては複雑でやんす。キッズラインの売上は伸びるけど、大人向けラインが売れなくなるジレンマがあるでやんすからね。」
ずん
「あっ、そうか。じゃあユニクロは困ってるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「いえいえ、むしろチャンスでやんす。この現象を受けて、『大人のためのコンパクトサイズライン』を展開する可能性もあるでやんすよ。XXSとかXXXSとか。」
やきう
「それもう記号やん。XXXSって何やねん、エクストリーム・エクストリーム・エクストリーム・スモールか?舌噛むわ。」
ずん
「でもさ、子供服って耐久性とか大丈夫なのだ?すぐ破れたりしないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「良い質問でやんす。実は子供服の方が、動き回る子供を想定して縫製がしっかりしてる場合もあるでやんす。それに洗濯にも強い設計になってるでやんすよ。」
やきう
「ファッ!? じゃあマジでコスパええやんけ。ワイも買おうかな...いや、やめとこ。プライドが許さんわ。」
ずん
「やきうがプライドとか言い出したのだ。珍しいのだ。」
でぇじょうぶ博士
「しかし問題もあるでやんす。サイズ展開が少ないから、体格の良い人には向かないでやんすし、デザインも子供向けで派手な色が多いでやんす。」
ずん
「あー、確かに。ボクが好きな渋いネイビーとかなさそうなのだ。」
やきう
「お前が渋いとか言うな。お前の人生が一番派手やろ。毎日が色違いの炎上祭りや。」
でぇじょうぶ博士
「それに長期的には、本来の子供向け在庫が不足する問題も出てくるでやんす。親御さんが困るケースも報告されてるでやんすよ。」
ずん
「うわー、それは申し訳ないのだ。でもボクは悪くないのだ。トレンドが悪いのだ。」
やきう
「お前のその責任転嫁する才能だけは一級品やな。感心するわ。」
でぇじょうぶ博士
「面白いのは、この現象が『ファストファッションの進化形』とも言えることでやんす。より安く、よりフィットするものを求めた結果、年齢の壁を超えてしまったでやんすね。」
ずん
「つまり、ファッションに年齢は関係ないってことなのだ?」
やきう
「いや関係あるやろ。50代のオッサンがキッズダウン着てたら職質不可避やぞ。」
でぇじょうぶ博士
「やきう君の言う通り、社会的な視線という問題は残るでやんす。でも若者を中心に、そういった『常識』を疑う動きが広がってるのも事実でやんすよ。」
ずん
「なるほどなのだ。じゃあボクもその最先端を行くのだ!明日からキッズダウンで出社するのだ!」
やきう
「お前、在宅勤務やろ。誰に見せるねん。Zoomの向こうの同僚か?」
でぇじょうぶ博士
「まぁでも、この現象は『ミニマリズム』の流れとも連動してるでやんす。コンパクトで機能的、そして経済的。現代のニーズに合ってるでやんすよ。」
ずん
「じゃあボクは時代の最先端を行ってるってことなのだ!やったのだ!」
やきう
「お前は何もしてへんやろ。ただ便乗しようとしてるだけや。それを最先端とは言わんねん。」
でぇじょうぶ博士
「今後、このトレンドがどう展開するか注目でやんすね。各ブランドが『大人のための小さいサイズ』を本格展開するか、それとも一過性で終わるか...」
でぇじょうぶ博士
「おいらの見立てでは、一部のブランドは専用ラインを作るでやんす。でも主流にはならないでやんすね。なぜなら、ファッション産業は『新しいものを売る』ことで成り立ってるでやんすから。」
やきう
「つまり業界にとっては迷惑なトレンドってことやな。客は喜んでるけど。」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんすね。消費者の合理的選択が、産業構造と衝突する典型例でやんす。まるで進化の過程で恐竜が絶滅したようなもんでやんすよ。」
ずん
「でもボク、結局買うか迷ってるのだ。やっぱり子供服売り場行くの恥ずかしいし...」
やきう
「だからネットで買えや。何回同じこと言わせるねん。お前の記憶力、金魚以下か?」
でぇじょうぶ博士
「最後に一つアドバイスするでやんす。もし購入するなら、試着は必須でやんすよ。キッズサイズは微妙なサイズ感が命でやんすからね。」
ずん
「わかったのだ!じゃあボク、今から店に行って堂々と試着してくるのだ!周りの目なんて気にしないのだ!これがボクの『脱・常識』宣言なのだ!」