ずん
「株価と経済成長は無関係って、これマジでヤバくないのだ?ボク今まで騙されてたのだ!」
でぇじょうぶ博士
「やれやれ...ずん君は騙されたんじゃなくて、最初から何も理解してなかっただけでやんす。」
やきう
「ワイも最初この話聞いた時、『は?』ってなったで。成長せんのに儲かるとか、詐欺師の常套句やんけ。」
でぇじょうぶ博士
「まあ直感に反する話でやんすからね。でも株価というのは、将来の一株当たり利益の割引現在価値の合計でやんす。つまり、成長率が高くても、その分だけ最初の株価も高く評価されて買われるから、期待リターンは変わらないでやんす。」
ずん
「じゃあ日本みたいな人口減少国でも株式投資はアリってことなのだ?」
やきう
「ちょ、待てや。それやと日本株バンバン買えってことか?お前ら散々『日本はオワコン』言うてたやんけ。」
でぇじょうぶ博士
「オワコンでやんすよ。でも、それと株式投資の期待リターンは別問題でやんす。重要なのは『市場の価格形成メカニズム』でやんす。つまり、低成長が織り込まれて安く買えるなら、リスクプレミアム分のリターンは得られるでやんす。」
ずん
「うーん...難しいのだ。じゃあ何に投資すればいいのだ?」
やきう
「結局インデックスファンドやろ?『市場の価格形成メカニズムを信じろ』とか言うて、自分で考える気ゼロやんけ。」
でぇじょうぶ博士
「むしろそれが正解でやんす。個別株で『この会社は成長する!』と熱くなってる投資家は、既にその期待が株価に織り込まれてることを忘れてるでやんす。まるでバレンタインデーに本命チョコもらえると信じて高級チョコ買ってる童貞みたいなもんでやんす。」
ずん
「は、博士...それ自分のことじゃないのだ...?」
でぇじょうぶ博士
「...話を戻すでやんす。株式投資の年率5%程度のリスクプレミアムは、企業の成長率とは無関係に、株式というリスク資産を保有することの対価でやんす。」
やきう
「つまり、ビビって売る奴がおるから、ワイらが儲かるってことやな。メンタル弱い奴から金巻き上げるシステムや。」
ずん
「じゃあボクはメンタル強いから大丈夫なのだ!含み損とか全然気にしないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「ずん君、君は投資すらしてないでやんす...」
ずん
「む、むぅ...じゃあこれから投資始めるのだ!日本株は安いから今がチャンスなのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それも微妙に違うでやんす。『安い』というのは過去の株価と比べて安いという意味でやんすが、今の株価には既に将来の見通しが織り込まれてるでやんす。つまり、市場参加者全員の予想の平均が今の株価でやんす。」
やきう
「要するに、『自分だけが正しい』と思うのは傲慢ってことやな。ワイは常に正しいと思っとるけど。」
ずん
「じゃあ何を信じればいいのだ...もう全部金庫に現金で置いとくのだ!」
でぇじょうぶ博士
「それは最悪でやんす。インフレで確実に価値が減るでやんす。まるで氷を溶けないように常温で保管してるようなもんでやんす。」
やきう
「結局、何もせんのが一番損するってことか。働かんワイには耳が痛いで。」
ずん
「うぅ...じゃあ素直にインデックス投資するのだ。でも、これって結局『市場』っていう神様を盲信してるだけじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす、ずん君。でも『盲信』じゃなくて『合理的な信頼』でやんす。市場は何万人もの投資家の予想と資金が集まって価格を形成してるでやんす。一人の素人が勝てる相手じゃないでやんす。」
やきう
「つまり、『俺は特別』思考の奴がカモられるってことやな。ワイみたいな選ばれし者は別やけど。」
ずん
「やきう、お前引きこもりなのに選ばれし者なのだ...?」
でぇじょうぶ博士
「まあ、山崎元氏が言いたいのは、『経済成長』という曖昧なストーリーではなく、『市場メカニズム』という構造的なリターン源泉を理解しろということでやんす。これは投資の本質を突いた指摘でやんすね。」
ずん
「なるほどなのだ...つまり、『日本経済ヤバイから株もヤバイ』は短絡的ってことなのだ!」
やきう
「でも実際、日本株より米国株の方がパフォーマンスええやんけ。理屈はどうあれ、結果が全てや。」
でぇじょうぶ博士
「それは過去のデータでやんす。将来も同じとは限らないでやんす。米国株が好調だったのは、まさにその『成長期待』が株価に反映されて高く買われ続けたからでやんす。でも、いつまでも続くとは限らないでやんす。」
ずん
「じゃあ今から米国株買うのは遅いってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「遅いというより、既に高く評価されてるでやんす。割高か割安かは誰にもわからないでやんすが、『みんなが買ってるから』という理由で買うのは、まるで行列のできるラーメン屋に並んで、実は隣の店の方が美味しかったパターンでやんす。」
やきう
「結局どこに投資しても一緒ってことやんけ。じゃあ競馬でもやった方がマシや。少なくとも楽しいで。」
ずん
「でもやきう、お前競馬場行ったら人混みで発作起こすじゃないのだ。」
でぇじょうぶ博士
「競馬の期待リターンはマイナスでやんす。控除率があるでやんすからね。株式のリスクプレミアムとは本質的に違うでやんす。」
ずん
「じゃあ結論として、成長率とか気にせずに分散投資して長期保有すればいいってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。『日本ヤバイ』『米国最強』みたいな感情論ではなく、市場メカニズムを信じて、世界中に分散投資することでやんす。そうすれば、年率5%程度のリスクプレミアムが期待できるでやんす。」
やきう
「まあ理屈は分かったわ。でもワイは一発逆転狙いたいんや。地道な積立とか性に合わへん。」
ずん
「やきう...お前それ、パチンコ依存症の言い訳と同じなのだ...」
やきう
「うるさい!ワイにはワイのやり方があるんや!」
でぇじょうぶ博士
「まあ、投資は自己責任でやんすからね。ただ、『一発逆転』を狙う時点で、既にギャンブルでやんす。投資ではなくなってるでやんす。」
ずん
「博士、最後に聞きたいのだ。この理論が正しいなら、なんでみんな成長株とか探してるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは人間が『特別になりたい』『他人より賢くなりたい』という欲望があるからでやんす。でも、市場に勝つのは宝くじに当たるより難しいでやんす。プロでも勝ち続けるのはほぼ不可能でやんす。」
やきう
「つまり、投資で勝ってるやつは運がええだけってことか。努力とか関係ないんやな。」
ずん
「じゃあボクみたいに努力しない人間には最適なのだ!何もせずにインデックス買って寝てればいいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「...それを実行できる人は実は少ないでやんす。多くの人は途中で我慢できなくなって売買を繰り返すでやんす。」
やきう
「ずんは寝るの得意やし、ワンチャンあるんちゃう?」
ずん
「そうなのだ!ボクの怠惰な性格がついに武器になる時が来たのだ!株買って冬眠するのだ!」