ずん
「ねえねえ、金屏風の前にスロープつけただけで『快挙』扱いって、マジで令和の日本ヤバくないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「やんすね。まるでコンビニに自動ドアがついて驚いてるようなもんでやんす。2023年にもなって、こんな当たり前のことが話題になる文学界の後進性には、おいらも呆れるでやんす」
やきう
「待てや。文学界なんてもともと化石みたいな連中の集まりやろ。令和どころか昭和で時間止まっとるわ」
ずん
「でもさ、DOLCE & GABBANAの衣装で電動車椅子で坂のぼる市川さん、めっちゃカッコよくなかったのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。あれこそが真の『バリアフリー』でやんす。物理的な段差をなくすだけじゃなく、『障害者は地味にしてろ』という見えないバリアもぶち壊したでやんす」
やきう
「ワイ、あの記事読んで泣きそうになったわ。『目の前にナイフがない限り、思想が異なる人とも友人になれる』って...ワイには無理や」
ずん
「え、やきうが泣くとか都市伝説なのだ。次は河童が泣くのだ」
でぇじょうぶ博士
「むむむ、それより重要なのは『読書バリアフリー』の本質でやんす。これは『便利にしてあげる』という上から目線の施しではなく、人権の問題でやんす」
やきう
「そういえば点字の本とか音声読み上げとか、まだまだ全然足りへんよな。電子書籍すら対応してへんの多いし」
ずん
「待って待って。つまり目が見えない人は、読みたい本があっても読めないってことなのだ?それって...」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。『文学』という文化そのものから排除されてるでやんす。まるで入場料払ってるのに美術館に入れないようなもんでやんす」
やきう
「しかも出版社は『コストがー』『需要がー』とか言い訳ばっかりやろ。ほんま腹立つわ」
ずん
「でもさ、AIとか技術進化してるんだし、もっと簡単に音声化とかできそうなのだ」
でぇじょうぶ博士
「技術的には可能でやんす。問題は『やる気』と『意識』でやんす。つまり、障害者を『消費者』『読者』として本気で想定してないでやんす」
やきう
「結局、健常者が多数派やから『マイノリティは後回し』ってことか。資本主義の闇やな」
ずん
「むむむ...じゃあボクたちができることってなんなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まず『読書バリアフリーは人権』という意識を持つことでやんす。そして声を上げること。荒井裕樹氏と市川沙央氏の往復書簡のように、言葉で戦うことでやんす」
やきう
「でも正直、ワイらみたいな一般人が何言うても変わらんやろ」
ずん
「やきう、珍しく弱気なのだ。普段はイキってるのに」
でぇじょうぶ博士
「いやいや、個人の声は小さくても、それが集まれば大きなうねりになるでやんす。SNS時代の今、一人の発信が千人に届く可能性があるでやんす」
やきう
「...まあ、せやな。ワイも匿名掲示板で文句ばっか垂れてへんで、たまには建設的なこと書くか」
でぇじょうぶ博士
「ところで、この記事で一番印象的だったのは『世界にとっての異物になってやりたい』というフレーズでやんす」
やきう
「異物?ワイ、毎日のように『社会の異物』って自覚してるけど...」
でぇじょうぶ博士
「違うでやんす!市川氏の言う『異物』とは、既存の枠組みを壊し、新しい価値観を提示する存在でやんす。単に排除される側から、むしろ排除する側の常識を問い直す存在でやんす」
やきう
「つまり『お前らの"普通"なんて知るかボケ、こっちが新しい"普通"作ったるわ』ってことか?」
でぇじょうぶ博士
「まあ、下品な要約でやんすが、本質はそうでやんす。『ハンチバック』という作品自体が、そういう挑戦でやんすね」
ずん
「でもさ、結局のところ芥川賞とったから注目されたわけで、賞とってなかったらスルーされてたってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「鋭い指摘でやんす。確かに文学賞という『権威』に認められないと、主流にはなれない矛盾があるでやんす。革命を起こすには、まず敵の城に入らないといけないでやんす」
やきう
「結局、体制内からしか体制は変えられへんのか。なんやそれ」
ずん
「じゃあやきうもまず働いて、体制内に入ってから文句言うのだ」
やきう
「は?ワイはすでに体制の外側から石投げる戦略やからええねん」
ずん
「ところでさ、荒井氏が『器の大きさに比べると卑小で恥ずかしい』って自己評価してるけど、これって日本人特有の謙遜なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「いや、これは本音でやんす。障害者運動や差別問題を研究してきた荒井氏でさえ、市川氏の寛容さには驚嘆してるでやんす。『思想が違っても友人になれる』なんて、おいらには到底無理でやんす」
やきう
「ワイも無理や。なんJで煽り合いしかしてへんし」
ずん
「みんな正直なのだ。でも、それって逆に言えば、市川氏がすごすぎるってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。差別や排除を経験してきた当事者が、それでも寛容でいられるというのは、並大抵のことじゃないでやんす。普通は憎しみや怒りで心が支配されるでやんす」
やきう
「でもそれって、逆に言えば『当事者は寛容であるべき』っていう新たなプレッシャーにならんか?」
ずん
「おお、やきうが珍しくまともなこと言ったのだ」
でぇじょうぶ博士
「確かにそのリスクはあるでやんす。『障害者は天使のように優しくあるべき』という新たな型にはめようとする動きには警戒が必要でやんす」
やきう
「結局、どう振る舞っても批判されるんやな。怒れば『感情的』、寛容なら『聖人化』。地獄やん」
でぇじょうぶ博士
「答えは簡単でやんす。『当事者も普通の人間』として扱うことでやんす。優しい時もあれば、怒る時もある。完璧を求めないでやんす」
やきう
「それが一番難しいんやろな。人間、誰かを型にはめて安心したがるから」
ずん
「深いのだ...って、なんかこの会話、真面目すぎないのだ?いつものふざけた感じがないのだ」
でぇじょうぶ博士
「それは、この話題が本当に重要だからでやんす。でも確かに、もう少し軽くしてもいいかもでやんす」
やきう
「じゃあ聞くけど、博士は電動車椅子で坂のぼれる?」
でぇじょうぶ博士
「おいらは俊足でやんすから、走ってのぼるでやんす」
やきう
「つーか、文学界の連中、マジでスロープごときで騒ぐとか終わってるわ。ワイの地元の公民館でも20年前からついとるぞ」
やきう
「...Googleマップのストリートビューで見たんや」
ずん
「でもさ、真面目な話、この往復書簡って何がすごいのだ?ただの手紙でしょ?」
でぇじょうぶ博士
「違うでやんす。これは『記録』であり『武器』でやんす。言葉を交わし、記録に残し、多くの人に読まれることで、社会を少しずつ変えていくでやんす」
やきう
「でも結局、読むのは意識高い系の人らだけやろ。ワイみたいな底辺には関係ないわ」
でぇじょうぶ博士
「それでいいでやんす。一人でも多くの人が、こういう問題に触れる機会があれば、それが種になるでやんす」
ずん
「ふむふむ...じゃあ最後に聞くのだ。この記事を読んで、ボクたちは何をすればいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まず、読書バリアフリーは『人権』だと認識することでやんす。そして、出版社や図書館に音声化や点字化を要望することでやんす。自分の好きな作家に『アクセシビリティを考えてほしい』と伝えることでやんす」
やきう
「あとは、障害者を『特別な存在』として扱わんことやな。普通に接する。それだけや」
ずん
「なるほどなのだ...でもボク、正直言うと、どう接していいかわからないのだ」
でぇじょうぶ博士
「それが正直な感想でやんす。でも、その『わからない』を認めることが第一歩でやんす。知ったかぶりや過度な配慮の方が、よっぽど失礼でやんす」
やきう
「深いこと言うやん、博士。たまには役に立つな」
でぇじょうぶ博士
「おいらはいつも役に立ってるでやんす」
やきう
「まあでも、この記事で一つだけ確信したわ。文学界、もっと変わらなアカンってことや」
ずん
「やきうが建設的な意見を言うとか、これが令和の奇跡なのだ」
でぇじょうぶ博士
「いや、もっと驚くべきは、やきうが『変わらなアカン』という変化を肯定する発言をしたことでやんす。普段はゴリゴリの保守派なのに」
やきう
「うるさいわ。たまには進歩的なこと言うてもええやろ」
ずん
「じゃあこれを機に、やきうも変わるのだ?引きこもりニート卒業するのだ?」
ずん
「でもさ、市川さんの『世界にとっての異物になってやりたい』って言葉、めちゃくちゃ格好良くないのだ?ボクも異物になりたいのだ」
やきう
「お前、すでに十分異物やろ。ずんだもんのくせに引きこもりニートで税金払わへん言うてるし」
でぇじょうぶ博士
「ずんの場合は『異物』というより『異端』でやんすね。しかも悪い意味での」
ずん
「ひどいのだ!でもまあ、ボクなりに社会と戦ってるのだ。戦い方が間違ってるだけなのだ」
でぇじょうぶ博士
「でも、ずんのその開き直りは、ある意味では市川氏の精神に通じるものがあるでやんす。既存の価値観に囚われない生き方という意味では」
でぇじょうぶ博士
「半分は皮肉でやんすが、半分は本気でやんす。『普通』からはみ出る勇気は、誰にでも持てるもんじゃないでやんす」
ずん
「むむむ...じゃあボクも立派な『異物』なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「いや、全然違うでやんす。市川氏は『新しい価値』を創造してるでやんす。ずんはただ既存の価値から逃げてるだけでやんす」
やきう
「まあでも、この記事読んで一つだけわかったわ。『普通』なんて幻想やってことや」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。健常者にとっての『普通』は、障害者にとっては『バリア』でやんす。多様な『普通』があることを認めるのが、本当のバリアフリーでやんす」
ずん
「なるほど...じゃあボクの『働きたくない』という価値観も認めてほしいのだ」
でぇじょうぶ博士
「ずんの場合は、真面目に働いてから言うべきでやんす」
ずん
「ちぇー...でも、この往復書簡の続編、読んでみたくなったのだ。前回どんな内容だったのだ?」
でぇじょうぶ博士
「前回は『世界にとっての異物になってやりたい』というタイトルで、文学と障害、社会との関わりについて深く語り合ってたでやんす」
やきう
「で、その反響が大きすぎて、2年後に続編が出たってわけか」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。特にマイノリティにとって、言葉は最大の武器でやんす。物理的な力では敵わなくても、言葉で社会を動かせるでやんす」
やきう
「ワイも匿名掲示板で言葉の力使いまくってるわ。主に煽りやけど」
でぇじょうぶ博士
「やきうの場合は、言葉を武器にしてるというより、言葉で自爆してるイメージでやんす」
ずん
「ねえねえ、結局さ、読書バリアフリーって進んでるのだ?」
でぇじょうぶ博士
「少しずつでやんすが進んでるでやんす。電子書籍の音声読み上げ機能や、点字図書館の充実など。でもまだまだ不十分でやんす」
やきう
「つーか、出版社がもっと本気出せばええのにな。技術的には可能なんやろ?」
でぇじょうぶ博士
「技術的には可能でやんすが、コストの問題や著作権の問題があるでやんす。それに何より『意識』の問題が大きいでやんす」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。『障害者も読者』という当たり前の認識が、まだまだ薄いでやんす。市場規模が小さいから優先度が低いというのは、ビジネス論理としては理解できるでやんすが、人権の観点からは許されないでやんす」
やきう
「結局、資本主義と人権がぶつかってるってことか」
でぇじょうぶ博士
「でも、声を上げ続けることが大事でやんす。市川氏のような当事者が芥川賞を獲って、メディアで発信することで、少しずつ変わっていくでやんす」
やきう
「まあ、ワイらもSNSで拡散するくらいはできるか」
やきう
「当たり前や。主になんJとTwitterでレスバしてるけど」
でぇじょうぶ博士
「それを建設的な発信に変えれば、社会貢献になるでやんす」
ずん
「じゃあ最後に、この記事で一番大事なポイントって何なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「読書バリアフリーは『利便性』ではなく『人権』だということでやんす。『あると便利』ではなく『ないと差別』なんでやんす」
やきう
「深いな...ワイ、今日はマジで勉強になったわ」
ずん
「ボクも!これからはもっと意識して生きるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「おお、二人とも殊勝な心がけでやんす。その気持ちを忘れずに」
でぇじょうぶ博士
「まあ、人間そんなもんでやんす。でも、こうやって一度でも真剣に考える機会があれば、どこかで思い出すはずでやんす」
ずん
「じゃあ、ボクは今日から『世界にとっての異物』を目指すのだ!まずは明日から働かないことで、資本主義社会に反旗を翻すのだ!」